INTERVIEW
LOVEBITES
2018.06.06UPDATE
2018年06月号掲載
Member:asami(Vo) midori(Gt) haruna(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-以前のインタビュー(※2017年10月号掲載)で、midoriさんのギターは、デモに入ってる細かいフレーズ、打ち込んだフレーズも完璧に再現してくれると話していたんですよ。
midori:特にMao(LIGHT BRINGER/Key)さんの作る曲がそうですね。Maoさんが鍵盤を弾く人なので、細かいフレーズが入ってくるんですけど。鍵盤で作っているので、結構弾きにくいものもあるんですけど、このフレーズかっこいいじゃんってなったら、面白いからやっちゃうんですよね(笑)。楽しいんですよ、そうやって挑戦するのが。スキルアップにもなりますし。
-今回は、miyakoさん作曲の「Above The Black Sea」、Maoさん作曲の「Under The Red Sky」が、ラフマニノフ(セルゲイ・ラフマニノフ)のオマージュがふんだんな、クラシックな要素が濃い曲ですね。このあたりは、アレンジの面白さがかなりありますね。
midori:Maoさんの作る曲って、もともとソロが決まっていることが多くて、それをそのまま弾くこともあるし変えることもあるんですけど、今回は完全に、もともと何もない部分にソロを足す作業がありましたね。アウトロの部分なんですけど。でも、そこは自然に出てくるものをというか、弾くのは大変なんですけど、考えるのはサクサクといきましたね。miyako曲の「Above The Black Sea」は、miyakoがソロでペダルを使っていたりして、ネオ・クラシカルな要素が入っていて。私はテンポの変わったCメロのセクションを担当しているんですけど、miyakoの雰囲気も踏襲しつつ、Yngwie Malmsteen的なネオ・クラシカルな感じや、私もペダルを使ってみたりして、繋がりのある感じにしましたね。
-miyakoさんやプロデューサーから、こうしてほしいというオーダーはあるんですか。
midori:その部分はプロデューサーのSteve Jacobsから、"ここYngwie(Malmsteen)みたいにしてみない?"って言われたので、意識はしましたね。
-2曲とも展開も多い曲なので、リズムに関してはかなり重要になりそうですね。
haruna:リズム・チェンジが多くて、これはちょっと大変でしたね。基本的に、曲ができたらすぐにレコーディングに入るんです。まずドラムを最初に録るんですけど、結構その時点では曲は完成していなくて。レコーディングをしながらアレンジを詰めたりとか、ドラムもああしたりこうしたりと、プロデューサーとも相談しながら進めていくんです。完成して、"あぁ、こうなるんだ"っていう(笑)。
midori:ドラムを録っているときはまだ悩んでいたり、ソロが決まってなかったりするところもあるんです(笑)。
haruna:でも最終的には、みんなちゃんとまとまってくるし、かっこいい曲に仕上がるので。すごいなって、いつも思ってますね。
asami:ヴォーカルもヴォーカルで、すべての楽器が入っていないと、歌い方が変わってしまうので。あとから何かをつけ足すとか、あとからこれが入ってくるというのは、私は基本的にはやめてほしいっていつも言っています(笑)。そうじゃないと、ボリューム感とかニュアンス感が、音数によっても変わってくるんですよね。
-ラフマニノフからの影響がありつつ、「Above The Black Sea」は縦ノリでソリッドな仕上がりで、「Under The Red Sky」は華やかなグルーヴのある感じと、それぞれ違うアウトプットなのが面白いですね。
asami:Mao君の「Under The Red Sky」はメロディアスな感じですよね。曲を並べたときに、ラストの壮大な感じがエンディングに相応しいかなというのはありましたね。あとは、今までの曲のいろんな要素が散りばめられてあったりもするんです。
midori:そうだね。
asami:「The Apocalypse」(2017年5月リリースのデビュー・ミニ・アルバム『THE LOVEBITES EP』収録曲)っぽいところがあったりするので。私は、歌詞を書くときに、「The Apocalypse」の続編というのをイメージしたんです。
-もともとこれまでの曲の断片的なものがデモ段階から入っていたんですか。
midori:そうですね。
haruna:ほかにも「The Hammer Of Wrath」(2017年10月リリースの1stアルバム『AWAKENING FROM ABYSS』収録)とか。
asami:わざと入れている感じだと思うんですけどね。
midori:前作を知っている人が、ニヤッとするようなポイントがちょいちょいありますね。
asami:アウトロで盛り上がって壮大な感じで終わるのも、「The Apocalypse」とも重なるところもあって。リンクさせて作ってますね。
-遊びができた作品ですね。歌詞についても「Above The Black Sea」と「Under The Red Sky」の2曲に関しては、内容的にリンクさせているようですね。
asami:そうですね。タイトルも対のようにしているんですけど、この2曲はふたりのソングライターがラフマニノフを自分の観点で広げて作っている曲なので。歌詞についても、同じような内容で私は書いていますね。イメージとしては戦争ものなんですけど――歌詞は私とmihoが書くことが多いんですけど、私たちは書き始めるとどうしても戦う系の歌詞になってしまうんです(笑)。今回も"歌詞、どんな感じ?"ってmihoに聞いたら、"基本的に戦ってる"みたいな。私もそうなんだよねっていう。そういうのも、今回のミニ・アルバムのタイトル"BATTLE AGAINST DAMNATION"に最終的に繋がっていくんですけど。私も、曲をパッと聴いたときに、どうしても"いくぞ、戦うぞ"っていうイメージが出てきて。「Above The Black Sea」は、あまり歌詞について明確に言うのはあれですけど、特攻隊をイメージしました。「Under The Red Sky」は、前の「The Apocalypse」のときにmihoが、広島の原爆の話をもとに歌詞を書いていたので、その続編的な感じで書いています。具体的に戦争のことというよりも、戦うことについての自分の解釈を書いていますね。
-サウンドやアンサンブルのから湧き上がるのが、戦うというイメージなんですね。また「Break The Wall」は作曲がmiyakoさんとmihoさんとの共作となっていて、4曲中でももっともスラッシーなサウンドになりました。
asami:完全にmihoの好きそうな曲ですね(笑)。
haruna:これはmihoちゃんが土台を作って、そこにmiyakoが色を加えた感じの曲です。
-スラッシュ・メタルだけでなく、中盤でガラッと雰囲気が変わっていく大胆な展開をする曲にもなりました。
midori:落としがあって、リフ・セクションもあってと。
asami:また、この時間、私何してればいいのかなっていう(笑)。
midori:1回帰る? っていうね(笑)。私のソロもひたすら長いのに(笑)。
asami:出ました、っていう感じのアレンジになりましたね。でもこの長い間奏にも慣れてきました。
-ふたりのギタリストが、それぞれガツンとソロ・パートで魅せられるのは肝ですね。harunaさんはどうですか、このスピード感については。
haruna:私は速い方が得意なんです。しかもこの曲は、LOVEBITESの中でテンポが一番速いんですよ。
asami:これが一番速いんだ。
haruna:そう。もともとツーバスとかはなかったんですけど、入れちゃいました(笑)。速いのに、さらに入れて無理をするっていう。
asami:好きだねぇ。