INTERVIEW
DIAURA
2023.08.10UPDATE
2023年08月号掲載
Member:yo-ka(Vo) 佳衣(Gt) 翔也(Ba) 達也(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
DIAURAの本質を"PROVE"=証明したい
-なお、今さらのお話ではありますが。9月3日が"愚民の日"に制定された経緯について、改めてうかがってもよろしいでしょうか。
佳衣:もともとは何気ない語呂合わせで、愚民=9月3日でわりと軽い気持ちから始まったものだったんですよ(笑)。最初はやってたことも大きいことではなくて、配信をスタジオからやったりとかそんな感じだったんです。
yo-ka:で、その次の年くらいからライヴをやるようになったんですよ。普通にライヴをやるだけじゃなくて配信部屋とかも作って、本番に至るまでもちょっと見せちゃうみたいな、普段とはちょっと違うお祭り的な感覚の特別な日として始まっていって。とはいえ、それ以降は普通にワイワイやるだけじゃなくて、"愚民の日"というのを自分たちにとっての何かに"挑む日"にしたいという流れも生まれてきて、今年に関してはZepp Hanedaというバンドにとってはコロナ禍以降最大キャパでやる、っていうことを決めました。要するに、この"愚民の日"とはDIAURAと愚民にとっての祝日なんですけど、どうせ何かやるなら派手に暴れようよというものなわけです。
-それにしても......各アーティストのファンに総称があるケースはいろいろありますが、DIAURAのファンを意味するこの"愚民"という名称の際立ち方はなかなか強烈ですね。
yo-ka:DIAURAは結構当初から"愚民"ってみんなのことを呼んでたんですけど、実はその当時ってファンに名前を付けるみたいなのがちょっと減ってたんですよね。最近あんまりいねーなと思って、ここで付けとくかってなったタイミングでライヴをやったときに咄嗟に出てきた言葉が"愚民"だったんです。あのときはみんな、一瞬その場でポカーンってなってました(笑)。
-日常生活ではまず聞く可能性のない言葉ですからねぇ(笑)。
yo-ka:まだあの頃はTwitterとかじゃなくアメブロ(アメーバブログ)とかを使ってましたけど、そのライヴ以降は積極的に"愚民"という言葉を使っていくことでそのうち浸透していきましたね。
-それだけの長い歴史がある"愚民の日"ですが、今年のDIAURAはZepp Hanedaにていかなる空間を生み出していきたいとお考えなのでしょう。
yo-ka:我々にとっては『ANTISM』を作って、全18本の"VARIANT[ISM]"をやったことで得られたものがすごくデカかったんで、それを経ての"愚民の日2023"をどういうものにしたいかという大まかなヴィジョンは当然もうしっかりとあるんですよ。あとは、細かい部分を詰めていきながら全体像をどうしていくのかというところですかね。
-ちなみに、みなさんはDIAURAにとってライヴ・バンドとしての最大の強みとはどのようなところである、と自覚されているのでしょうね。
達也:強さと柔らかさの両方を持っているところだと思います。もちろん、音源でもDIAURAの魅力を伝えることはできているという意識を持ってますけど、そこに視覚とか臨場感が加わったときの伝わり方は違うものですし、1本のライヴでも序盤と後半ではまた空気感が違ったりするので、音源を超える想像以上のものをライヴでは感じてもらうことができると思いますね。特に、僕の場合はDIAURAに途中加入してるので、最初は客観的にこのバンドを観ていたところもあるんですよ。例えば、パブリック・イメージ通りに激しくてカッコいい部分もある一方で、イメージしていたよりも柔らかいというか、優しい表情が見られる曲とかもあったりしますからね。ワンマンだとそういった幅の部分もいろいろ楽しめるので、そこも面白いところなんじゃないかと思います。
翔也:自分たちで自分たちのことを分析するのはちょっと恥ずかしいですけど(笑)、でもたしかに場面ごとだったり、曲ごとに異なる雰囲気や表情をしっかり作り上げていけるのはDIAURAならではの強みかなと思いますね。激しい曲はとことん激しく行くし、バラードではしっかり聴かせることができるバンドだ、という自覚はあります。
-翔也さんに至っては、1曲の中でピック弾きと指弾きを巧みに使い分けされることもあるくらいですので、演奏者としての表現力の幅広さは折り紙つきでもありますよね。
翔也:あれは気分です(笑)。特にどこをどっちで弾くとかはあんまり決めてないし、どの曲で使い分けるとかも決めてなくて、すべてそのときのスピーカーとか音響の状況、あるいは愚民たちのテンション感によっても自然に変わる感じですね。ほんと意識はしてません。
-まさに生のライヴだからこそのリアルタイムな展開が楽しめるわけですね。
佳衣:DIAURAをここまで12年やってきて、イメージ的なところでは黒一辺倒で常にダークでドロドロしたことをやってそうと見られがちなところがあるんですけど、実はひとつのライヴの中にいろんな色があったりするんですよね。ライヴ・バンドとしては、それだけ表現力を幅広く持っているところが強みなんじゃないかと思います。
