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INTERVIEW

LOVEBITES

2018.12.06UPDATE

2018年12月号掲載

LOVEBITES

Member:asami(Vo) miyako(Gt/Key) miho(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

海外のメタル・フェス"Wacken Open Air"、"Bloodstock Open Air"出演に続き、11月には全6公演のヨーロッパ・ツアーを行い、美メロ且つパワフルなメタル・サウンドで国内外でシームレスな活動を行うLOVEBITESが、2ndフル・アルバム『CLOCKWORK IMMORTALITY』をリリースする。先日、メタル・レーベル Nuclear Blast傘下のArising Empireとの契約も発表され、ヨーロッパ各国での発売も決まった今作は、ヘヴィ・メタルの様式美も踏まえながら、様々なヘヴィ・ミュージックの旨味や多彩なジャンル、要素も昇華したLOVEBITESサウンドを作り上げている。1stフル・アルバム『AWAKENING FROM ABYSS』から1年、過ごしてきた時間の濃さが音に乗った、今のバンドのグルーヴが聴こえるアルバムだ。

-ニュー・アルバム『CLOCKWORK IMMORTALITY』が完成しました。めちゃくちゃ濃く、一聴した感覚だとトーンが明るいような感じがありました。

asami:今回はメロディアスな曲が多いかなと思いますね。

miho:ダウン・チューニングの曲が2曲だけっていうこともあるのかな。メロディアスではあるんですけどね。あとは、サビのメロディが一緒に歌ってもらえるようなものが多くなっているので、それが明るさ、楽しさというのにもしかしたら繋がっているかもしれないですね。

-miyakoさんとmihoさんの作る曲も、前の方がはっきりとカラーが分かれていたような感じでしたが、今回はもうちょっと折衷感があるというか、LOVEBITESの曲としての一体感もより感じました。

miyako:いい方にいった感じですね(笑)。

miho:今までは、美メロのメロディック・パワー・メタルをmiyakoやドラムのharunaが書いていたんですけど、今回は私も初めて1曲書いてみたりしました。あと、miyakoの「Empty Daydream」なんかは、また雰囲気がガラッと変わるおいしい曲になったのではと思います。

-アルバム全体としてどういう方向に行くかという、テーマのようなものは考えていたんですか。

miyako:どんなアルバムを作ろうか考えたときに、1stフル・アルバム『AWAKENING FROM ABYSS』(2017年リリース)と次に出したミニ・アルバム『BATTLE AGAINST DAMNATION』(2018年6月リリース)は、メンバー内でも"カラーが違った作品になったね"という話をしたんです。『BATTLE AGAINST DAMNATION』は、『AWAKENING FROM ABYSS』をどうしても超えなきゃっていう、いい意味でも悪い意味でも力んで作った作品だったなって。結果的には良かったんですけど、あとあと考えると"もうちょっとこういうところも残していて良かったんじゃない?"と思うような部分もあったりしましたね。今回は気分的には"AWAKENING FROM ABYSS 2"な感じで、もちろんそれよりもパワー・アップした作品を目指して作ろうという。大枠はそんな感じでしたね。

-そういうところで、miyakoさんが最初に作っていった曲というとどのあたりですか。

miyako:「Empty Daydream」ですね。もともとこれは『BATTLE AGAINST DAMNATION』のときに作っていた曲だったんです。前回の選曲のときに、これはいい曲だけどフル・アルバムに入れた方が映えそうだなってことで、次のアルバムのためにストックしていた曲ですね。

-「Empty Daydream」は新しいタイプの曲で、歌謡性が強いところが新鮮です。

asami:大好きな曲ですね。

miyako:いいよね(笑)。

miho:日本の良さもあるし、でもブリティッシュな感じとか、ちょっとプログレっぽいところとか、いろんな要素があるんですよね。

asami:歌も感情を込めやすいメロディになっていたりして、掛け合いも入れたり、歌詞も今までにない感じで書いてます。

miho:今までにない曲なんですけど、完成してみたらLOVEBITESのいいところが全部入ってて。隙間がある曲なので、各プレイヤーのいいところも詰め込まれているんじゃないかなっていう。とても評判もいい曲ですね。

-今回のアルバムのバラエティのひとつになってますね。1曲目の「Addicted」などは、アルバムの幕開けとして"これぞLOVEBITES"と言えるものを作ろうという感じだったのですか。

miyako:そうですね。1曲目から3曲目までは、いわゆるメロディック・パワー・メタルという括りになると思うんですけど、LOVEBITESの売りはいい歌メロだと思うので、サビのメロディはすごく練って構築していきましたね。あと、私にとってLOVEBITESが初めてのツイン・ギターのバンドなんですけど、ツイン・ギターならではのおいしさも出していきたいなと。

-たしかに今回は、どの曲もツイン・ギターならではのユニゾンや掛け合いなどがグッと増えているのも高揚感を生んでいますね。では、歌についてはどうでしょうか。「Addicted」などはサビでかなりハイトーンのメロディが効いています。

asami:そうですね。でも全体を通してみると、『AWAKENING FROM ABYSS』が高いパートが多くて死ぬほど大変だったので(笑)。その後の『BATTLE AGAINST DAMNATION』もそうなんですけど、最初にかなり高いところからきたので、それに自分が慣れてきたのもあって、少し歌いやすい感じのメロディになってきてもいるんです。

miyako:少しasamiに優しくなりました(笑)。

asami:最初のころは、英語詞を乗せるというメロディの作り方にも、まだ慣れていなかったのもあって、言葉数を詰めなきゃいけなくなったりもしていたんです。作曲陣もみんな、それにどんどん慣れてきてくれて。英語が乗りやすいメロディにしてくれたりもしているので(笑)。だから私も、だんだん書きやすく、歌いやすくなってきたというのが今回は多かったですね。

miho:LOVEBITESは、asamiのハイトーンが武器ではあるんですけど、asamiのヴォーカルの魅力はハイトーンだけでなく、ミドル・ヴォイスとか、その中低音域の豊かさもそうだと思っているので、今まで以上にその部分にフィーチャーして曲作りができているものが多いんじゃないかと思います。

asami:これは最初のころから言っているんですけど、高い音って出そうと思えば出せると思うんです。女性は特に、ハイトーンが得意な方が結構いらっしゃるので。でも中低域とか、私は下の音域がすごく出るので、そういうところも魅力として出せたらいいなという思いは、今回は織り込まれているかなと思います。

-そういうふうに、お互いの持ち味というものがわかった感じですかね。

miyako:それはあるかも。

asami:わかってきたね、だんだんと。"これはmiyakoの色だな"というのもわかってきたし、"mihoっぽいな"というのもわかってきたし。少しずつ一体感というのが作れているのかなって。

-"ここは新しいのぶち込んできたな"というのもわかる感じですか?

miho:新しいのも入れてきたし、自分らしいものもまた濃く入れてきたなっていうのはわかりますね。私が特に好きなのは、「Pledge Of The Saviour」のギターの開放弦のリフ。今までmiyakoやmidori(Gt)がやっていたメタルコアとかの音楽性とメロディック・パワー・メタルが融合していて、すごくいいリフだなと思ってます。