MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

the GazettE

2020.03.02UPDATE

2020年03月号掲載

the GazettE

メンバー:URUHA(Gt) AOI(Gt)

インタビュアー:杉江 由紀

バンドとして出している音像のオリジナリティっていうのは誇れるんじゃないかな


-なお、本媒体は激ロックですので、いわゆるヘヴィな音であったり、ラウドな音を出したりするバンドさんが多々掲載されているわけですけれども、the GazettEのギター隊であるおふたりが、"ここは他のバンドに負けないぞ!"と言い切れる点があるとしたら、それはどのようなところになるでしょうか。

URUHA:昨今(アンプ)シミュレートがすごく流行ってますからね。みんな"KEMPER"とかをよく使ってるじゃないですか。激しい音を追求しようと思ったらそれが便利なのはよくわかるんですけど、起伏や濃淡を出すという意味ではアナログな機材を使う良さも絶対にあるので、そこの使い分け方や、立体感のある音の表現の仕方については他に負けたくないなって思ってます。まぁ、勝ち負けの問題でもないんですけどね(笑)。自分たちの強みとして、そこを発揮していきたいなという気持ちは強いです。

-世代によっては、はなからデジタル機材だけを使っているというプレイヤーもいるでしょうしね。両方の良さを知っていることは、スキルのひとつであるはずです。

URUHA:これまでの間に僕らはお金も時間も使っていい機材をそれなりに揃えてきましたからね(笑)。今後もそれはうまく使いこなしていきたいです。

AOI:とはいえ、今のバンドってみんなちゃんとうまいっすからねぇ。特に最近はうまいバンドがどんどん増えてきてる感じがして、そういうなかで自分たちのどこが勝ってるのかっていうのは難しいところでもあるけど、バンドとして出している音像のオリジナリティっていうのは、誇れるんじゃないかなと思ってます。

-the GazettEにしか出せない音があるということですね。

AOI:そうそう。最近日本で流行ってるバンドの音を聴いて"うわー、外タレみたいですげーな!"って思うことはあっても、逆にオリジナリティはあんまり感じないことがありますからね。その点うちはKAI君のドラム、REITAのベース、僕らのギターがすべて一体になったときに出る音像は"誰それっぽい"感じではないし、別にどこかに似せたいとも思っていないので、そこは自然と生まれているオリジナリティでもあり、自分たち自身で大事にしたいところでもあるんです。

-しかも、the GazettEは曲調の幅も非常に広いですしね。今回のライヴ映像においても近年の楽曲たちばかりでなく、2002年の結成当初から約18年にもわたって演奏され続けてきている「関東土下座組合」や、これまた昔から人気の高い「貴女ノ為ノ此ノ命。」なども存分に堪能することができます。キャリアを重ねていくうちに、過去の一部を切り捨てていってしまうバンドもいるなかにあって、the GazettEの過去を否定しない姿勢は潔くて素晴らしいと思います。

AOI:そこは純粋に今でもできるからやってますっていうことなんですよね。

URUHA:個人的な本音を言うと、いちミュージシャンとしての自分の中には"昔の曲って、今の自分が出したい音とは違うから、やりたくないな"っていう気持ちもないわけじゃないんですよ。だけど、そこよりも、やることに対しての意味を見いだしている比率のほうが大きいのでやってるんです。結局今やりたいことだけをやってくだけだと視野も狭くなりがちだし、自分たちのルーツっていうのを定期的に振り返ることによって、得る恩恵というのが間違いなくあるので、やりたくない気持ちはあっても、やらない理由はないですね。ファンのみんなも喜んでくれるし、何より自分たちのためになってるんです。

-ここまでは音や楽曲についてのお話をうかがってまいりましたが、今作品については、the GazettEの織りなすステージ・パフォーマンスを堪能できるというメリットも、多々あるように思います。ただ演奏するだけではなく、各人が洗練されたステージ・アクトに長けているという点でも、the GazettEは圧倒的な存在感を持ったバンドであると改めて感じた次第です。

AOI:それがですね、僕は"LIVE TOUR18-19 THE NINTH"が始まった頃に、疑問を感じちゃったことがあったんですよ。ライヴだからといって、パフォーマンスとしてのアグレッシヴなショーを展開するだけでいいのかな? って。それでプレイがおろそかになってたら話が変わってくるわけですしね。キャリア的にも18年とかになってきて、"ライヴなんだから勢いがあればいいじゃん!"ではなくて、音楽でもしっかりと楽しんでもらいたいという欲が出てきたんです。だから、今回のツアーではまずプレイに力を入れようと意識していたので、こうして映像であとから観ると"パフォーマンスとしては結構地味かも?"って感じちゃったところがありました。

URUHA:え? そうっすか? 僕からしたら特にそうは感じなかったけど(笑)。

-私も地味とは感じませんね。たとえダイナミックではなくとも、ギターをワンストロークしたあとに手を振り上げて降ろすというだけの動作の中で、その指先にまで心配りがされた、しなやかにして美しい見せ方をされていますよ。

AOI:ほんとですか? そう感じてもらえたんなら良かったです! URUHAさんはね、もうすでに10年くらい前の段階で、"あんまりアグレッシヴに動きすぎて、プレイがおろそかになるのは嫌だ"って言ってたんですけど、僕はそこに気づくのが彼よりもずっとあとだったので(笑)、ここにきてやっとそこを両立できるようになりたいと目指し始めました。

URUHA:そういえば、昔の話で思い出した。いつだったか、AOIさんは"ライヴはセックス・アピールだ!"って言ってましたね(笑)。

AOI:あぁ、そこの基本は今も変わんないです(笑)。要は、ステージでどれだけ自分をアピールできるのかっていうのが大事なわけでね。それが演奏なのか、動きなのか、そこをどういうバランスでやっていくのかっていうだけの話なんです。大事なことですよ。

URUHA:アピールかー。そこは、あんまり自分は意識してないんですよね。演奏している音とシンクロしながら自然と動いているだけで、見せようと意識するとかじゃなく、ライヴをすることに没頭しているって言ったほうがいいかもしれないです。悪く言うと、周りのことがよく見えてないってことでもあるんですかね(笑)。そのくらい集中してます。

-ともあれ、今回の映像作品には去年9月時点におけるライヴ・バンド、the GazettEの克明な姿がそのままパッケージされていることになるでしょう。と同時に、今年で18周年を迎えることを思うと、バンドとしてはそろそろ20周年も射程圏内に入ってきているはずです。もし20周年までに達成したことがあればそれについても教えてください。

URUHA:20周年までの大きな目標とかは特にないですけど、とにかく、細かい必要なアップデートを少しずつ重ねていきたいですね。

AOI:僕も特にはないですよ。だって、僕らは"今"を生きてるから。っていうのは冗談ですけど(笑)、個人的には、20周年を迎えます! というその日には正真正銘のギタリストになっていたいかなぁ。今の自分はまだ、なんとなくギターを持ってるファッション・ギタリストな気がするんです。だから、もっとギターを気持ち良く弾けるようになりたいし、そのためにここからは今までのスタイルを、フォームとかも含めてイチから見直していく必要があるなと思ってます。そして、後輩とかから"ギタリストとしてのプレイがカッコいいです、AOIさん!"って尊敬されるようになりたい。セックス・アピールもしながらね(笑)。

URUHA:やっぱそこも大事なんだ(笑)。