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INTERVIEW

"革命ロジック2024"激ロックステージ座談会

2024.05.07UPDATE

2024年05月号掲載

"革命ロジック2024"激ロックステージ座談会

Bubble Baby:奏(Ba)
ヒッチコック:八咫 烏(Vo)
HOWL:よっぴ(Gt)
KUROENA:koya(Dr)
THE MADNA:朋(Ba)
Interviewer:フジジュン
Photographer:清水舞


異ジャンルだからこそ起きる予測不能の化学反応――奇跡と波乱を予感させる"激ロックステージ"


-わはは(笑)。THE MADNAからバトンを受ける、KUROENAのkoyaさんはいかがですか?

koya:こういったヴィジュアル系界隈のバンドもたくさんいらっしゃるので、僕らもそれに負けないライヴをやらないといけないですし、僕らもヴィジュアル系のカバーをやらせてもらってるので、いいバトンを受けて僕らも盛り上げて、Bubble Babyにバトンパスしたいと思ってます。僕Bubble BabyのRude-αさんが大好きで、昔からバトルとか、ずっと観てたんですよ! 僕ももともとヒップホップやってて、(Rude-αさんは)"高校生ラップ選手権"とかのヒーローだったし、奏君もACE COLLECTIONにいた頃からめちゃくちゃ聴いてて、一緒にやれるのがすごく嬉しいし、負けられないなって気持ちはあります。うちのヴォーカルは"ぜってぇ負けねぇ。うちらが一番カッコいいっしょ?"ってやつなんで、それに染まって、僕パフォーマンスで結構暴れたりするんで、それも短いステージ時間でどう見せられるかな? と考えてますね。

-KUROENAからバトンを受ける、Bubble Babyの奏さんはいかがですか?

奏:正直そんなに深くは考えてないんですけど、誘われたときは"お~、激ロックか!"と思って嬉しかったです。僕10代の頃はメタルコアをやってたので、激ロックがある種、憧れのシーンで、激ロックの携わるイベントに出られたらって、ずっと思ってたガキンチョで。昔"GEKI-ROCK in OKINAWA"ってイベントがあって、そこに(Neverlostで)出演させてもらったことがあったので、10年くらい経って、また出られるのがすごく嬉しいなと思います。

-では、烏さんも改めて意気込みを聞かせてください。

八咫:僕らはたまたま前日に大阪でヴィジュアル系のサーキット("KANSAI ROCK SUMMIT'24 EXPLOSION CIRCUIT vol.12")があって、"革命ロジック"に出させてもらうんですけど、ヴィジュアル系感をそのまま持って来られればいいなと思っていて、ありのままの僕らを見せたいし、それしかできないです。

-コロナも明けてライヴハウスの雰囲気が変わってきているのを感じたり、大型フェスよりも街中でのサーキットが盛り上がってるのも感じたりするのですが、現場感覚としてライブハウス・シーンの変化っていかがですか?

奏:若い子と話していると、音楽の聴き方もCDからサブスクに変わって、"誰々が好き"より、"この曲が好き"になってきていて、そういう音楽の聴き方とサーキットが合ってるんじゃないかな? って気はしますよね。バンドマンとかは違うと思うんですけど、リスナーはそういう感覚の子が多いので、それがライヴハウスに落とし込まれているんじゃないかな? と思います。

koya:いろんなバンドが出ますし、いろいろ観られますからね。コロナ明けてからSNSがすごいアガってきて、僕もそこでディグったり新しいバンドを知ったりしてるんで、最近RED in BLUEってバンドをめちゃ観てるんですけど、それもSNSからバーンと来た印象で。お客さんもSNSで音楽に触れやすくなったし、今はライヴハウスもすごくクリーンになって、ライヴが始まるまでお客さんが静かに待ってるのとか見ると、"日本の文化ってすごいな!"って改めて思います。

-下北のライヴハウスとか、コロナ明けで"初めてライヴハウスに来た"みたいな10~20代も増えてますしね。

koya:特にうちのバンドとか"SNSで見てライヴに初めて来ました"みたいな人が多くて。最初のワンマンとかすごく静かに観てくれて、"ジャンプジャンプ!"って煽っても誰もジャンプしないみたいな感じだったんですけど(笑)、1年かけて僕らもお客さんも成長してきた感じがあって、今年のツアーからジャンプしてくれたり、声を出してくれたりしているんです。ライヴハウスに来る人や音楽を聴く人の幅が広がったのは感じます。だから、またハーコー(ハードコア系のライヴで発生するモッシュ)とか流行ってくれないかな? と思って。スカート履いたかわいい子がいきなりハーコーして"邪魔だ、どけ!"とか暴れ出したらいいなと(笑)。

-わはは(笑)。ヴィジュアル系は最近のライヴハウスの変化はいかがですか?

