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INTERVIEW

KNOCK OUT MONKEY

2013.03.12UPDATE

2013年03月号掲載

KNOCK OUT MONKEY

Member:ナオミチ (Dr) w-shun (Vo/Gt)

Interviewer:荒金 良介

-分かりました。昨年はシングル&ミニ・アルバムを出し、PUNKSPRINGやSUMMER SONICなど大型フェスにも参加しましたが、振り返っていかがですか?

w-shun:周りからは“充実してるね?”と言われることもあるんですけど、自分たち的には闘ってるような感覚でした。フェスに出してもらうのは光栄なことだけど、初見の人がほとんどの中で“やってやるぜ!”という気持ちの方が強くて。フェスだけじゃなく、ANDREW W.K.のサポート・アクトや、一昨年のDragon Ashの前座もそうですけど、初見の人たちを振り向かせるのは精神力が削られるというか、メンタル面で鍛えられました。その中で最終的に自分たちの音楽を信じるしかない、というところに行き着いたんですよ。その認識ができたことも良かったですね。それで今回の作品も1曲1曲にすごく向き合って、濃いものを作ろうと思って。1曲に対して時間をかけるようになりましたね。大舞台に出たことで責任感も芽生えたし、それがプラスに働いてますね。

-僕も昨年のSUMMER SONICで観ましたが、バンドの基礎体力はものすごく高いし、ライヴも爆発力があってビックリしました。で、今作は昨年の経験値を踏まえ、妥協せずに制作できた感じですか?

w-shun:そうですね。いままで妥協していたわけじゃないけど、もう1つ発想の転換ができたというか。あっ、こういう方法論もあるんだなって。自分たちで掴んだ感じはありますね。前作はプロデューサーの方にいろいろ教えてもらうことが多かったけど、今回はそれを自分たちの中で消化して、次に繋がることを探していけたらと思ったので。前作よりも濃度は高くなった印象はありますね。

-発想の転換というのは?

w-shun:これまでは4人でセッションしながら作っていたんですけど、どこか頭の中できれいにまとめちゃおうという気持ちが働いて。A、B、サビがあって、またA、B、サビがあるみたいな。その発想じゃなくて、Aの後にいきなりサビが来てBに行くのも方法論としてありだし、いろんな組み立て方があるんじゃないかなって。まあ、企業秘密なのであまり言いたくないんですけど。

-ははははは。

w-shun:曲の作り方がいろいろわかってきたので、それを1度吸収してやってみようと。そういう意味では、より自分たちらしい音楽になってきたのかなと。

-前作と比べて、今作はロック然とした曲調が増えて、ストレートな勢いが伝わってきます。

w-shun:そうですね。最初はあまり意識してなかったけど、今作はスピード感が出てると思います。前作のツアー中に制作したので、よりライヴハウスを身近に感じることができたので。ただ、ライヴと音源はそれほどリンクさせずに、作品は作品としてこだわりたかったんですよ。音源を聴いてみると、今バンドがやりたいのはこういう感じなんだなって。去年、曲を作ってるときに一度煮詰まったんですよ。だから、フラットに戻して、バンドに委ねてみようと思ったんですよ。それで感覚的にやりたいものをやろうと思ったら、スピード感のある曲になったという。それはそれで今のリアルな自分たちが出てるんじゃないかな。

-演奏も交通整理されて、メロディも際立ってますよね。

w-shun:全体を通してポップになったと思います。本来持ってる自分たちらしさが出てるんじゃないですかね。余分な贅肉はないと思います。今はまっさらな感じはしますね。今後ライヴをやって、お客さんの前でプレイすることで、曲にどんどん色が付いたらいいなと。まあ、自由な発想で聴いてもらって、いろんな人の意見に耳を傾けて、また曲が育ってくれればいいですね。前作のツアーでお客さんが自由に遊んでいるなあ、という感覚があったんですよ。ツアーが進むにつれて、同じ曲でも各地で反応が全然違うのを見て、それも楽しかったんですよ。僕らはこういう気持ちで作ったけど、どう思います?みたいな。

-前作はライヴの爆発力が前面に出てましたけど、今作はいろんな楽しみ方を提供してくれる作品で。

w-shun:2ビートでモッシュする人もいれば、そうじゃないノリ方をする人もいるだろうし。

-前作にはなかった「ピエロの仮面」のようなバラード調の曲も、ライヴで聴いてみたいですね。

w-shun:この曲でダイブしてくれたら、とんでもなく面白いですね。

-はははは、ダイブしますかね?

w-shun:そんな解釈ある!?みたいな。でも人って、わからないじゃないですか。この曲で暴れたくなる人もいるかもしれないし。そういう光景を見たときに、僕は感動するんですよね。その人なりの表現で乗ってもらえるということは、表面上だけで音楽を捉えられていないんだなと思うし。それが音楽の持つ大きな力ですからね。ただ闇雲に暴れてもいいし、ただ感動して涙を流してもいいし、心の何かを揺さぶれる音楽ができたらいいですね。