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INTERVIEW

ESKIMO CALLBOY

2017.09.12UPDATE

2017年09月号掲載

ESKIMO CALLBOY

Member:Sebastian “Sushi” Biesler(Vo)

Interviewer:村岡 俊介(DJムラオカ)

前作『Crystals』が本国ドイツ・チャート過去最高の6位を記録しながらも、残念ながら日本盤未発売であったが、今作はソニー・ミュージックから見事国内盤リリース返り咲き! さらにはリリース直後に"SCREAM OUT PARTY 2017"と東名阪でのリリース・ツアーでの再来日も決定と、再び日本に攻勢をかけてきたESKIMO CALLBOY。今作『The Scene』のキーワードは"進化"とSushiがインタビューで語っているが、メンバー6人それぞれの個性をひとつに集約させた今までにないバラエティに富んだ1枚に仕上がっている。

-激ロックでのコラム執筆いつもありがとうございます。あのコラムは主にKevin(Ratajczak/Vo/Key)が書いていると思いますが、彼は楽しみながら書いていますか? それともネタ探しに苦労しているのでしょうか。

あいつは文章を書くのがとても得意だから、ネタを見つけるのもうまいんだ。他のところでもいろいろ書いているよ。インタビューも主にあいつが話すんだ。山ほどストーリーを持っているからね。

-書くのも話すのも好きなんですね。

うん。ずっと喋りっぱなしだよ(笑)。

-わかります。4年前に一度彼とも話したことがありましたが、たしかにものすごくお喋りでしたよ(笑)。よろしく伝えてくださいね。

アイツらしいな(笑)。伝えておくよ。

-3rdアルバムにあたる前作『Crystals』(2015年リリース) は日本ではリリースされませんでしたね。1stアルバム『Bury Me In Vegas』(2012年リリース)、2ndアルバム『We Are The Mess』(2014年リリース)が日本でリリースされていただけに残念だったんじゃないですか?

本当にガッカリだったよ。日本でプレイするのは大好きだし、日本そのものも大好きだからね。『Crystals』で日本に行けなかったのは本当に残念だったけど、『The Scene』でカムバックしたから、日本のみんなのためにプレイできるのが超楽しみなんだ! 心からそう思ってるよ。日本は俺たちにとってお気に入りの国のひとつだしね。でも、もう2年くらい行っていないから、また行けることになって超ワクワクしているんだ。

-新作『The Scene』の完成おめでとうございます。コラムで拝見していましたが、たっぷりと時間をかけて制作したようですね。完成した今の気持ちを教えてください。

言葉が見つからないくらい嬉しいよ。それに、曲作りの作業にものすごく手を焼いたからね。ファッキンなくらい時間がかかったよ。『Crystals』がとてもうまくいったこともあってね。特に俺たちのメイン・マーケットのドイツではものすごくうまくいったんだ。前作よりいいものを作らないといけないしね。だから俺たち自身、掲げたハードルが高かったし、曲作りもそのぶん難しかったんだ。ものすごく話し合ったし考えもした。どういう音にすべきなのか、バンドとしても成長したいし......とにかく大変だったよ。長い時間がかかった。クリエイティヴィティを使い果たしちゃったんじゃないかって境地までいったんだ。だから発売に辿り着けてすごく楽しみなんだけど、ちょっと怖くもある。前作とは少し違う内容だからね。

-そうそう、前作『Crystals』は本国のチャートで自身最高位の6位だったんですよね。自分たちでもハードルを高くしたという話でしたが、『Crystals』よりいいものを作ろうということで、外部からのプレッシャーもあったりしたんでしょうか。

うん、もちろんさ。ドイツではメタル・バンドが6位になるってのは重大なことだからね。俺たちにとっても、それがもっといいものを作るためのベンチマーク(水準点)みたいな感じだった。もっといい順位になることを願ってはいるけど、それはみんな次第だからね(笑)。様子を見るよ。や っぱり外部からのプレッシャーもすごかったよ。でも、一番大きなプレッシャーは俺たち自身が課したものだった。よりいいものを作りたいからね。俺たちはこの生業を愛しているしもっと良くなっていきたいけど、もっと良くなるためのプランがなかったらそれは至難の業になってしまうんだ。しかも俺たちはみんな様々なタイプの音楽を聴くから、ひとつの作品にそれを集約させるのもちょっと大変なんだよね。

-でも、すごくいい形で集約されていると思いますよ。楽曲の振れ幅が広いですし。エッセイの中でも"進化"がキーワードのひとつといいますか、もっといいバンドになりたい、もっといいものを作っていきたいという姿勢が強く感じられましたが、その振れ幅も"進化"のひとつにあたるのかなと感じました。

そうだね、そういう面もあると思う。だから普通のメタルとはちょっと違うというか。通常はどんな音にするかとか別に気にもしないけどね。ESKIMOの音がすればいいから。今は好きにやれる立場を手に入れたしね。今回はいろんなものを試してみたんだ。EDMっぽいのもあるし、ロックンロールっぽいのもあるしね。例えば「New Age」はメルセデスのCMみたいなのを思い浮かべながら作ってみたよ(笑)。全員が違ったタイプの音楽を聴くのはいい影響になっていると思う。ただ、ESKIMOというひとつのものに集中することが大事なんだ。6つの個性をひとつのものに集約させるのはいつも大変だけどね(笑)。でも何とかできてほっとしているんだ。これからどうなるか様子を見てみるよ。

-"The Scene"とはシンプルなアルバム・タイトルですが、このタイトルに込められた意味を教えてください。また他にも作品のコンセプトがありましたら教えてください。

俺たちは基本的にハードコア・シーンで育ってきたけど、今はいろんなタイプの音楽をやっているから、メタル・シーンにも、ハードコア・シーンにも、EDMシーンにもいるし、ポップのヤツらがいるメインストリームのフェスなんかにも出てる。ドイツではポップがビッグなんだ。ESKIMO CALLBOYをどんな人が聴いているかっていうのは定義が難しいんだよね。だから"The Scene"ってアルバムにしたんだ。これが俺たちの"Scene"だから。そのシーンでは誰だって俺たちの曲を聴くことができる。メタルなヤツらも、ポップなヤツらも、もっとハードな音楽を聴いているヤツらもね。ハードコアでもパンクでも、みんな楽しんでくれればいい。俺たちの音楽は多彩だし、これが俺たち独自のシーンなんだ。だから"The Scene"ってタイトルにしたんだよ。もうひとつの理由は、「The Scene feat. Fronz」って曲があるから、ってだけなんだけどね。あっちは別の意味があって、音楽シーンに対するプロテスト・ソングみたいなものなんだ。俺たちがバンドとして成長していくなかでも、(音楽シーンには)最悪の形でいろんな変化があったからね。