LIVE REPORT
Mary's Blood
2021.08.28 @目黒鹿鳴館
Writer 杉江 由紀 Photo by nonseptic
鋼鉄魂、炸裂! 本来であれば7月25日から始まるはずだったMary's Bloodのシリーズ・ライヴ"鋼鉄伝説"が、このたびは昨今の社会状況の影響から8月28日に目黒鹿鳴館にて行われた"鋼鉄伝説 中"をもって、ようやく開幕へと至ることに。ここでは晩夏の一夜に繰り広げられた、鋼鉄の宴の模様をお届けすることとしよう。(ちなみに、9月23日には"鋼鉄伝説 下"、そして10月23日にも"鋼鉄伝説 上(※振替公演)"が順不同なかたちにはなるが同会場にて開催されることが決まっている)
"こんばんは。Mary's Bloodです! こんなご時世の中、ここにお集まりいただけたことにとても感謝しております。元気だった? 今日は久しぶりのライヴにはなるんですが、何しろ「鋼鉄伝説 中」とタイトルが付いてますし。鹿鳴館でやるからには、やっぱり爪痕を残さないとね。私たちは今日、体力の限界に挑戦しようと思っているので特にゴリゴリな曲たちをいっぱい用意してきました。みんなで暴れ倒していきましょう!!"
近年ではアイドル箱としての認知も拡がってきたとはいえ、目黒鹿鳴館はもともと大晦日に長年メタパこと"オールナイトメタルパーティ"を恒例行事として行っていた筋金入りの老舗メタル箱だ。そんな伝説の場所で、Mary's Bloodが新たなる鋼鉄伝説を築き上げるべく臨んだのが今回のライヴであるのは間違いない。
ドラマー MARIの叩き出すツーバスが場内に轟いた「Coronation Day」に始まり、ギタリスト SAKIの鮮やかなプレイが映えていた「Paranoid Delusion」、ヴォーカリスト EYEがパワフルさとしなやかさを絶妙なバランスで歌に託していた「Bloody Birth Day」、ベーシスト RIOがタイトル通りの攻撃性を音で体現していた「Counter Strike」と、たしかに矢継ぎ早に演奏されていく楽曲たちはどれもヘヴィ且つハードなものばかり。彼女たちが放つ音の熱さと連動するように、この場に集ったオーディエンスらも力いっぱいのフィスト・アップやヘッドバンギングでそれぞれにMary's Bloodの描き出す鋼鉄伝説を全身で堪能しているように見えた。
なお、今宵は本編中盤で名うてのギタリスト KENTARO(DAIDA LAIDA/MAZIORA THE BAND)がゲストとして登場する一幕もあり、ここではMary's Bloodの「Chateau de Sable」とDAIDA LAIDAの「雫」の2曲が紅一点ならぬ黒一点状態でセッションがなされ、場内はいっそうの盛り上がりを見せたのである。
そのうえ、アンコールでは9月29日に発売されることが決定しているMary's Bloodの6thアルバム『Mary's Blood』から、いち早く「Starlight」が披露されたためファンは新譜への期待を大いに増すことにもなったことだろう。
かくして、アンコールのシメには再びKENTAROが登壇しMÖTLEY CRÜEの「Shout At The Devil」を再び全員でのセッションにてブチ上げることとなり、"鋼鉄伝説 中"すなわち事実上の第1回"鋼鉄伝説"は大団円を迎えることになったわけだ。
それこそ、"ヘヴィ・メタル"をコンセプトとして掲げながら制作したという作品であると同時に、バンド名を冠したものでもある6thアルバム『Mary's Blood』が発表されたあと、彼女たちは11月から東名阪でのアルバム・ツアー"Blow Up Our Fire TOUR"にも出るとのこと。まだしばらくは不穏な社会状況が続くとしても、Mary's Bloodならば持ち前の鋼鉄魂でこの難局を必ずや打破していってくれるはずだ。
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