DISC REVIEW
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Mary's Bloodの辿るメタル道は、ここでひとつの到達点に行き着いたと言えよう。アルバム・タイトルにバンド名を冠してあることからも、自信のほどは強く窺えるが、なんと今作を制作していくにあたり彼女たちが掲げていたコンセプトは、"HEAVY METAL"であったのだとか。たしかに、激烈ヘヴィ・チューン「Hunger」を筆頭に、今作ではキタコレ的なメタルを存分に堪能できる。また、今作では全メンバーが作曲作詞も手掛けながら個性を発揮しているため、中には「Umbrella」のような異彩を放つものも登場するのだが......。それらもすべて含めた音世界がMary's Bloodにとってのメタルなのだ。音楽ジャンルとしてのメタルというよりも、スタンスの面でのメタルを潔く貫いた音がここには在る。 杉江 由紀