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INTERVIEW

GYZE

2017.03.16UPDATE

2017年03月号掲載

GYZE

メンバー:Ryoji(Gt/Vo)

インタビュアー:米沢 彰

-今作のリリースにあたって、レーベルも移籍しましたが、どういった経緯だったのでしょうか?

前作まではイタリアのCoroner Recordsなんですが、もう2作出したんで、サウンド・プロダクション含め、そろそろ変化をつけたいなと思ったんです。

-前作までのEttore Rigotti(DISARMONIA MUNDI)との協力関係も今作では解消ということでしょうか?

そうですね。今作はコラボレーションも特になく。ただ、友情関係っていうのは続いています。DISARMONIA MUNDIのヴォーカルのClaudio(Ravinale)の新しいバンドで、僕がゲストで1曲ギター弾いたりとか(※THE SILVERBLACKが2015年にリリースした2ndアルバム『The Grand Turmoil』に収録)。そういう関係性は継続してますね。

-いい形ですね。今作をざっと見たときに、"Upas(ウパシ:アイヌ語で雪)"、"Kamuy(カムイ:アイヌ語で神)"、"Horkew(ホルケウ:オオカミ、または狩の神)"などのアイヌ語が曲名に使われているのがまずは目につくのですが、このアイディアはどういった流れで出てきたのでしょうか?

2014年終わりくらいから、僕は北海道にいることが多くなっていて。曲は全部北海道にいるときに書いたものっていうのが今回の特色なんです。その中で、一番身近な文化だったりとか、そういう言葉を入れつつ、タイトルの中にも表現したいなっていうことで使わせてもらいました。

-なるほど。普通に英語と混ざって入ってるんで、よく見ないと気づかないですよね。

そうですね(笑)。"なんて読むんだろう?"っていう感じにはなると思うんですけど。

-面白いですね。そのあたりも含めて、タイトルの"Northern Hell Song"のNorthernは北海道ということになりますか?

まぁ、東京というか日本の他の地域から見れば、もちろん北海道のことですね。北の雰囲気と雪の雰囲気と大自然と......っていうのが北海道の特色だと思うんですよ。面白い話があって、津軽海峡を境に"ブラキストン線"っていう生物の種類を区切る線があるんです。そういうのも含め、独特なカルチャーっていうか、動植物もすべてが違うんですよ。そういう特色を表現するにあたって、"Northern"っていう言葉を使ったっていうのはありますね。

-なるほど。全体の雰囲気からは、北欧っぽさも入ってるなと思ったんですが。

もともと、この手の音楽はヨーロッパ生まれのものが多いと思うんですけど、もしかしたら、そういうメロディの使い方の寒々しい感じが今回は強いかもしれなくて。ただ、メロディをよく聴いてみると、わりと昭和歌謡的だったりとか、従来のGYZEの要素だったりとかも強く出ていると自分では思っているんですよね。

-GYZEらしさも、もちろん強いと思いました。

もしかしたら、ミックスがフィンランド人だからって可能性もありますね(笑)。

-あぁ、それは大きいかもしれないですね。

それもありますよね。

-全体的な音色の雰囲気から、フィンランド/スウェーデンのノリを感じました。

それはミックスができあがったときに、よりいっそう強く感じましたね。メロディも、日本らしさと共に、その寒々しさも混ざってる感じで。地球儀を見たときに、北海道のポジションらしいメロディになったんじゃないかって思ってます。

-音の雰囲気が、日本海的なボテッとした重さの雪と、北海道とか北欧のサラッとした雪のどちらかっていうと後者の側かなって感じもしました。

キラキラした感じで。雪の質って地域によって違うんですよね。今作を作るにあたって雪のこともいろいろ調べたんですけど、北欧よりも北海道の方が雪って多いんですよ。世界的に見て、10万人以上人が住んでて積雪量が一番多い都市って、青森と北海道なんです。あのへんって、ロシアから入って来た空気が日本海を越えることによって、とりわけ雪が多くなるんです。

-そうなんですね。なぜかさっきから地理的な話がいろいろ出てきてますけど、面白いですね(笑)。曲についてですが、アルバムの幕明けとなる疾走感バリバリの「Pirates Of Upas」(Track.1)はイントロのメロディが無性に耳に残るなと思いました。

まさにオープニング・トラックっぽいし、なおかつ従来のGYZEのフィーリングも残っているので、進化したGYZEが一瞬でわかるメロディでもあると思うんですよ。あとは、"Pirates=海賊"っていうのがパッとわかるメロディでもあるなと思っていて。実はいろいろ工夫もしてて、あのメロディの裏にはブラスの楽器類の音を混ぜることによって、勇ましさを印象づけるようなアレンジを加えてるんです。それでいてサビが歌謡曲チックというか、複雑すぎないし、1曲目らしい曲で。曲の内容も、僕らはファンありきで活動してるっていう自負があるんですけど、そのファンも含め同じ船に乗ってるんだっていう気持ちを伝えたいというのがあったんですよ。実際、ファンの方々のコーラスもこの曲に入ってたり。

-ファンの方の?

そうです。東京と札幌でイベントを行ったときに、公開レコーディングという形で、ファンの人たちの声を収録したんですよ。ちょうど昨年がGYZEになってから5周年だったので。まず東京で、「Pirates Of Upas」とタイトル・トラックの掛け声を収録して、で、札幌では別の曲を収録して。今回は、いつもファンありきだったいうことも伝えたくて、それを入れたかったっていうことです。

-そういうことも含め、まず1曲目に持ってくるために作った曲ということでしょうか?

いや、曲順に関しては後々だった気がするんですよね。一番古い曲は別の曲だったと思うので。

-なるほど。でも、ほんとに先ほどの話どおりで、曲展開とかメロ裏のギター・フレーズの入れ方とか、これまでのGYZEの流れの延長にきれいにハマる曲ですよね。

イントロだけ聴いたら北欧っぽさもあるのかもしれないけど、サビですごく歌謡曲というか、すごく歌いやすいメロディになっているので。まさにGYZEらしい曲だなっていうのは、自分でも思います。

-続く「Horkew」(Track.2)、「Dead Bone Blue」(Track.3)はシンセの使い方で北欧っぽさが強くなってる気がしました。

目立っているのはたぶん、チェンバロの音ですね。

-生で録ってるんですか?

あれは、自分のサンプリングからなんですけど、自分で弾いてますね。

-前作までの雰囲気からの違いがすごく出てるなと感じました。

「Horkew」に関しては、ど頭から"キター!"っていうような疾走感で。実際、タイトルの"Horkew"っていうのはアイヌ語で"狩の神/オオカミの神"っていう使われ方をしてるみたいなんです。なおかつ、往年の70、80年代からのHR/HMっていう血もちゃんと残っているようなアレンジになっているので。すごくライヴが楽しみな曲ですね。

-そのオオカミのモチーフってすごく北欧っぽいイメージがあります。

北海道にも昔、エゾオオカミっていうのがいたみたいなんですよ。もう絶滅しちゃったんですけど。曲作りに加えてそういう歴史的なことを調べるのも好きで。それは、北海道に限らず、いろんな土地でいろんなことを調べてますね。