INTERVIEW
LOVEBITES
2023.02.22UPDATE
2023年02月号掲載
Member:asami(Vo) midori(Gt) miyako(Gt/Key) fami(Ba) haruna(Dr)
Interviewer:フジジュン
2021年から2022年にまたぐ活動休止期間を経て、ヘヴィ・メタル・シーンの白き英雄がついに完全復活した! 新メンバーのfamiを迎え、実に3年ぶりとなるオリジナル・フル・アルバム『JUDGEMENT DAY』を完成させたLOVEBITES。バンド人生を揺るがすほどの苦難を乗り越え、この判断が正しかったことを証明すべく完成させた気合と気概に満ちた今作。よりファストにメロディアスに強靭に進化した新生LOVEBITESが鳴らす、極上のヘヴィ・メタルに震えろ! 活動休止期間について、新メンバー・オーディションについて、そして最新アルバム『JUDGEMENT DAY』について、famiを含むメンバー5人にたっぷり話を訊いた。
"我々はヘヴィ・メタル・バンドだ!"というのを全面に出すことができて感無量です
-3年ぶりのフル・アルバム『JUDGEMENT DAY』を完成させたLOVEBITESは、前作(2020年リリースの3rdアルバム『ELECTRIC PENTAGRAM』)リリース後、コロナの影響でリリース・ツアー("ELECTRIC PENTAGRAM TOUR 2020")が中断、2021年にメンバーの脱退と活動休止を発表と、試練の時期が続きました。今振り返ったとき、活動休止期間はどんな期間だったでしょうか?
asami:"活動休止"って文言はすごく重いものだったし、かなり悩んで決断をしたんですけど、ただ休むだけでなく水面下で制作も続けていたし、"ベーシストをどう選ぶか?"も詰めて話し合った期間だったし、みんなが前を向いて進んでいた感じがあったんです。期間としては長く感じるかも知れないけど、目標に向かってただひたすらやるべきことを続けていたので、今振り返るとあっという間だったなと思います。
miyako:サポート・ベースを入れてぬるっと続けるのは考えられなかったので、"この5人がLOVEBITESです!"と私たちもファンも納得できる人選をしなければいけないと思ったし、活動を再開したときに必ずパワーアップするため、私はmidoriとギター・レッスンを受けて、個々がスキルアップするために時間を使えたし。
midori:LOVEBITESを長く続けていくためにも、個々もバンドもトータルで成長していく必要があって。すごく重要な時間だったと思っています。
haruna:私も個人的にもっとレベルアップしたいなと思ってドラムの技術を磨きました。ライヴや活動ができないのは残念でしたけど、すごく充実した時間になったと思います。
miyako:現在はfamiも加入して、以前よりパワーアップしたLOVEBITESを見せられる自信があるので、決して無駄な時間じゃなかったと思っています。
-『JUDGEMENT DAY』という自信を持ってリリースできる作品ができて、活動休止期間を"決して無駄な時間じゃなかった"と振り返ることができたのが素晴らしいです!
asami:前作『ELECTRIC PENTAGRAM』を出してコロナ禍もライヴはやっていたんですけど、ヘヴィ・メタル・バンドである以上、魅せるライヴにシフトしつつも苦しいところがあったので、お休みすることもいい選択だったかもしれないです。活動を再開して次にリリースするときこそがジャッジされるときだと思ったし、ここに懸けるしかないという気持ちが強かったので、初めての試みだったんですけど、"「Judgement Day」という曲を作ろう!"ってところから入って。最終的に"我々はヘヴィ・メタル・バンドだ!"というのを全面的に出すことができて感無量です。
midori:そうだね。LOVEBITESを待ってくれていた人たちにも、パワーアップした姿を見せられたと思います。
asami:お客さんを不安な気持ちにさせてしまうのは本当に申し訳なさでいっぱいだったんですけど、"絶対大丈夫だから待ってて!"って気持ちを強く持ってやってきたので、"待ってて良かった"と思ってくれていたら嬉しいですね。
-約7ヶ月の活動休止期間を経て、2022年3月に再始動と新メンバー・オーディション開催を発表されました。今作の生産限定盤A、Bの付属Blu-ray/DVDにもドキュメンタリーが収録された、国籍性別プロ/アマ問わずのオーディション開催に至る経緯を聞かせてください。
asami:技術という条件だけで見れば、音楽関係者や知り合いもたくさんいるのでベーシストを探すことはできたんですけど、技術があるのは当然で、+αの部分が一番必要だなというのがあったので、まだ私たちの知らない人、会ったこともない人の中で素晴らしい方がいるかもしれないという願望もありきで、オーディションを開きました。
-+αというのは具体的にこれが欲しいではない、様々な可能性ですよね?
