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INTERVIEW

OUTRAGE

2023.03.15UPDATE

2023年03月号掲載

OUTRAGE

Member:丹下 眞也(Dr)

Interviewer:兵庫 慎司

いいものを残すことのほうが数を残すことよりも大事


-そして"LOUD PARK"への出演が決まりましたが、OUTRAGEが出るのが久しぶりという以前に、"LOUD PARK"の開催自体が6年ぶりで。

そうですね。

-しかも30年ぶりにPANTERAとOUTRAGEが共演するという。

はい。あのときから、えっらい時間が経ったんだなと思いますね。1992年だったので。PANTERA、本来のメンバーとは形が違いますけど、それでもPANTERAという名義で、また日本に戻ってきてくれて。自分たちもそこにいることができて、というのはありがたいことだなと思います。

-さっき話に出たOUTRAGEのドキュメンタリー映画に、2007年と2009年の"LOUD PARK"出演の様子も収められていましたよね。あのときは"LOUD PARK"出演が映画のハイライトのように感じられたんですけど、今年OUTRAGEが"LOUD PARK"に出ると知ったときは"あぁ、そりゃ出るよね"くらいで、普通になっていることに気がついて。出演、何回目でしたっけ?

何回目ですっけ? 自分でもはっきり覚えてない(笑)。でも"LOUD PARK"の開催回数からすると、すごくたくさん出していただいてるんだなというのは思いますね。あれだけ大きい会場でやらせていただくっていうのは緊張以外の何物でもないですし、普段のライヴと全然勝手が違うのもありますけど。お客さん、"LOUD PARK"というイベント全体を楽しみにしている、って人がほとんどじゃないですか。ロビーでウロウロするとか、物販を買うとか、そういうところも含めてのパーティーというか、フェス感というか、それ自体を楽しみにして来てくださっていると思うので。そういう意味でも特別ですよね。

-"LOUD PARK"のお客さん、お目当てのバンドはこれ、他のは観ません、という感じが他のジャンルのフェスに比べるとないかもしれませんね。どのアクトも観て楽しむ、という参加意識が強い気が。

そうですね。通常のフェスよりは明らかに温かい何かがありますよね。みんな共通の音楽が好きで......メタルって今の時代、マイノリティ的なところもあるので。にもかかわらず、あれだけの人数が集まって......同志というか、そういう感じがありますよね。自分なんかも、もちろん演奏して参加するのも好きですけど、お客さんとして参加するだけでも楽しいですし。それこそ、お客さんのTシャツを見ているだけで楽しくなるような。

-今回のリリースと"LOUD PARK"が終わったあとのOUTRAGEの活動の予定はどんな感じなのか、言える範囲で教えていただければ。

まぁ、実際のところは言えることはないんですけど(笑)。昨年から僕とギターの阿部(洋介)で曲を作ってるんですけど、ちょっと今の段階ではまだ手応えが感じられないので。書いてみても"これ、またいつもと同じだよね"という。やっぱり曲作りは"ちょっとこれ、いつもと違うけど、いけそうだよね"っていう曲が1曲2曲できると、ワーッと進む感じなんですね。

-そういえば、OUTRAGEの制作は時間がかかる、というのはスタッフからよく聞きます。

(笑)そうなんです。時間はかかります。その"いけそうだよね"という曲がいつできるかは自分たちでもわからないので。今のところはまだまだかな、っていう感じですね。そういう状態でずっと作っていてもエネルギーがムダに使われてしまうので、今はいったん中止しました。エネルギーが蘇ってくるまで中止して、"よし!"と思ったときにまたスタートかな、っていう。昔は締め切りがあったので......特に1stアルバム(1988年リリースの『BLACK CLOUDS』)から4枚目(1991年リリースの『THE FINAL DAY』)までは契約があったので宿題的に作りましたけど、それ以降はそういう契約ではないので。自分たちで手応えがあったら進めていく、っていう感じに変わりました。

-でもその制作の仕方だと、スタッフ的にはリリースに合わせたツアーとか切りづらいですよね。ツアーって、1年前とか2年前からスケジュールを切るものですし。

その通りですね(笑)。

-"いつもと同じだな"という曲ならできる、ということですよね。

それはすぐできます。

-ファンからしたら"いや、それで十分なんですけど"という可能性も──。

あります。重々承知です、それは。でも、自分たちはあと20枚アルバムを出すわけじゃないと思うんです、今までのペースも考えると。だからあと1枚、2枚、3枚、4枚って、すごく大事なものになっていくと思うんですよ。自分たちが限界まで活動を続けられるとしたら、いいものを残すことのほうが数を残すことよりも大事だと思うし。"いつもと同じだよね"というものを何作も出して、消耗して、バンドがどんどんちっちゃくなっていくよりも、エネルギーを貯めて、いいものを出して、消耗しないで活動していく、っていうほうが......やっぱり、バンドって寿命があるもんだなと感じていますし。特にメタル・バンドって......例えばAC/DCとかJUDAS PRIESTみたいに、おじいさんになってもやっているバンドもいますけど、自分たちの目標としては、おじいさんになってもアルバムを作るぞっていうよりも、次のアルバムをいいものにするぞ、っていう。あんまり先を見据えるより一歩一歩でいいかな、というふうに思っています。

EVENT INFORMATION
"LOUD PARK"

3月26日(日)幕張メッセ
OPEN 10:00 / START 11:00
出演:PANTERA / KREATOR / NIGHTWISH / STRATOVARIUS / CARCASS / AMARANTHE / BLEED FROM WITHIN / OUTRAGE / H.E.R.O. / Jason Richardson & Luke Holland
[チケット]
東京 一般 ¥19,000(D代別) / GOLDチケット ¥30,000(専用観覧エリアあり/D付)
公式サイトはこちら