INTERVIEW
D'ERLANGER × DIR EN GREY
2017.09.26UPDATE
2017年10月号掲載
D'ERLANGER:CIPHER(Gt)
DIR EN GREY:薫(Gt) Die(Gt)
インタビュアー:荒金 良介
-DieさんがD'ERLANGERの音楽に触れたのは?
Die:自分は知るのが遅くて、高校時代に先輩がコピー・バンドをやってて、それがD'ERLANGERだったんですよ。それからどハマりしました。ビジュアルしかり、音の雰囲気しかり、この人みたいになりたい! って。当時は解散してて、シーンにいない状況だったけど、BODY(※1992年にCIPHERとD'ERLANGER のドラムであるTetsuにより結成)というバンドでシーンに帰ってきてくれて、それからCRAZEと続いて、自分はずっと追い掛けてました。
-CIPHERさんのどこに一番惹かれて?
Die:鳴ってる音があるんですよね。切なさだったり、悲しさだったり、決して太陽のような感じではないけど、そこには熱い魂が宿ってて。周りを見渡してもそういうギタリストはいなかったから、そこに一番惹かれました。当時ビデオを観すぎてて、初めてライヴを観たときは、この人ほんまにおったんや! って思いました。当たり前なんですけどね(笑)。ちゃんと観るまでは信じられなくて、CRAZEで大阪に来たときに初めて観たのかな。ホール席なのにお客さんがみんな1階に降りて、ライヴハウス状態になってましたね。
-では、薫さんがD'ERLANGERを知ったのは?
薫:『LA VIE EN ROSE』(1989年リリースの1stアルバム)のころですね。日本のバンドを好きになって、いろいろ雑誌を買い始めたころ、インディーズだけど、CIPHERさんがカラー・ページの一面を飾ってたんですよ。ほかのメンバーは載ってなくて、ギタリストひとりだけ載ってる。なんじゃ、この人は! って。それでアルバムを買いました。曲は勢いがあるけど、すごくポップだなと。当時衝撃的だったのが、kyoさんとCIPHERさんがビデオの中でキスをしてて。メイクして、何かを表現する。そういう自分の中の扉が開いた気がしましたね。それを見て卑猥なことを想像するわけじゃなく、得体の知れない世界を知ってしまったみたいな(笑)。自分にも何かを表現したいというか、そういう部分があるんだなと。当時、D'ERLANGERは人がやってないような表現をやられていたから。いろんなギタリストがいますけど、CIPHERさんは別の次元にいるというか。色気があるのに、ビッとしてる。鋭い目つきだけど、口元はやらしいというか、ズルい人だなと(笑)。初めてのライヴは、映像を観ているような感覚でした。生身の人間がいるというより、作られた映画を観ているような感覚で、この人たちは何を考えて生きているのかなって。ほんとにこの世界に住んでる人たちなのかなと、不思議な感覚に陥りました。
-おふたりの感想を聞いて、CIPHERさんはどう思われますか?
CIPHER:いやいやいや(笑)。ふたりとは飲んだりするけど、こういう話はしないから、こっ恥ずかしいですよね。
-ちなみに飲んでるときに音楽の話は?
CIPHER:音楽の話するか?
薫:E-girlsは?
CIPHER:それはオンナの話やろ! 俺はE-girlsが大好きなんですよ。
Die:ははははは(笑)。
薫:居酒屋で有線が流れると、たまに昔の歌謡曲の話をしますけどね。それからMichael Schenkerの話になることもたまにあります。たまに、ですけど(笑)。
CIPHER:洋楽のあれが好きやねん! という話をすると、俺がなんも知らんと思って意外な反応をするんですよ。QUEENS OF THE STONE AGEが好きと言ったら、ビックリして。QUEENS OF THE STONE AGEのDave Grohl(FOO FIGHTERS / NIRVANA)が叩いてるアルバムは最高ですね。こないだもTシャツつきの限定盤(2017年8月リリースのアルバム『Villains』)を買いましたから。
-大好きですね(笑)。改めてCIPHERさんのルーツとなった音楽を聞いてもいいですか?
CIPHER:44MAGNUM(※CIPHERがローディーを務めていた)ですね。ギターのJIMMY(広瀬さとし)さんは俺の師匠で神です、以上! 今でも正座しないと電話できません。時代的にはジャパメタが流行っていて、そのころ先輩にもかわいがられていたから、先輩が流していた音楽を聴いてて......そのシチュエーションが良かったんですよ。入りは洋楽で、KISS、RAINBOW、SEX PISTOLS、ヤンキーやったから、永ちゃん(矢沢永吉)、横浜銀蝿、アナーキーみたいな。その中で僕は44MAGNUMに心を根こそぎ持っていかれました。44MAGNUMのライヴは何の予習もなく観たから、ハンパない衝撃でしたね。なんだ、このかっこいいバンドは! って。余韻もすごかったしね。
薫:自分は雑誌で(CIPHERさんが)BAUHAUSの名前を挙げている記事を読んで、聴き始めました。当時は情報が少なかったから、好きなアーティストがいいと言ってるものを聴いてましたからね。
CIPHER:BAUHAUSは大好きですね。『LA VIE EN ROSE』でデビューしたあたりは、そのへんに一番傾倒してました。それからDavid Bowieを聴いてね。あと、MÖTLEY CRÜE、HANOI ROCKSのデビュー作は衝撃的でしたね。ビジュアルを含めて、音のギラギラ感がすごくて。当時はお金がなかったから、彼女を呼び出して、俺がこっち買うから、片方はお前が買え! って。
一同:ははははは(笑)。
CIPHER:聴いてもいないのに、どっちも欲しくて。そしたら大当たりですよね。HANOI ROCKSはウチのヴォーカル(kyo)の神ですからね。