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LIVE REPORT

BugLug

2022.07.16 @新宿BLAZE

Reported by 宮﨑 大樹 Photo by 江隈麗志 (C-LOVe CREATORS)

もちろんBugLugは疑うべくもなくヴィジュアル系バンドではあるのだけれど、それ以前に屈強なライヴ・バンドなんだと気づかされた。バンドにとって2年ぶり、21枚目のニュー・シングルを引っ提げて回った東名阪ツアー"BugLug BRAND NEW TOUR 2022「ひとりごと。」"のファイナル、新宿BLAZE公演でのことだ。

SEと共にBugLugメンバーが登場し、開幕に「R.I.P」を投下。アグレッシヴなロック・サウンドを鳴らしながら、一聖が力強くも艶のあるヴォーカリゼーションで先導していく。すると、その勢いをさらに加速させるようにミクスチャー・ロックの「神宮橋」へと雪崩れ込んだ。剥き出しの反骨精神をマシンガンのようにラップで打ち出していくその姿からは、カウンター・カルチャーとしてのロックの側面がありありと感じ取れる。

"常に一緒に歩いていきたいのに、全然協調性もなくて、全然わかり合えなくて、すげぇ身勝手で、意思の疎通ができない人っているよね"と一聖が語り掛けてから披露したのは「杜撰鳥」。このツアー・ファイナルの来場者に当日限定音源として配布された1曲だ。21stシングル『ひとりごと。』と共に、最新のBugLugを提示する本楽曲では、燕のスラップ・ベースをはじめ、一聖のヴォーカルを支える堅牢でテクニカルな楽器隊の存在感が際立って見えた。続く『ひとりごと。』のカップリング「MaMa」では手拍子を煽り、BugLugらしさをあえて取っ払ったような、洋楽インディー・ロックを思わせるサウンドを鳴らす。ここまでまだ4曲しかパフォーマンスしていないのだが、彼らの作りだす音楽の幅、変幻自在のライヴ展開には驚かされるばかりだ。

そしてその驚きは中盤以降も波状攻撃のようにやってくる。悠介の刻む鋭い四つ打ちのリズムからブレイクダウンへと急旋回していく「KAIBUTSU」や、より攻撃性を高めたラウドロック・サウンドに乗せて和のメロディで仏教的な世界観のリリックを歌う「ENMA」、同期を交えつつ念仏のようなラップで言葉を紡いだ「ハラキリ」と、怒濤の展開が押し寄た。さらに、ここまでのアグレッシヴな流れから一転して、爽やかな方向性に舵を切った「Dream Rush」では、浄化するような一聖の歌唱で魅了。一樹と優のふたりで繋ぐギター・ソロも秀麗だった。その直後にタオル曲の「SHOW 2 GLOW」を入れてくるのだから、いい意味で翻弄されっぱなしだ。

それにしても、BugLugには似たような曲はひとつとして存在しないのではないか。そう思えるほどに、カラーの違う楽曲ばかりなのだ。そして、その印象はライヴ1本を通して変わることはなかった。それは、彼らがミュージシャンとして貪欲な姿勢で音楽に向かい続けてきた証なのではないだろうか。そして、そんなスタンスがリスペクトを集めるからこそ、BugLugはジャンルの垣根を越えた対バンでも活躍をしているのかもしれないなと感じた。

そんなBugLugのツアー・ファイナルのハイライトになったのは、やはり本編ラストを飾り、ライヴのタイトルにも掲げられた「ひとりごと。」だろう。"何が正解かわからない"と、吐き捨てるように、または呟くように口に出すポエトリー・リーディングから始まるこの曲は、一聖がコロナ禍で考えていたことを、噓偽りなく、赤裸々に綴った1曲だ。一聖はメロディ部分で祈るように歌い上げ、一樹、優、燕、悠介は、それぞれが音をひとつずつ丁寧に丁寧に鳴らしている姿が印象的だった。自嘲まじりに自問自答を繰り返し、もがきながらも光を求めて階段を一段一段と積み上げていく。この曲を通じて、そんなバンドの姿勢を見せていくことで、オーディエンスの中にもきっと何かが芽生えたのではないだろうか。

そうして、なんとも美しい形で本編は閉幕。アンコールは、ダンス・ロック「猿」で口火を切り、「Clumsy Love」、「-7-」、「HICCHAKA×MECCHAKA」でBugLugとファンは揃って完全燃焼を果たした。

言うまでもなく、ヴィジュアル系バンドとしては確固たる地位を築いているBugLug。だが彼らの音楽は、本誌読者はもとより、もっと多くのロック・ファンに響くべき彩りとクオリティを孕んでいる。"ヴィジュアル系"というだけで毛嫌いしている人にとっては、その人の世界にパラダイム・シフトが起きるかもしれない。そう思わせられた一夜だった。


[Setlist]
1. R.I.P
2. 神宮橋
3. 杜撰鳥
4. MaMa
5. KAIBUTSU
6. ENMA
7. ハラキリ
8. Dream Rush
9. SHOW 2 GLOW
10. Cameraman
11. マゼルナキケン
12. ギロチン
13. カラクリリック
14. TIME MACHINE
15. ひとりごと。
En1. 猿
En2. Clumsy Love
En3. -7-
En4. HICCHAKA×MECCHAKA

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