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INTERVIEW

Roselia

2022.05.17UPDATE

2022年05月号掲載

Roselia

Member:相羽 あいな(湊 友希那/Vo) 櫻川 めぐ(宇田川 あこ/Dr)

Interviewer:宮﨑 大樹

Roseliaって不思議なもので、私たちがRoseliaを演じているはずなのに、別視点でも見えちゃう。"私がRoseliaたちから聞かれているんだ"みたいな


-「FIRE BIRD」を初披露したのは、いつのことでしたっけ?

相羽:富士急ハイランド・コニファーフォレストでやった"Roselia 「Flamme」/「Wasser」"というライヴで初披露しました。2019年ですね。

-ということは、3年経ってアンサー・ソングが世に出るんですね。

櫻川:3年も演奏しているんだと、みんなでビックリしていて。だいぶ演奏してきましたし、これまでのRoseliaの代名詞みたいな曲として、一緒に成長できた印象はありますね。

-そんなリード曲「ROZEN HORIZON」は、Roseliaで最長の6分超えの大作です。話に出た通り、「FIRE BIRD」の続編的な立ち位置で。

相羽:上松(範康/Elements Garden)さんは、「FIRE BIRD」を作ったときに、もうアンサー・ソングをイメージしていたらしいです。"3年越しかぁ"みたいな感じでおっしゃっていました。本当にアンサーなんですよ、イントロがね、めぐちぃ?

櫻川:そうなんです。「FIRE BIRD」にあったメロディで「ROZEN HORIZON」が始まるんですよ。

相羽:"最初からアンサーなんだ"と。歌詞は2番のサビに"泣きじゃくった/夜の答え"とあるんですけど、「FIRE BIRD」は"泣きじゃくった あの夜の/答えはまだわからず"なんですよ。「ROZEN HORIZON」で答えを見つけているとわかったときに、"アンサーだ!"と衝撃がありましたね。あと、「ROZEN HORIZON」も「FIRE BIRD」も、1回落ちているんです。どん底というか、本当に一振りの力すら絞れずにいた状態から、"一緒に行こうか"と最後に言っている感じ。強めのエール・ソングだと思いますね。演奏面ではMVを観ていただいたらわかると思うんですけど、特にわかりやすいのは、ドラムがヤバいよね?

櫻川:そんなことないです、みんなヤバいです。ライヴで披露したら6分という未踏の地へどう辿り着くんでしょうね。MV撮影用にそれぞれ練習していたりするんですけど、これこそ本当にバンドリーマー(※"バンドリ!"ファン)のみんなと、どんな化学反応が起こるのやら。

相羽:この曲でも、いつかみなさんの声が聴きたいですね。「FIRE BIRD」で最初と最後の部分にセリフがあったように、「ROZEN HORIZON」も最初と最後のほうにセリフがあったりします。"「FIRE BIRD」のその先へ"と言われているだけあって、それをすごく感じるし、ありがたいことに「FIRE BIRD」を超えているとおっしゃってくださるコメントも見ています。

-歌詞も感慨深いフレーズがありますよね。

櫻川:歌詞の重みはメンバーみんなで感じていまして"Roselia...この名を名乗った日に共に誓った"とか、自分たちのグループ名が歌詞として入っていることは、全員が最初に驚いたことの1個です。自分たちのグループ名を入れて、さらにラスサビには"Roselia...この名を残す為すべてを賭ける"とあって。これは中島由貴(今井リサ/Ba)ちゃんも言っていたんですけど、"本当に自分はこれを思えているのか?"って、自分と向き合うような歌詞になっているので、各々が噛み砕いてレコーディングに臨んでいたと思います。あいあいはヴォーカルだから、特にじゃない?

相羽:うん。響きましたね。今回の「ROZEN HORIZON」は、「FIRE BIRD」に比べると楽器のみんなとの掛け合いが多くて、私がレコーディングをしていたときには"聞いているし、聞かれている"みたいな感覚で。Roseliaのみんなで共に築いてきたものを確認し合っていると言うんですかね、ここまで掛け合いをする曲は今までになかったんですよ。だから新たな挑戦でもあり、覚悟を聞かれているうえで掛け合いしているから、よりそれが響くと思いましたね。

櫻川:逆にお聞きしたいのが、私はX JAPANさんがものすごく好きで、この楽曲の作り的に往年のロックを感じたんです。K-POP が流行っていたりするこの令和の世界に、新しく感じるのか懐かしさを感じるのか、激ロックさん的にはどう感じたのか逆に聞いてみたくて。

-たしかに往年のロックの香りを漂わせつつも、ヴォーカルとコーラスに声優ならではの声質が入ることによって、曲調と声質の掛け合わせによる新しさはあるんじゃないかなと思います。

櫻川:おー! 声優のうちらが歌うことによって新しさが出るなんて、嬉しい!

