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INTERVIEW

LOVEBITES

2021.03.11UPDATE

2021年03月号掲載

LOVEBITES

Member:asami(Vo) midori(Gt) haruna(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

3rdアルバム『ELECTRIC PENTAGRAM』のリリースから1年、完成したミニ・アルバム『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』は、曲数こそ4曲とコンパクトだが、内容はフル・アルバムの充実感、ボリューム、高揚感やカタルシスを味わえる作品だ。コロナ禍で停滞した社会、世界のムードや、自身の心境が自ずと盛り込まれ、またライヴ活動ができない時間を経験したからこそ、バンドや制作にじっくりと向き合い、濃厚且つ洗練されたLOVEBITES節が、作り上げられている。バンドのモードや制作について、メンバー3人に話を訊いた。


バンドとして個々がもっと向き合っていこうというのが表れた。新しい制作の形ができた


-昨年は3rdアルバム『ELECTRIC PENTAGRAM』をリリースしながらも、コロナの影響でなかなかツアーができない時間が長く続きました。その間はバンドとしてどうしていこうかという話はあったんですか。

asami:LOVEBITESとしては、1月にアルバム『ELECTRIC PENTAGRAM』を出して、そのアルバム・ツアーが途中でストップしてしまって。その直後は、我々も未知の状況だったので、すぐにまたライヴができるかもしれないし、できないかもしれない、じゃあできない場合はどうするのかとか、ミーティングを重ねたんですがなかなか正解が見つからない状態が続きましたね。ただ、たまたま制作の機会を与えていただいていたので、いったん制作モードに切り替えて、昨年春ごろはその制作を重点的にやっていた感じでした。

-アニメ"ぶらどらぶ"の主題歌となった「Winds Of Transylvania」の制作ですね。そうやって制作モードに持っていくことでバンドとしてもモチベーションを保つ感覚もありましたか。

asami:そうですね。今できることはこれだなっていうのはありました。

-「Winds Of Transylvania」はアニメ主題歌として書き下ろされた曲ですが。そういうテーマやお題ありきの楽しさというのは、曲作りに加わった感じはありますか。

asami:アニメのオープニングの尺が、89秒と決まっていて。その89秒をまず作る、というのが初体験で。89秒にどれだけLOVEBITESらしさを入れ込めるかが課題でしたね。アニメの主題歌というお話でいただいているんですけど、メタルを全面的に出したいとか。ギターのおいしさやヴォーカルのおいしさも全部詰め込まないといけないので、大変でしたけど。シャウトでうまく89秒で終わったっていうのは、良かったなと。

-アニメのオンエアが始まって、これまでと違った反響などはありますか。

asami:MVの再生回数は今までのLOVEBITESのMVよりも伸びが少し早いような感じですね。アニメからきてくれた方とか、いつもとは違うルートでLOVEBITESを知ってくださってる方が少なからずいらっしゃるんだなというのは、感じますね。

-ヘヴィメタル・ファンではない方が聴いてくれるっていうのは、バンドにとって大きいですね。

asami:それは私たちがいつも考えていることで。どうしたらこの楽曲を広められるだろう、このジャンルを広められるだろうというのは、ずっと持っている課題でもあるので。新しい一歩は踏み出せたかなと思います。

-そういった制作の時間も過ごしつつ、家にいなければいけない時間も長くあったと思いますが、みなさんどんなふうに過ごしていましたか。

midori:私は家にいたぶんは、インプット時間に充てたというのはありましたね。

haruna:私はこの機会で、いろいろ機材を揃えたんです。今まで曲作りの部分には携わっていなかったんですけど、自分でも挑戦してみようかなと思って、機材を揃えて曲作りができる環境を整えて。曲作りや、アレンジの勉強をしたりもしましたね。

asami:私はもともと根暗なので(笑)。家にいること自体が、全然苦ではないんですけど。よく、ヴォーカルとして歌えない時期はどう保っていたのかと聞かれることがあるんですが、この3~4年、喉を酷使していたところがあったので。私は、喉的にはいいお休みになったかなと思うところがありました。ツアーが途中で止まった悔しさなどはありましたけど、こういう時間も必要だなというようにすぐに切り替えることはできましたね。

