INTERVIEW
NoGoD
2017.09.19UPDATE
2017年09月号掲載
Member:団長(Vo) Kyrie(Gt)
Interviewer:荒金 良介
-あぁ、そうなんですね。
Kyrie:自分の中では「downer's high!」(2011年リリースのアルバム『現実』収録曲)とか、オリエンタルな曲は前にもちょくちょくあるんですけど、この曲はそれを露骨にやりたくて。最初から最後まで夜の冷え込んだ砂漠みたいなイメージで......歌詞と音をハメていきましたね。
団長:漫画"ジョジョの奇妙な冒険"第3部みたいな感じですね。
-空条承太郎ですね(笑)。
団長:そうです、イギーな感じです。
Kyrie:俺は全然わからない(笑)。
-中盤の「蜃気楼」から「ヘンリエッタ」の流れもいいですね。
Kyrie:こういうごちゃごちゃした曲はだいたいアルバム後半に来るので、その位置になるのは珍しいですね。『極彩色』(2009年リリース)以来かな。聴いた人はハッとするかなと。
団長:「ヘンリエッタ」は構成がむちゃくちゃですからね。
Kyrie:展開はすごく複雑だけど、基本的には4分の4ですからね。拍で遊ぶよりも、展開で遊ぶ感じで。演奏側はなかなか誰も覚えられなくて(笑)。
団長:メロディはそこまで難しくないんだけどね。
Kyrie:これGメロとかも出てきたんだっけ?
団長:そうそう。昔のFACTみたいな曲ですね。同じ展開が一度も出てこないという。
-あぁ、なるほど。
Kyrie:実は「Passion Play」(2016年リリースの配信限定シングル曲)の選考会で出した曲なんですよ。そのときに"やろう"という意見が強かったけど、僕的にはそのタイミングで自分が書いた曲をやるつもりがなくて、見送ったんです。でも、今回のアルバム制作でデモを聴き返したら、"やった方がいいんじゃない"って。歌詞も画が見えますからね。
団長:画が見えるというか、モデルがいるからね。
Kyrie:題材がはっきりあるからね。
団長:「キラー・クラウン」(2016年リリースのアルバム『Renovate』収録曲)の続編というか、シリーズですね。
-そうなんですね!
団長:実在する人間でシリアルキラーという。「キラー・クラウン」はジョン・ゲイシーがテーマだったけど、今回「ヘンリエッタ」で取り上げたヘンリー・リー・ルーカスはアメリカで一番人を殺していると言われる人物ですね。その人の母親はどうしようもない人で、"お前が女の子に生まれていたら、一緒に売春できたのに!"って。で、母親が無理矢理"ヘンリエッタ"というあだ名をつけたんですよ。テーマ的には一番重いですね。最近、シリアルキラー展にもちょくちょく行ってて。また後期が始まるんですけど、それにも行こうかなと。歌詞もケイオスな感じを出したかったから......。
-この曲はほかとは歌詞のテイストが違いますもんね。
団長:良くも悪くも浮いてるんですよね。それが5曲目にあることで、"ガリ"みたいな役割になるかなと。
-ガリ?
団長:お寿司のガリです。お口直しにいいかなと。
-お口直しにしては濃いですよ! それを経て、後半は明るく開けた曲も多いですね。
団長:「Tonight!」はNoGoD初のサビが全部英語ですからね。ただ、小学生でもわかる英語しか使ってません。なぜなら、私が小学生がわかる英語しかわからないから。
Kyrie:この曲はいろいろあったからね(笑)。
団長:ほんとは"シェケナベイベー"とか、古いロックンロールな英語を入れてたんですよ。そしたら、"シェケナベイベーはないだろう"と却下されました。
Kyrie:意味があってやるのはかっこいいけど、歌ってる人をイメージしたときに"きっとこの人(団長)じゃないよな"って。
団長:永ちゃん(矢沢永吉)、内田裕也さんなら許されるけどね(笑)。