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INTERVIEW

OUTRAGE 映画"鋼音色の空の彼方へ"公開記念座談会

2022.05.18UPDATE

2022年05月号掲載

OUTRAGE 映画"鋼音色の空の彼方へ"公開記念座談会

OUTRAGE:阿部 洋介(Gt) 丹下 眞也(Dr)
山田 貴教(監督)
秋田 卓郎(山内 聡役)
岡 陽介(前田 徹役)
あんど慶周(漫画家)
インタビュアー:荒金 良介

-岡さん、秋田さんはOUTRAGEのメンバーから直接指導はあったんですか?

丹下:1日だけドラムはスタジオで指導しましたけど、役者さんがすごいなと思ったのは飲み込みが早いんですよね。すぐにできちゃうところはビックリしました。映画を観たら、本当に叩ける人じゃん! って。

阿部:演奏シーンは見どころですね。再現度がハンパない。

-秋田さんは映画の中でもドラムの技術はもちろん、目つきも変化してましたよね。

秋田:そう見えるように気をつけました(笑)。スティックの持ち方から丁寧に教わったので、家でも反復練習しましたね。

-岡さんは?

岡:直接指導はなかったんですけど、ライヴのシーンで歌うときにNAOKIさんがいらして。バーッと歩いて来て、殴られるのかと思ったら(笑)、マイクのコードは腕に巻くんだよって。あとはひたすら映像を観ました。NAOKIさんは歌い方も昔と今で変わっていたので、そのへんも全部観て、この曲ではこんな雰囲気かなとか、ここは最近の歌い方じゃなくて昔の歌い方に寄せようとか。

-岡さんが歌っているシーンも見事にハマっていました。

丹下:映画としてOUTRAGEのファンが観て、似ているよねと思ってもらえたら、自分も嬉しいですからね。

阿部:あと、再現度で言えば伊藤政則さんですね。あとで聞いた話だと、山田監督が伊藤さんのシーンに一番熱を注いだと。

山田:ははは(笑)。伊藤さんの芝居はかなり言いました。膝を曲げて歩くな、もっと小走りに走れ! とか。

阿部:ははははは(笑)。

山田:もっと強く言い切るんだよ。それじゃあ、普通の喋り方だから! って。

阿部:山田さんの伊藤さん愛が出てます(笑)。

山田:伊藤さんご本人は"俺に似ているかな?"と言ってましたけど、僕は見た目じゃなく、声のトーンが伊藤さんに似ていると思ったんですよ。これは鍛え上げたらいけるわって。で、あらゆる伊藤さんの動画を渡しました。伊藤さんは迷いがないから。言い切ることが重要ですよ! って(笑)。

丹下:昔はよく怒られましたからね。愛情だと思いますけど、特に昔は怖かったですから。俺は怒られキャラなのか、必ず俺が悪いことになって。あの映画のまんまです。

阿部:そこも迷いがない(笑)。

山田:ワンシーンだけ丹下さんにご意見をいただいたのは、"抜けたNAOKIも誘っておけよ"というセリフがあるんですけど、命令しているわけではなく、最後にニヤッと笑うという。そこは、伊藤さんの優しさを入れておこうと。わからないレベルかもしれないけど、そこは反映させました。ただ厳しいだけじゃなく、愛があるという。

-では、岡さん、秋田さんは映画を通して、ヘヴィ・メタルに対する印象が最初と最後で変わったところはありますか?

岡:最初は......怖いというイメージがあったんですけど。意外と入りやすいなと。うるさいイメージしかなかったけど、ちゃんと聴いたら全然ノれるし、普通にいちファンになっている自分がいました。

秋田:僕も岡君が言うようにうるさくて、速いというイメージがあったけど、昨日のライヴで価値観が変わりましたね。オーケストラに合うヘヴィ・メタルってすごいなと。ただ圧があるだけじゃなく、オーケストラに馴染む滑らかさも兼ね備えているんだなと思いました。

阿部:狭いようで、星の数ほどメタル・バンドはいるからね。うるさいのは事実だけど、それに馴染んだら、いろんなメタルを聴けばいいんじゃないかと思います。ちょっといいことを言ってみました(笑)。

-あと、今回の公開劇場拡大応援のクラウドファンディングに参加した方に向けて、あんど慶周先生書き下ろし漫画"アウトレイジだがや"がついてきます。その話も聞かせてもらえますか?

あんど:OUTRAGE 30周年記念作品『XXX BOX』(2017年リリース)に続き、35周年のお祭りだから、突き抜けるような痛快なフィクションにしたいなと。名古屋ELL(ElectricLadyLand)公演に遊びに行って、ライヴ後に映画の宣伝CMがそこで流れたんですよ。で、伊藤政則さん役の映像が出たときに会場がザワついたんですよね。それで伊藤さんを漫画に出そうかなと。それで閃きました。

-特に伊藤さんのイラストは似てました(笑)。

山田:押さえるツボがめちゃくちゃいいなと。遠慮がない感じが良かった。

あんど:僕は伊藤さんと面識がないので、本当に知り合いだったら、あそこまでは描けなかったかもしれません。

丹下:伊藤さんもそうだけど、ほかの登場人物を含めて絵を見ているだけで、その人に直接会っているような感じを受けますからね。

阿部:絵がアートになってるもんね。

丹下:山田さんにはあの漫画を題材に映画を作ってほしい。

山田:はははは(笑)。漫画は本当に素晴らしいですよ。

あんど:今回は役者さんがOUTRAGEを演じていますけど、この漫画ではOUTRAGEをちゃんと主人公にしたかったんです。今回はMV「Machete III」(2020年リリースのアルバム『RUH RIOT』収録曲)をもっとリアルにして、ストーリーを持たせようと。

-その漫画は読んでのお楽しみですね。最後に岡さん、秋田さんから映画の見どころをお願いします。

秋田:個性的でユーモラスな人物が出てくるし、名古屋を象徴する食べ物や場所もたくさん出てきますからね。繰り返しになりますが、名古屋愛がいっぱい詰まった映画です。名古屋はもちろん、名古屋以外の人にも観てもらいたいですね。

岡:OUTRAGEの歴史と、役者側の歴史がシンクロする感じもあり、葛藤の部分も描かれているので......そこもいろんな人に響く内容になってますから、ぜひ観てください!

MOVIE INFORMATION
"鋼音色の空の彼方へ"

5月20日(金)名古屋先行公開/6月3日(金)より全国順次公開
出演:秋田卓郎 / 岡 陽介 / 兼平勝成 / 安藤 悟 / 近藤久美子 / 山中裕史 / 末永桜花(SKE48) / 三根孝彦 / 酒井直斗 / 梨伽 / 高井泉帆 / 憲俊 / 野々田 奏/ 上田定行
特別出演:OUTRAGE (NAOKI / 阿部洋介 / 安井義博 / 丹下眞也)
原案:伊藤政則
プロデューサー:小崎滋之
監督:山田貴教
脚本:成子貴也
テーマ・ソング(Inspired by the movie):「Summer rain」、「Psycho flowers」/ OUTRAGE
公式サイトはこちら
©2022「鋼音色の空の彼方へ」製作委員会