MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

BugLug

2022.06.29UPDATE

2022年06月号掲載

BugLug

メンバー:一聖(Vo) 一樹(Gt) 優(Gt) 燕(Ba) 悠介(Dr)

インタビュアー:清水 素子

既成のジャンルにとらわれず、独自の多彩な音楽性を突き詰めるロック・バンド、BugLugが、7月6日に新作『ひとりごと。』をリリースする。本作はバンドにとって2年ぶり、21枚目のニュー・シングルであり、バンドの楽曲のレンジをさらに広げる冒険心溢れる作品となっている。ヴォーカル、一聖自身のコロナ禍でのリアルな想いを歌にした本作ができた背景について、メンバー全員に話を訊いた。

-ドラムの悠介さんは加入して2年が経ちますが、例えば友達に"お前が加入したBugLugって、どんなバンド?"って聞かれたとして、どう説明します?

悠介:簡単に言うと"バチバチのライヴ・バンドだよ"ですね。すべての活動の中心にライヴがあるから、楽曲もダークとかポップとかっていう括りではなく、"ライヴをどうしたいか?"という考えを起点にして作っているんです。

一聖:その通りですね。あとは、いい意味でケミカルなバンドのイメージがあるかな。メンバーそれぞれ好きな音楽やジャンルはバラバラなんですけど、それが混ざり合って科学反応が起きることでBugLugの音楽になるっていう。そこがやっていて面白いところで、だからこそ12年も続けられているんでしょうね。

-ちなみに、一番キャッチーな音楽が好きなメンバーは?

一樹:それは俺とか燕なのかな? "この曲いいよね"って言うと、燕から"俺もそう思ってた"って返ってくることが結構多くて、それがたいていポップな曲。

燕:好みは似てるかもしれないね。俺もわりとメロディがしっかりしているものというか、聴きやすい曲が好き。逆に、一番マニアックな音楽が好きなのは、確実に一聖でしょ!

一樹:優も意外な曲を好きって言うよね。ポップなのも好きだけど......。

燕:いきなりSteve Aokiとか。

優:ポップじゃん(笑)! たしかに好きになったものが好きってタイプではあるけど、一聖みたいに新しいジャンルをどんどん掘り下げていったりはしないから。

一聖:今って音楽が細分化されすぎていて、もうなんだかよくわかんないから、どんどん掘って掘って"こんなのがあるんだ!"って見つけていくのが楽しいんですよね。で、アーティスト名を見ると"全然知らねー!"ってなるのが大半。

燕:(一聖は)聴いてる曲の幅も広いよね。超ポップな曲を聴いてるかと思えば、お経みたいなよくわかんない曲も聴いてるし(笑)、もともと大好きなのはディズニーだし。

悠介:ゴリッとした音楽も結構聴いたりしてる。

優:でも一番好きなのはアイドルだよ、絶対。

一聖:......間違ってはないかもしれない(笑)。

-言われてみれば、ポップからメタルからアイドルからお経みたいな曲まで、全部BugLugの曲にありますよね。つまり、どんな音楽が好きな人にも必ずハマる曲がある。

一聖:そうです、そうです。

優:曲を選ぶときも"アリかナシか"でしか考えてないもんね。

燕:うん。あとは"ライヴでどう生きるか?"っていうのを、まずは想定してる。

-かといって、いかに盛り上がるか? という、いわゆる"ライヴ映え"だけを追求しているわけではなく、一聖さんは"何を歌っているのか?"も重視してませんか?

一聖:僕が一番考えているのは"生きること"ですね。生きる指針は人それぞれだろうけど、俺自身の中にある"こう生きていきたい"というものをテーマに歌ってきている。でも、12年前からそうだったわけではなく、大人になって成長と同時にいろいろなことを感じるようになってきたからなのか、いつの間にかそうなっていたんですよ。無意識の内にそういう楽曲が生まれてきて、あとから気づいたんです。"これが俺の本意なんだな"って。

一樹:正直"ここで一聖は変わったのかな"と思うタイミングはあるんですよ。そこから"生きる"というものをBugLugの基軸にして、制作に臨むようになったんじゃないかな。

-それは事故のタイミングですか(※一聖は2016年5月の事故で重傷を負いバンドを1年間離脱していた)?

一樹:そうです。その少し前から傾向はあったとはいえ、今ほどハッキリしてなかった。

燕:「HAPPY BIRTHDAY KILL YOU」(2015年リリースの2ndフル・アルバム表題曲)でも歌っていたけど、アルバムとかを作っていくうちに、どんどんメッセージ性が強くなってきたっていうのはあるよね。

悠介:一聖さん自身のライヴの在り方が、理性でコントロールするのではなく、完全に感情を爆発させて吐き出すスタイルなんですよ。だからこそ、思うことを素直に歌詞に書いていて、それがメッセージ性に繋がっているんじゃないかな。

-偽りのない本心を曲に綴っているからこそ、感情がライヴで素直にあふれ出し、爆発力のあるパフォーマンスに繋がってゆくと。それは新曲「ひとりごと。」も例外ではありませんが、やや自虐的な心情が歌われたこの曲は何をきっかけに生まれたものなんでしょう?