asami:そうですね。その人の持っている力だったりオーラだったりというのが、直接会って話してみないとわからないので。そういう意味でも幅を広げて会ったことのない人に会ってみたい気持ちがありました。
midori:音を合わせてみないとわからないところもすごく多いし、あとはバンドなので、音楽的な部分はもちろん、人間的な部分も非常に大事なんです。オーディションでいろんな人とやっていくなかで、お互いのいい部分を引き出し合って選んでいきたいというのはすごく思っていました。
-オーディションにはどれくらいの応募があったんですか?
asami:250人弱です。何日もかけて全部みんなでじっくり見させてもらいました。
haruna:海外のいろんな国から応募があって、"LOVEBITESを知ってくれている人がいっぱいいたんだな"というのも驚いたし、課題曲を演奏してもらったんですけど、本当にいろんなアレンジがあって、みんなすごかったしすごく勉強にもなりました。
-オーディションはどんな審査基準で、どんなところを見ていましたか?
asami:やはり+αの部分を一番見たかったので、2次の面接に進んでいただいた6名は書類や動画を見て、直接お会いしたいと思った方を選ばせていただきました。そこからは各々のスタイルやどんな演奏の仕方をするのかを動きや表情ひとつまで、見させていただきましたね。今だから言えますけど、スタジオに入ってきたときの雰囲気から見ていました(笑)。技術があるのは当たり前で、"この人、こういうところがあるんだ"という+αの部分を見たかったので、6名とお話して、楽器隊とセッションさせていただきました。
-面接ですぐにセッションが始まったのも驚きましたが、やはりミュージシャンは言葉を重ねるだけでなく音で会話するんだなと思いました。
midori:音を合わせてみないとわからないですからね。弾いているタイム感だったりノリだったりどんな化学反応が起きるかわからないから、"音を合わせてみよう"というところからがスタートだったとも言えます。
-そしてfamiさん。オーディションに参加した側のお話も聞きたいのですが。
fami:はい。今初めて聞く話ばかりで、驚きの連続です。"え、スタジオに入るときから見られてたの!?"とか(笑)。
-あはは(笑)。では、まずオーディションに応募した理由から聞かせてください。
fami:私は自分でYouTube活動をしていたんですけど、それをお休みする期間が1年間あって、そのときオーディションをしていたので運命的なものを感じたのもありますし、LOVEBITESの演奏を観たとき、"人を魅了する演奏がしたい"という私の考えと一致して、"これは応募するしかない!"と思ったのが応募の経緯です。
-オーディションでの本人たちとのセッションにはビビらなかったですか?
fami:プロの方と一緒に演奏できるのが嬉しくて、"とにかく楽しく演奏に交じらせていただこう"と思っていて。ワクワクが一番大きかったです。
-強いなぁ! セッションしてみてのメンバーの感想はいかがでしたか?
midori:演奏中、マスク越しでも笑顔で楽しんでいるのがわかって、"アンサンブルを楽しんでくれてるんだな"と思ったら私もテンション上がりました(笑)。
miyako:famiはいろいろフレーズを入れるタイプのベーシストだろうなとは思っていて、自分色をどう出してくるのかな? って楽しみにしていたんですけど、実際famiがアレンジしたところが耳に入ってきたとき、"むちゃカッコいい!"と感じて。アレンジのセンスがいい感じだったので、"他の曲をfamiが弾いたらどうなるのかな?"ってもっと聴きたいと思いました。
haruna:私も、音も一音一音がしっかりしているしフレーズ・センスもいいなと思ったし、プレイしている姿とか表情もいいなと感じながらやっていました。
-asamiさんは最終候補2名との演奏で歌を歌いましたが、いかがでした?
