COLUMN
THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第伍回
田邊:去年の12月のファイナルは珍しくMCが短かったんですよ。そのあとの打ち上げで、"2015年の田邊は大人になります!"と言った今年1月の恵比寿(LIQUIDROOM)で2時間半のライヴをやっちゃって。
日高:そのうち3割がMC?
田邊:はい。
日高:ウソがつけないバンドなんだろうね。
田邊:不器用なんですよね。
日高:"肥後もっこす"だね。
田邊:そうですね。最近、関東のバントとやることも多いんですけど、みんなオシャレですからね。九州人は何をやっても出ちゃうんですよ。音楽やライヴにも生き様が出るんだなと。
日高:そこを隠さないのはえらいよね。普通メジャーに行ったら、シュッとブラッシュ・アップさせられるんだけどね。
田邊:僕がビックリするぐらいですよ。"今日はカリスマ性をまとっていこう"とか言うと、事務所の人からめちゃくちゃ怒られるんですよ。"おまえはそんなんじゃねえだろ!"って。だから、これからも変わらずにやろうかなと。
日高:MCは長いけど、"わかってやってますよ"ってことでしょ?
田邊:ははははは。
-では、田邊少年がBEAT CRUSADERS(以下:ビークル)を観たのは?
日高:そうか、ビークル時代のライヴも観てるんだよね。
田邊:僕の中ではこうやって日高さんと話せてること自体が奇跡ですからね。
日高:とんでもない! 俺はカリスマ性を否定して、ここまで来たから(笑)。
田邊:2009年に長崎で開催された"Sky Jamboree"でやってくれた「LOVE DISCHORD」が忘れられなくて。
日高:やったっけ?
田邊:それはやめてくださいよ! この前の長崎のキャンペーンでもラジオで熱弁したんですから。
日高:森山直太朗、Sheryl Crow、それからどこでビークルと出会うの?
田邊:「JAPANESE GIRL」で好きになったんですよ。
日高:メジャー初期だね。
田邊:それから聴いて、"ほんとにすごいな"と。僕の中で日高さんはメロディ作りのカリスマなんですよ。特に泣きのメロディはBLUE ENCOUNTを始めたころにも勉強させてもらいました。
日高:俺もSheryl Crow好きだしね。要はキャッチーだけど、ほろり泣かせる感じ?40代風に言うなら、寅さんみたいな。
田邊:ああ、わかります。"Sky Jamboree"のビークルでキラキラしたものを見せてもらえました。いまだにあの景色は忘れられません。
-最後に激ロック読者にお薦めの1枚を紹介してもらえますか?
田邊:僕はもうSheryl Crowの『Sheryl Crow』です。CDが飛ぶくらい聴きましたからね。
日高:じゃあ、俺も泣きメロ系をおすすめした方がいいよね。LAGWAGONもいるけど、Sheryl Crowはカントリーが入ってるんだよね。アメリカン・ロックの泣きの源流にはカントリーがあると思うから。それをロックに最初に落とし込んだのはNeil Youngかなと。泣きメロ好きはNeil Youngを聴いた方がいいんじゃないかと。ウチ(THE STARBEMS)の高地(広明/Dr)もメロディック好きだったけど、カントリーにハマッたもん。アルバムだと、『After The Gold Rush』は泣きがいい感じかなと。泣かせるけど、ロックのテイストもあるからね。
田邊:根源に泣きがあるんでしょうね。
日高:人間性が泣けるんだよね。テクノにトライするけど、"テクノじゃねえ"みたいなものもあるし(笑)。他にロカビリー、カントリー、フォーク、グランジ、パンクっぽいこともやるけど、一貫してブレてないんだよ。Neil Youngは自分の子供が障がいを持って生まれてきて、自分の儲けた金は障がい者のための学校に注ぎ込んでるんだよね。すべては人のためにやってると想像するだけでも泣ける。あの生き様はマネできない。
田邊:すごいですね。
日高:Neil Young自身が泣きのジャンルのひとつだからね。
田邊:聴いて勉強します!
【日高 央の1枚】
Neil Young
『After The Gold Rush』
(1970)
【田邊 駿一の1枚】
Sheryl Crow
『Sheryl Crow』
(1996)