相羽:それはいいこと、嬉しいことを聞けましたね。

櫻川:きっといつかは演奏できる機会が訪れて、そのときは私たちも覚悟を持って演奏すると思うので、みなさんにも覚悟を持って聴きに来てほしいです。

-そして2曲目の「閃光」は、なんとEveさん提供ということで、このコラボにはとても驚きました。

相羽:私もビックリしました。

-まさに"Eve節"が発揮された楽曲で。

相羽:本当にそうですね。RoseliaとEveさんがコラボすると聞いて、"そんなことってあるんだ"と思って。もともとEveさんの楽曲を聴いていたので、実際に曲をいただいたときに"あ、Eveさんだ"みたいな印象でした。もともとは、もうちょっとキーが低かったんですけど、キーチェックというものがあって、そこでちょっと上げていただいて、そこから"これを友希那が歌ったら"というふうに、変換を掛けてレコーディングに挑んだ形です。最終的に仕上がったものを聴いたら、"RoseliaらしいEveさんだ"となって。Eveさんの楽曲って、フレーズが本当に独特ですごいですよね。楽曲だけでこれはEveさんっぽいとなるので。だけどヴォーカルとしては湊 友希那なので、上手いことシンクロしたかなと思います。歌詞はRoselia味(み)があるというか、これまでRoseliaが辿ってきた歴史とか道にリンクしているような歌詞なので、それもあって、Eveさんの曲調だけどRoseliaらしさもある楽曲なんだなと感じましたね。

-友希那が歌っているからこそ、Eve節なんだけどRoseliaだと感じるんですよね。

相羽:うん、ありがたいです。あとは、譜割に対しての文字数が多いので、そこをどう詰め合わせるか、詰め込み方とかも考えながら歌いました。

-櫻川さんは、できあがった音源を聴いていかがでしたか?

櫻川:楽器隊のメンバーともよく話すんですけど、楽曲、メロディだけじゃなくて、楽器のフレーズもすごくEveさん節を感じていて。すごく特徴的なんです。それをもしライヴでやるんだったら、どうアプローチしていくのかはメンバーで話したりしました。あいあいの歌声だけでもEveさんの楽曲でRoselia節を出せていると思うんですけど、ライヴで、5人で表現して初めてコラボが完成する気がしますね。

相羽:たしかに。いつかライヴで演奏するときが来たら、コラボ感をより楽しんでいただけそうです。

-さらにミュージック・ビデオもEveさんがプロデュースしているそうで。

相羽:そうなんです。Roseliaっぽい人たちが出てきて、考察ができそうな感じです。友希那がいた部屋には、RoseliaのポスターとEveさんのポスターがあったりして。

櫻川:これ、相羽さんが嬉しかったみたいで、いろんな人に言っています(笑)。

相羽:(笑)本当に考察が捗るし、もうひとりの女の子の考察もできるじゃないですか? プロデュースしてくださったEveさんと、ディレクションしてくださったZemyataさんに会って、どういう意味で、どういうふうに作ってというのを今すぐ私がインタビューしたいです。"どうしてこの曲調になったったんですか?"とか、"歌詞と曲は、どっちから作ったんですか?"とかって、細かく、鬱陶しがられるくらい聞いてみたいです。

-そして、ミニ・アルバムに収録される最新曲が「THE HISTORIC...」です。

相羽:「THE HISTORIC...」は、"ガルパ(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)"の最新のストーリーの中で生まれた曲です。"Are you ready? We are ready."が、頭から離れないくらいキャッチー。最初に聴いたときにすぐ残りましたね。

櫻川:この曲、早くライヴでやりたいんですよ、声出しで。これはお客さんにずっと歌ってもらわないといけないので、いつかその声を出せる日に向けて聴き込んでほしい!

相羽:本当にそうですね。"準備はいい?"と聞いているんですけど、これも私が聞かれている気持ちになります。"Are you ready? We are ready."って、こっちが歌っているはずなんですけどね。Roseliaって不思議なもので、私たちがRoseliaを演じているはずなのに、別視点でも見えちゃう。"私がRoseliaたちから聞かれているんだ"みたいな。わかります?

櫻川:わかります。よくゲームのアフレコをしているときに思うんですけど、自分は宇田川あことして演じていますし、セリフを自分の中に入れて声に出してはいるんですけど、天の声みたいな、客観的に見ている櫻川めぐもいながら演じているところがあって。演奏するときも実はそうだったりするんです。声優バンドならではの歌詞の捉え方というのは、演じるという意味ですごくあると思います。あいあいは今回それをすごく感じたのね。"準備はできてる? 私たちはできてるよ"と言っているけど、自分も聞かれているんでしょ?

相羽:そうなんですよ。客観視の話をしていましたけど、キャラクターとして観たときに、やっぱりRoseliaってすごくカッコいいなと思いますね。自分がいちファンとして観たときに、Roseliaってカッコいい。で、今回この「THE HISTORIC...」を聴いたときに、"ついていくよ!"みたいに、いちファンとして感じました。「THE HISTORIC...」と「ROZEN HORIZON」の2曲とも滾っているんですよ。ふたつとも"滾る"という歌詞が入っていて、"うちら、滾っているんだな!"って。一歩先へ行った感じがします。

櫻川:それが今回のアルバムの答えじゃない? なんかさ、"あたしたち、みんなの支えがないとダメなの"というのがRoseliaじゃなくて、音楽に対して頂点を目指す、それが今までのRoseliaで。キャラクターたちもプロ・デビューという新しいフェーズに移行しますし、それに対して声優の私たちも"みんな行くよ、一緒に行くよ、ついてきて"と先導するようなアルバムなんじゃない? これは。

相羽:そういうことですね、たしかに。感謝の気持ちもありますけど、"私たちはこの道を選んだから、それでも好きだったらついてきて"という1枚になっていますね。