一聖:それは、去年の自分でしかないですね。コロナ禍が始まった一昨年は独自のやり方で毎日配信をしたり、意地でもライヴがしたい! ってライヴをやらせてもらったり、何より悠介の加入という変化もあったんですけど、途中で立ち止まったような感覚もあったんです。それが2021年に入ったら行き先もわからず迷走していったというか、とりあえず走ってはいるけど"ここどこ?"みたいな感じで、ずーっともがいていた印象があるんですよ。そこで考えていたことが、そのまま「ひとりごと。」の歌詞になっているんです。

-そうなんですか!? 傍から見ているとコロナ禍でもやるべきことはやり、BugLugらしいヒネリのある企画もやりながら、できる最善を尽くしていたように見えるのですが。

優:だから、あくまでも結果論ですよね。もちろん俺らは一生懸命やっていたけれど、ライヴも毎回単発だったんで、それが迷走だったと言われれば、まぁ、そうなんだろうなと。

一聖:うん。去年やってきたことって、正直言うと"その場しのぎ"というイメージしかないんですよ。表面上はいい感じでライヴもやれていたし、そこでBugLugとしての存在価値も出せていたとはいえ、それがちゃんと発展していかなかったなぁって。

一樹:今まで通りにやれないのは仕方ないけれど、ホントはライヴをたくさんやりたかったし、ツアーもやりたかった、でも、それができなかったから今できることをやった。ただ、それは俺たちがやりたかったことではなかった。それが悔しいんでしょ?

一聖:そう。だからライヴのあと数日は気持ちが高まって過ごせても、その先のヴィジョンが見えないから、日が経てばズドーンと気持ちが落ちてしまう。

-それで"場当たり主義で逃げた一歩"とか"いいわけばかり"といったワードが出てくるんですね。たしかに、世界的に言い訳して当然の状況ではありましたが......。

一聖:そこで自分が折れたら駄目だったんだって、この2年で痛感しました。だって何かに振り回されて生きていたら、自分の価値なんて薄れてゆく一方じゃないですか。

一樹:手応えがなかったんだよね? 今、やれる最善を尽くしたけれど、"これで良かったんだ"と自信を持って言えるものが見つけられなかった。それで今回の「ひとりごと。」が生まれたんだろうし、歌い出しの"何が正解かわからない"とか、何かバンドで話すたびに一聖よく口にしてたもん。

優:ライヴでも100回は言ってる!

悠介:歌詞に関しては、もう去年の一聖さんの切り抜きっぽい印象ですよね。

一聖:ただ"何が正解かわからない"とは言いつつ、そこで見つけたヒントとかは転がっていたと思うんですよ。そういったヒントを、聴き手に対しても何かしら提示できたらいいなぁという想いはあります。それは音源だけじゃなくライヴで得られるものかもしれないし、そうやって体感してもらうのがバンドというものの本質なのかなって。

優:実際、この曲はライヴでのアプローチも変わるんですよ。見せ方も変わるし、ホントに一音一音出すことの丁寧さとか大切さみたいなものをめっちゃ意識するようになったから、テックさんにも"今日のBugLugメチャクチャ上手くない?"って言われます。

-これだけ音数を抑えた、しかもポエトリー・リーディング風の曲なんて、BugLug史上初ですからね。その理由は一聖さんのリアルな想いがこもったリリックを立たせるため?

優:それは間違いないですね。何十回もプリプロをして、最初はもう少しロックっぽかったり、ギターの分量も多かったりしたんです。でも"2年ぶりにCDを出すのに今までのBugLugみたいな音出してどうすんだよ!"ってことで、サウンド面でのアプローチはかなり意識して変えました。いわば、究極の引き算なんですよね。従来なら"コードだけだとつまらないな"と思っていたサビも、コードだけで成り立つんだったらそれで良しとしたり。自分にないものを出すっていう、その冒険心は一番重要視した気がする。

一樹:今までのBugLugだったら、歌詞に一聖の想いがあふれ出てるぶん、その熱が楽器の演奏にも波及していたんですよ。それが今回はグッと堪えたんで、こんなにギターを抑えたのは初めてかもしれないです。

燕:ベースもだけどね。

一樹:ベースは間奏にスラップがあって、あれはすごくかっこいい。

悠介:ドラムも普段なら絶対にやらないアレンジになってます。"この曲はこうあるべき"みたいな思い込みも、全部ブッ壊そうぜ! っていう話だったんで。

優:そう。"今までのBugLugならこうするよね"は禁止にしたんです。