八咫:ヴィジュアル系って意外と奥手なんで、コロナ明けのときは、みんなビビりながらライブやってた感じがあって、ヴォーカルが煽ってみんなで頭振るとかノリ方が決まってるんですけど、当時はそれもできなくて、最近やっとそれができるようになってきて、やっと昔に戻ってきた感もあるし。なんならコロナ禍で溜まってた鬱憤を思い切り晴らしてるんじゃないか? ってくらい昔より激しかったりもします。

朋:あと、SNS主流だけど、ヴィジュアル系に関しては現場でファンが増えていってる感があって、名前が広まるのはSNSだと思うんですけど、そこからファンが増えていくのは現場で、今もやっぱり足で稼いでるイメージがあって。とにかくライヴやって観てもらって、良かったらまた来てくれるってのは意外と変わってない気がして、"生で観て感じる感覚を今の若い子も持ってくれてるんだ"という嬉しさもありますし、まさにサーキットとか、もってこいの場所だと思ってます。

-昔と比べて、SNSとライヴハウスがすごく直結してる感もありますよね。SNSや動画で名前や曲を知ってくれて、ライヴに来てくれて。そこから良かったらまた来るし、良くなかったら来ないというシビアなジャッジはあると思いますけど。

朋:そうですね。"YouTubeであの曲知ってるから、お目当て以外のバンドも観てみよう"みたいなのも絶対あると思います。

よっぴ:ヴィジュアル系シーンだと、先輩バンドとかの復活が増えてて、"久々にライヴハウス来た"とか、"もう1回ライヴハウスに戻ってきた"ってバンギャルちゃんたちが結構来てくれてて。そんな人が"やっぱりヴィジュアル系いいな"ってまた思い出してくれたら嬉しいなと考えてます。

八咫:ただ、昔は高校生が学校終わって、制服のままライブハウスに来てっていうのをよく見たんですけど、ヴィジュアル系に関しては、それはあんまり見なくなったなと思って。他のジャンルの方が若い子が結構増えてるのかな? って気はします。なんで、今回はいろんな年齢層の人に観てもらえると思うし、みんなもいい刺激になると思いますね。

-ヴィジュアル系をイメージだけで捉えてる人はTHE MADNAやHOWLを観て、"ヴィジュアル系にこういうバンドもいるんだ!"ってびっくりすると思いますよ。ヒッチコックもいろんな意味で、びっくりすると思いますけど(笑)。

八咫:僕らは想像通り、想像以上のヴィジュアル系を見せますから。

朋:ヴィジュアル系とはいえ、ルーツは全然違うところにある人も多くて、うちのバンドもDragon AshとかRIZEが盛り上がってたときの世代なんで、みんなミクスチャー好きで。当時ヒップホップもめっちゃ盛り上がってて、僕もヒップホップを聴いて育ってきたんです。今の子がヴィジュアル系をどんなイメージで捉えてるのか? DIR EN GREYとかX JAPANとか、そんなイメージなのかも知れないですけど、蓋を開けてみるといろんなバンドがいて。

koya:僕は師匠がヴィジュアル系で、ローディーとかいろいろやってきたし、ずっと聴いてきたんで、ヴィジュアル系ってくくりをあんまりしていなくて。実際聴いてみてもメタルっぽいバンドも激しいバンドもいて、最近観たのはパーティー系のめちゃくちゃポップなバンドもいて。最初は"ヴィジュアル系=メタル"ってイメージがあったけど、ヴィジュアル系というのでくくるのは良くないなと思ってたし、実際いろんな音楽があって、すごく面白いと思います。あと、よっぴさんが言ってた"バンギャルさん"っていうのが、ずっと頭に残ってて、"バンギャルさん"ってめっちゃかわいいやん! うらやましいなと感じて(笑)、"革命ロジック"の日は僕たちのライヴまでバンギャルさんに残ってもらって、頭振っていい香りを振りまいてほしいです。

奏:僕はヴィジュアル系って"カッコ良ければカッコいいほどいい"という美学があって、それが音にも出てると思ってて。スキルに対してすごくストイックさを感じるし、同じベーシストとして見てもこだわりとかすごく感じるし。例えば、L'Arc~en~Cielのtetsuya(Ba)さんの遺伝子みたいなのもあると思うんですけど、"見た目カッコいいのに音がダサかったら話にならないっしょ"っていうのを無意識レベルでやってる。十何年前には、NOCTURNAL BLOODLUSTってデスコア・バンドがカッコいい音のままヴィジュアル系の世界に飛び込んで、ヴィジュアル系のルックスになった瞬間に"ヴィジュアル系だから聴いてみよう"って人が増えたのも見ているし、僕もジャンルで区別するというのはまったくないですね。ただ、僕は逆にバンド側の人たちが"バンギャに染まりきってからライヴに来い"って思ってると思ったから、"制服でライヴハウスに来てた"ってエピソードを聞いて、"あ、そういうものなんだ"って衝撃を受けて(笑)。一緒なんだなと思って親しみを感じました。

koya:ちなみにさっき話した僕の師匠っていうのはNOCTURNAL BLOODLUSTのNatsu(Dr)さんなんで、今の話を聞いて、"おっ!?"となりました(笑)。