yo-ka:人が思うより、DIAURAは柔軟だもんね(笑)。これも佳衣ちゃんの言ってることと通ずるところがあるんですけど、DIAURAってよく"カッチリしてそう"、"ライヴでもすごく作り込んでそう"って言われるんですよ。だけど、実際はそうでもないんですよ。むしろ、ライヴなんて出たとこ勝負で大筋くらいは決めてあるとしても、結局はライヴってライヴじゃないですか。昔は自分たちの中にある不安を消すために作り込んでた部分も多少ありましたけど、だんだんと"自分たち自身がまずは楽しまないと!"っていうふうに変わっていったんです。だから、みんなが思ってるほどキッチリはやってない。ライヴは自由な空間なんだから、好きにやろうよ! っていう気持ちがまずは一番強い(笑)。
-そういえば。先日"VARIANT[ISM]"のファイナルとなった新宿BLAZEでは、yo-kaさんがアンコールでの「Mr.Isolation」(2016年リリースの3rdミニ・アルバム『MY RESISTANCE』収録)で曲の半分以上をフロアに降りたまま煽りながら練り歩き倒す、という超絶に自由なパフォーマンスをされていましたものね。
yo-ka:まぁ、あれはもともとそういう曲ではあるんですよ。でも、あの曲に限らず俺はたまに盛り上がってくるとステージからいなくなることがありますね。2階席からステージを観ながら"頑張れ、メンバー!"みたいになってるときなんかもあります(笑)。当然ちゃんと歌うときはそれに徹しますけど、それだけで終わりたくないんですよ。上手くできたから良かった、きれいに歌えたから良かった、とかそんなのは当たり前の話なわけだからどうでもいいんです。それを超えたプラスアルファの部分で、どこまでできるのかっていうことをライヴではいろいろとやりたいので。そこの熱量の高さは、生で観てもらったら絶対に伝わると思いますよ。
-往年のMichael Jacksonはとてつもない分厚さの台本ありきでライヴに臨んでいたそうですが、DIAURAはその対極をいくスタンスでライヴと向き合っているのですね。
yo-ka:今も結構プロンプターに歌詞とかMCの内容が出てくるとか、そういうライヴをやってる方がいらっしゃいますけど。それってなんかライヴの道筋が決まっちゃうじゃないですか。道筋なんてなくていいじゃん! っていうのがDIAURAのライヴですね。ライヴのライヴなところを自分たちは楽しんでるんです。
-ということは、今度の"愚民の日2023"も何が起きるかわからないエキサイティングな一夜になっていきそうですね。
翔也:今回は"愚民の日"ならではの挑戦ということで、メンバー同士のパートチェンジ企画もありますし。これ、初の試みなんですよ。
-お互いに楽器を指導し合う、という経過動画がYouTubeの公式チャンネルにはすでに上げられていますよね。
翔也:前にもちょっとふざけてパートチェンジでやったことはあるんですけど、今回はガチなので......ちゃんとした練習が必要なんです。
yo-ka:DIAURAには"愚民の日"とツアー・ファイナルくらいにしかやらない「愚民党賛歌」(2017年リリースの愚民党限定シングル表題曲)という曲がありまして、せっかくだから今回は新しい挑戦でそれを"パートチェンジでやろうぜ!"って俺が提案しました。パートも俺が割り振ってね。
翔也:ある日、急に"ドラムね"って振られました。でも、これは真剣な遊びなんで。なんなら達也よりも上手く叩いてやろうと狙ってます!
達也:(笑)
yo-ka:俺も佳衣ちゃんに教えを請うて、今ギターの練習をやってるところですよ。
-佳衣さんはヴォーカルということになりますが、フロントマン経験はございます?
佳衣:いや、ないです。ないですし、初めて人前で生バンドをバックに歌うのがZepp Hanedaの大舞台なんですよ(笑)。当日、自分がどういう気持ちになるのかがまだ見えません。でも、楽しみのほうが大きいかな。いずれにしても、今度の9月3日は僕らから愚民たちへの感謝を伝える日にしたいと思ってます。
yo-ka:当たり前だけど、デカいとこでやって、パートチェンジもやって楽しかったよね! だけで終わる日ではないですからね。何を一番しなくちゃいけないかっていうと、その日を"DIAURA、かっけーな!"っていうライヴにすることなんです。7月には"愚民の日2023"に向けてのメッセージを込めた新曲「PROVE」も配信で発表したので、あくまでも音楽で表現して伝えていくのがDIAURAの本質であるというところを、9月3日のライヴでも"PROVE"=証明したいと思ってます。
LIVE INFORMATION
"愚民の日2023"
9月3日(日)Zepp Haneda(TOKYO)
OPEN 17:00 / START 18:00
[チケット]
前売 ¥6,000 / 当日 ¥6,500(全席指定/税込/ドリンク別)
■一般発売中
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