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LIVE REPORT

KNOCK OUT MONKEY / NOISEMAKER

2015.06.19 @下北沢LIVEHOLIC

Writer 吉羽 さおり

"GRAND OPENING SERIES"と題した下北沢LIVEHOLICこけら落とし公演シリーズのvol.11は、ラウド・シーンで着々と勢力拡大をしている、NOISEMAKERとKNOCK OUT MONKEYの2マン・ライヴ。ここはキャパ180人というハコ。今勢いのあるバンドだけに、彼らのステージをこれだけ汗を感じる距離で観ることもなかなかない、酸欠必至のライヴだ。

開始前から熱気が満ちる中、まず登場したのはNOISEMAKER。ミニ・アルバム『NEO』のツアーを終えたばかりだが、そのツアーでのいい余熱があるのだろう。1曲目の「Heads and Tails」からハイボルテージなバンド・アンサンブルで観客をジャンプさせ、AG(Vo)の"いけるか、お前ら"という声とともに、この曲で最高に高揚感あふれるシンガロングを指揮していった。そして、「Her Diamond」から「Oblivion」と、さらなる熱い燃料を投下してフロアに汗をかかせていく。AGは、"LIVEHOLICオープン、おめでとうございます。小さいハコでのライヴ、みんな楽しみにしてたでしょ"と観客に語りかける。客席との超接近戦でのライヴに"駆け出しのころを思い出すね。こういう小さなハコって、いろんなライヴやバンドの伝説があるようなところも多いんだけど、今日は、KNOCK OUT MONKEYと伝説作って帰るぞ"と宣言すると、「REASON」の重厚なギター・リフで会場を揺さぶっていった。UTA(Dr)によるドラム・ビートとYU-KIのうねるようなベース、HIDEのノイジーなギターというそれぞれが繰り出した音が、ステージ上からダイレクトに身体に当たる生々しい感覚があって、何のごまかしもきかないバンドの持つリアルなグルーヴや胎動のようなものが手にとるように伝わってくる。ずっしりとしたビートと、観客の盛大なハンドクラップでスタートした「SOMEBODY WANTS DAYS YOU CLOSE」では、"全員歌って、全員で飛ぼう、ついてこれるか"AGの煽りに歓声と歌声が混じり合う。スケールの大きい、アンセム感のあるメロディに会場の一体感はさらに増し、ラウドなサウンドが会場の熱気をもうもうと巻き上げるエネルギッシュなステージだった。

続くKNOCK OUT MONKEYは、コブシが高くつき上がる大合唱チューン、2ndアルバム『Mr. Foundation』からの「RIOT」でスタートした。転換でクール・ダウンした会場が、瞬く間に熱気を帯びていく。間髪入れずに、ファンキーなビートとノイジーなギター・サウンドで攻める「How long?」、そしてダンサブルな「Bring it back」でフロアをもみくちゃにしていく。フロントマンw-shun(Vo/Gt)は病み上がりということだったが、ぎゅうぎゅうのフロアと同じ感覚を味わおうと、ステージ上のエアコンを切ったという(なんて無茶な)。"下北、こんなもんじゃないだろ!"、"踊れ!!"と煽るw-shunも、またステージからつんのめるようにしてプレイするdEnkA(Gt)も亜太(Ba)も、ステージ後方からずっしりとヘヴィなビートで観客をジャンプさせるナオミチ(Dr)も、まだまだ始まったばかりにも関わらず汗だくだ。そんなステージからの猛烈な熱気と、音に食らいついていく観客の熱気で、フロアのエアコンは演出用のスモークのように真っ白な息を吐き出している。ギターの軽快なリフから転がる爽快なロックンロール「Greed」、そして「HOPE」へと最新作からの曲を中心としながらも、これまでライヴで磨き上げてきたライヴ定番曲を織り交ぜたセットリスト。観客のシンガロングが止まず、高く掲げた腕が下りることがない、熱狂的なフロアだが、まだまだこんなもんじゃないとばかりに、w-shunはところどころで臨機応変に歌詞を変えながら、この場所だけのスペシャルな空間を生みだしていった。
このバンドの真骨頂と言えるキャッチーでフレンドリーなメロディに、気持ちよく跳ねるラテン・ビートが冴える「Wonderful Life」で踊らせ、5月に配信リリースされた最新シングル「Bite」 のアグレッシヴでスピード感のあるバンド・サウンドで頭を振らせる後半。ノンストップで爆走するライヴに、"もう(熱さで)鼻水がダーダーですわ"とw-shunは言うが、さらに"俺の鼻水浴びたかったら前に来い"と叫び「Paint it Out!!!!」のメロディをダイナミックにシャウトしていく。ラストには、もみくちゃのフロアに「JET」の爽快な風を吹かせた。w-shunは最後に、"生き地獄をありがとう"と言いステージを下りた。ステージとフロアに充満する、えも言えぬような熱さと湿度、心地好い疲労感と笑顔には、まさに彼のその言葉がぴったりとはまる。2バンドで、数日分の汗まで出しつくしてしまったかのような、ステージだった。

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