-喉を休めるような時間は、これまであまりとれなかったんですね。

asami:そうですね。LOVEBITESを始める以前から考えても、1年間歌わないっていうことはありえなかったので。音楽家として、これだけ歌わない時間を過ごしたのは初めてだったかもしれないですね。レコーディングはあったので、歌う機会というのはあったんですが。

-そして今回のミニ・アルバム『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』でさらにパワーアップしているのは感じます(笑)。

asami:そうですね(笑)。そこはいつも通り、曲を作ってくるメンバーがどんどん私のキーを気にせずに作ってくるので。

midori:はははは(笑)。ギリギリまで攻めていく感じでね。

asami:毎度、"これ大丈夫でしょ?"っていう感じなので。

-ミニ・アルバムの制作は具体的にいつ頃からスタートしているんですか。

midori:曲出し自体は夏ぐらいから始まったのかな。

haruna:今回は結構、5人一斉にアイディアを出していって、そこからピックアップして形にしていくという初めてのやり方だったかもしれないですね。

-曲数的にはどのくらい集まっていたんですか。

asami:完全に形になったものは収録された4曲ですけど、デモ段階では──

midori:ワンコーラスだけとかでいったら結構な曲数はあったかもしれない。ああいう曲もこういう曲もやりたいし、こんなのいいよねっていう感じでそれぞれネタをどんどん出していって。

asami:そういうことで初めてというとおかしいですけど、バンドとして個々がもっと向き合っていこうというのが表れた制作だったかなとは思います。さっきharunaも言っていたように、これまでは楽曲制作自体に関わる人が決まっていたようなところもあったんですが、今回は全員がアイディアを出して、全員で吟味してという、新しい制作の形は少しできたのかなっていう。コロナ禍において、全員がそういうモチベーションに切り替えていこうという気持ちもあったと思うんですけど。

-今の状況が自ずとそうさせたと。

asami:そうですね。今できることは何かって言ったら、いい作品を残そうというところに自ずと全員が向いたので。じゃあみんなで頑張ろうというのはあったと思います。

-では早速それぞれの曲についてですが、まずは作品を幕開ける「Glory To The World」。この曲は、タイトルの持つ晴れやかなパワーそのままの曲になりましたね。

asami:これはmidoriからのデモが上がってきた段階から、私もmidoriと同じようなイメージしか持てなかったくらい、曲にパワーがありましたね。なので、歌詞もすぐに合致した感じでした。

midori:この曲は、教会音楽的な楽曲を意識して作っていて。ゴスペル的な部分があるとか、例えばパイプオルガンで弾いても合うような、そういう広い意味での教会的な雰囲気を持った神聖な楽曲にしたい。そういうエネルギーを称えた曲を作りたいということでやっていましたね。

-そのイメージもあって歌詞に"ハレルヤ"というフレーズも出てきたんですね。

asami:midoriも教会音楽が好きで、チャーチとかもよく遊びにいくようなタイプで。私もゴスペルを歌っているし、もともと教会音楽も携わってきたので。真っ先に、ハレルヤという言葉入れようというのは決めていました。

-オープニングの不穏なところから、harunaさんのドラムで一気に視界が開けていく高揚感がドラマチックですね。

asami:雰囲気がありますよね。

haruna:ドラムは全曲いつもながらアグレッシヴなんですが、この曲はいろんなシンバルを駆使して、リズムを使い分けて叩いていますね。

midori:harunaのシンバル・ワークは特徴的なので、そこはお任せと思って丸投げしてます(笑)。

-こういう突破力があって、聴く人みんなの背中を押していくような前向きな曲というのも、ありそうでなかったタイプでは。

asami:壮大な曲にはなったなと思いますね。今のこの状況下においてもすごくリード曲に相応しい楽曲になったんじゃないかなと思います。