asami:2名が真逆なキャラクターで、どちらもすごく良くて、どっちを選んでもカッコ良くなるというのはわかっていて。最終審査のときどっちの何が突出して出てくるか? にすごくワクワクしていたんですが、famiは2次審査からの短い期間で進化してきたのを感じさせてくれて、"この先が見たい"と思わせてくれたのが決め手でした。あとは+αの部分で、彼女の持っている華だったりオーラだったり、スタジオに入ってきただけで雰囲気が明るくなる、太陽みたいな存在が現在のLOVEBITESにベストだろうと思って。メンバーもスタッフも全員一致でfamiに決定しました。
fami:超嬉しい情報がいっぱいです(笑)! 実際2次のときと最終審査のときでは自分の中で大きな意識の変化があって、2次のときは"楽しむぞ!"って気持ちだけだったんですが、最終審査は"自分がLOVEBITESのメンバーだったら"というテーマを持っていて。ライヴ映像を観て、メンバーが曲中でやっていたように一緒に頭を振ったり、ネックを上げて合わせたり、音の部分でもしっかりサウンドを支えるバンド・メンバーとしてのベースを意識しました。
-いや、本当に素晴らしいメンバーが加入しましたね。famiさんが正式加入してからの5人の活動は、スムーズに進めることができたんですか?
miyako:famiはすごく忙しかったんです。合格してすぐに"じゃあ、レコーディングをお願いします"って、10曲分のデータを送って(笑)。
-え!? アルバム・レコーディングはいつの間に行われていたんですか?
miyako:私たちはオーディション前にはもう終わっていて、ヴォーカルが同時進行くらいで、ベースを最後に入れるというかなりイレギュラーな形でレコーディングを進めていて。famiには合格してから2~3週間で10曲ベースを入れてもらって。そこからアー写を撮って、MVを撮って......スムーズというよりバタバタと進めた感じでした(笑)。
-『JUDGEMENT DAY』の新曲たちは、famiさん加入後に録ったのではなかったんですね。
asami:制作は活動休止中からず~っとやっていました。今回ベースをフィーチャーしている楽曲が多いんですけど、それは"これから私たちと歩んでくれるベーシストが入ってくれる"という未来を見据えて作っていて、"新しいベーシストはこの人です!"っていうのを楽曲の中に表現したかったのがありました。例えば、「Judgement Day」で言うとイントロとアウトロであえてベースを前に出していて、それくらい"これが新しいLOVEBITESです!"と主張したかったし、それを新しいベーシストの方にしっかり弾いていただきたいという気持ちを込めて、制作をしていましたね。
haruna:ドラムのレコーディングは最初なので、ベースもデモのラインが入っているだけだったんですけど、famiのベースが入ったとき全然違うものになっていて。曲のレベルが1段階上がった感じに聞こえてすごくビックリしたし、いろんなところに特徴的なフレーズを入れてくれて、センスいいなってすごく感じましたね。私のフレーズにベースを合わせてくれているところもあって、すごくカッコいいアレンジになったと思います。
fami:miyakoさんが作られた曲のデモには、miyakoさんが弾いてくださったベースが入っていたんですが、アレンジできそうな場所で自分の得意なスラップとかタッピングのフレーズを入れ込むとか、そういう遊び心が重なってできた感じでした。
miyako:そう。ここは上のほうに行ってほしいとかワーッとしてほしいってところはデモ段階で入れておいたんですけど、デモの100倍くらいカッコ良くアレンジしてもらえて。
midori:今回ベースの音がすごくゴリゴリして前面に出てきているんで、音の迫力がすごく上がっていると思うし、楽曲の迫力も増しているし、そういう部分も楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。
-アルバム制作の作業はいつ頃から始まっていたんですか?
asami:活動休止した直後から"どんな作品を作ろうか?"って話していましたし、去年の年明けから完全に制作に入っていたので、今回は長いこと制作していましたね。ただ、やはり"今までの作品を超えたい"って強い思いがあったし、復活でハードルがとても高かったので、"どう乗り越えていくか?"ってところですごい熱量と力を懸けて取り組んできたのはありました。