INTERVIEW
ESKIMO CALLBOY
2014.01.14UPDATE
2014年01月号掲載
Member:Kevin Ratajczak (Vo/Key)
Interviewer:ムラオカ
-でも、その"mess"こそがこのバンドの魅力ではないでしょうか。例えばアルバム・タイトルでMVにもなっているTrack.2「We Are The Mess」は今後のあなたがたの代表曲になりそうなESKIMO CALLBOYらしいアグレッションとポップネス、そしておバカ具合が良いバランスで入っていますね。
その辺が、俺たちへの評価が真っ二つに分かれるところなんだ。俺たちがいろんなジャンルを組み合わせていることを気に入ってくれているヤツらもいるからね。俺たちは1つのジャンルに固執したくないから、ポップもサウンドも作るしメタルなサウンドも作るし、ハードコアな部分もエレクトロな部分もある。そういうのを気に入ってくれているヤツらがいる。彼らにとっては"mess"こそが俺たちのヤベエ部分だけど、他のヤツらはそこがファックだって言うからね。だからこのタイトルを知って喜んでいるヤツらもいれば、俺たちへの怒りマックスなヤツらもいるかも知れないな(笑)!!
-Track.5「Never Let You Know」はあなたがたにしては珍しく哀愁溢れるエモーショナルな曲に仕上がっていますね。やんちゃな少年から少し大人へと成長したというところでしょうか?
そうだね。俺たちは最初EPを出し、それから『Bury Me In Vegas』があってこのアルバムなんだけど、その間にはひたすらパーティー三昧で楽しみまくりたいって時期があったんだ。悪いことなんか考えなくてね。でもずっとそうやっているわけにはいかないんだ。というか、俺たち自身そればかりじゃマジで退屈しちまうからね(笑)。もちろん今でもそういう楽しいものも大好きだけど、人生にはカウンター・ウェイトも必要だからさ。内省的になって自分自身に想いを馳せるときというのもね。俺たちが人生のことを何も考えずにパーティーするだけの、ただの無知な間抜け野郎じゃないってことを示したいというのもあったしね(笑)。前のアルバムには「Snow Covered Polaroids」という曲があったけど、あれも他の曲よりちょっと内省的だったかな。新作でも、ちょっと大人になった俺たちが味わえる曲が2つある。その中でも大人テイストなのが「Never Let You Know」だね。ストレートで、ビートも他の曲とは全然違って、歌詞ももうちょっぴり大人なんだ。
-Track.7「Jagger Swagger feat. BastiBast(Callejon)& Deuce」はKORNやDISTURBEDなどの00年代のニュー・メタルを彷彿させます。ESKIMOにとって新機軸だと思いますが、このアイデアはメンバーどなたでしょうか?またこの曲で目指したものは何でしたでしょうか?
ワォ!サンキュー!!この曲の影響元に気づいてくれたとはサイコーに嬉しいね。実際、俺たちはニュー・メタルに大きな影響を受けてきたんだ。LINKIN PARK、KORN、SLIPKNOT......その辺が俺たちにとっては偉大なアイドルだったんだ。......俺たちが曲を書くときのパターンというのは大抵どの曲も同じなんだ。エレクトロニックなものやシンセサイザーを試してみたりしてからリフを作るって感じだね。でもこの曲の場合は違う。ジャムから始まっているんだ。ディープなギター・リフをいくつか試してみることから始めてね。ちなみにこの曲では8弦ギターを弾いているんだ。それに対して意見を交換し合った。俺たちらしくないリフだったけどとても気に入ったんだ。今日俺が言いたいことのいい例だね。みんなが想像するESKIMO CALLBOYらしいサウンドではないけど、メンバー自身は気に入ったサウンドだった。だからあまり外野のことは気にしないで、Daniel(Gt)の作ったリフから発展させて作っていったんだ。実はこの曲は、俺の中では今回1番のお気に入りの1つなんだ。ツアーで出会ったサイコーな2人にも参加してもらえたしね。CALLEJONはドイツでは結構ビッグなバンドなんだけど、そこのリード・シンガーのBastiが参加してくれた。もう1人、Deuceはアメリカ人で、全米ツアーの時に出会ったんだ。HOLLYWOOD UNDEADってバンド知ってるだろ?以前在籍していたことで知られていて、今はソロ・アーティストなんだけど、コーラス部分を彼が考えてくれたんだ。2人とも参加してくれてマジでラッキーだったね。
-今作ではダブステップ・パートが要所要所で導入されていますね。最近ダブステップを導入するバンドは急激に増えていますが、他のバンドと比較すると非常にセンス良く作られていますし、攻撃力高めなダブステップはESKIMOサウンドともマッチしていますね。ダブステップを導入する際に気を付けたことを教えてください。
俺たちはみんなダブステップが好きなんだけど最近いろんなバンドが取り入れているから、きちんと作りたいという気持ちがあったんだ。難しかったのは、ダブステップを単独でメタルに取り入れても合わないということだったね。でもメタルとダブステップの境界線をあからさまにはしたくなかった。うまく言葉で説明するのは難しいけどさ。「Cinema」(SKRILLEX / Benny Benassi)のカヴァーをやったとき、初めてダブステップを取り入れたんだ。ダブステップによく耳を傾けてみると、モッシュするときの感じに似てるだろ?だからいろんなバンドが導入しているわけだけど、俺たちはギター・サウンドのボリュームを他のバンドより上げて、ダブがメインにならないようにしたかったんだ。あまりダブの部分を強調したくなかったから、全部の曲には入れなかった。ただ、ここならしっくりくるかなと思えた場所には的確に入れたけどね。結果には超満足しているよ。