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INTERVIEW

the GazettE

2017.03.08UPDATE

2017年03月号掲載

the GazettE

Member:RUKI(Vo) 麗(Gt) 葵(Gt) REITA(Ba) 戒(Dr)

Interviewer:KAORU

-なるほど......。ラウドだと全体の音像的に、隙間がないように感じてしまってましたけど、実際はそうじゃないんですね。

麗:ラウドの場合は、少ないパート数で、いかに音を太くして空間を埋めるかっていうやり方なんです。だから、ひとつのパートのインパクトはでかいんだけど、バラードの場合は、本当に音数が多いし密集しちゃってるんですよ。なおかつ、空気感を出さなきゃいけない。そういう意味でも、"隙間"がないんです。

-なるほど、そういうことなんですね......とても勉強になるお話です。先ほどおっしゃっていた、空気感はとても気持ちよく感じました。

麗:でも、そこは悩んでた部分でもあったんですよ。タイトにした方がいいのか、エアーが多すぎるのか? とか。まずは多めにしておいて、あとから削った部分もありますし。かなり試行錯誤しましたね。

-再録するにあたって、REITAさんが意識した部分はどういうところでしょうか?

REITA:昔の曲を改めて聴くと、全体的な仕上がりを気にしてなかったなと思ったんです。ヴォーカルに"当たっちゃう"部分でも気にせず、自分が弾きたいように弾いてたなって思ったところもあったし。あと、昔はとにかくピッキングする回数が多かったんです。多くピッキングをしないと間が持たなかったんだと思うんですよね。だから今回はそういうものもなくしていきたいと思いました。でも、すべてにおいてシンプルにするっていうのは再録のパターンとしてありがちだし、自分の中で耳に残ってるフレーズは残す。でも、ピッキングは減らすとか。ドラムも減らしてる部分があるから、そこに合わせた部分もあります。

-特に「D.L.N」(Track.3)のベース・ソロを聴いて感じたのですが、REITAさんの中でアーティキュレーションが明瞭になったからフレージングが変わったのかなというか、全体像としての聞こえ方も原曲とは全然違っていて、とても印象的でした。

REITA:そうですね、そもそも弾き方も変えましたし。当時はベース・ソロもピックで弾いてたんですけど、今回は全部指で弾いていて、ソロは親指で叩くというやり方にしました。でも、派手にしたかったわけじゃなくて、ちょっとギラッとした部分を出しつつも渋いままにしたかった。だから人差し指で引っ張るような"パチン!"という音は出さずに、親指だけでやるという弾き方にしたんですよね。

葵:これは本当に感動しましたね。マスタリングのときに聴いて。

REITA:え!? そこで初めて聴いたの!?

葵:いやいや違うよ! そこに気づいたのがマスタリングのときだったの(笑)。あのタッチとか、本当に感動しました。ぜひみなさんにヘッドフォンで聴いてほしいです!

REITA:でも、まだヘッドフォンで聴いてないんでしょ(笑)?

葵:聴いてない(笑)。でも、マスタリングで聴いたから! それ以上いい音質ないよ(笑)!

REITA:なぜか握手したもんね(笑)。

葵:むっちゃいい音してた。

-素敵だなと思うところがたくさんありました。「PLEDGE」(Track.10)もニュアンスの変化を感じたのですが、メロディや音を変えたのでしょうか?

REITA:いや、使ってる音は変わってないんですけど、ピッキングとか微妙な拍とか、そういうところだけ変えました。

RUKI:俺の聴きどころは「体温」(Track.12/初回限定盤のみ収録)のベースのAメロかな。"キミ、伸びしろあるねー!"と思ったもん(笑)。

REITA:あれ、わざわざミックス中に録り直したからね(笑)。

-ドラムについては、どのようなことを意識しましたか?

戒:今回のドラムに関しては、"変えよう"というより"見直した"という感じです。最初にみんなでプリプロをしている段階で、フレーズを見直しながらエレドラで(ドラムの音を)録っちゃったんです。だから、アレンジに関してはあまり苦労を感じなかったんですけど。問題はそのあと、音の作り方の部分ですね。もう、麗君の家でずーっと試行錯誤しながら作っていきました。音を詰めていくときに、良くも悪くも、"被り"(※生ドラムで録音した場合、各々に立てたマイクが微妙に拾ってしまう他の打音)のある/ない問題があってですね、今回は被りなしでひとつひとつの音を詰めていくやり方だったからよかったですけど、これを生でやったと考えると、怖いなと思いました。

-原曲ではちょっと食い込み気味に聞こえたリズムが、再録バージョンでは少し後ノリになっていて、そこも気持ちよかったです。ちなみに、クオンタイズ機能(※データのタイミングを補正する機能)を使ったりもするんでしょうか?

葵:今回は使ってないよね。今回っていうと語弊があるかもだけど(笑)。

麗:いや、実際にかけなくて済んだんだからいいんじゃない? ほんとに、今回はクオンタイズをかける必要がまったくなかったんですよ。そのままです。