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INTERVIEW

KEMURI

2014.03.07UPDATE

2014年03月号掲載

KEMURI

Member:伊藤 ふみお(Vo) 津田 紀昭(Ba) 平谷 庄至(Dr) コバヤシ ケン(Sax) 田中‘T’幸彦(Gt)

Interviewer:吉羽 さおり

2012年の"AIR JAM 2012"で復活を遂げ、翌年ニュー・アルバム『ALL FOR THIS!』をリリースし、KEMURI節たるポジティヴで強力なスカ・パンクをシーンへ投下した5人。2014年は、KEMURI初のカヴァー・アルバム『KEMURIFIED』で幕を開ける。ルーツ的なTHE POLICEやMADNESSなどの英国バンドから、西海岸メロコアからメタルの名曲たちを、痛快なライヴ・アンセムへとカヴァー。バンドも楽しげにプレイしているのが伝わる1枚となった。コロラドにあるBill Stevenson(ALL、DESCENDENTS)所有スタジオでという、馴染みある場所でのレコーディングではあったものの、いつもとは違った試みができたのもカヴァー作ならでは。ぜひ、その"遊び"を感じてほしい。

-初のカヴァー・アルバムとなりますが、今回なぜカヴァー作を作ろうという話になったんでしょうか。

伊藤:5年間、解散して離れ離れになっていた時期があって、その分の何もやってなかった分を取り戻すというか(笑)。

平谷:はははは。

伊藤:働いてる感をね(笑)。バンド活動してる感をやっぱり出したいと。それには、作品を出すことがいちばんじゃないかなと思っていて。『ALL FOR THIS!』のときもそうだけど、みんな頑張って曲を書いていたし。オリジナル曲も、もちろん出すことは不可能ではなかったんですけど、やっぱりなにか面白いことをやりたいなと。で、やったことなかったのが、カヴァー・アルバムで。こういうスカ・パンクとか、パンク、メロコア系のバンドは、アルバムに1曲か2曲くらいカヴァー曲が入っていたりとかが、古今東西多かった気がするんだけど。KEMURIって、そういうのをほとんどやったことがなくて。それなら、どうせ出すならアルバムにカヴァー曲を入れるんじゃなくて、カヴァー・アルバムという形でしっかりしたものを出したらどうかっていう話をしたんですね。

-これまでカヴァーをしなかったのには、何かこだわりがあったんですか。

津田:とくに深い意味はないんですよ(笑)。一応、最初の頃は何曲かやったよね?まだ音源を出す前は、当時のスカ・パンク、スカコアのカヴァーをしたりしたんですけど。なんだろうね、持ち曲がいっぱいあったからかな。

伊藤:バンドのメンバーが今も昔も結構曲を書くので。メンバーの持ってきた曲で、だいたいアルバム1枚くらいはできるんですよね。そうしたときに、カヴァー曲を入れるから誰かの曲を入れないよっていうのも、どうなのかなっていうのがあって(笑)。それであまりやらなかったと思うし。だからいつの日からか、カヴァーというのが遠い存在になって。

-では今回、新たに取り組んだことで楽しめたという面は大きいですか。

伊藤:そうですね。僕が楽しめたのは、曲って時空を超えるというか。その曲を初めて聴いたときの気分になれたっていう。当時は、家で、カセットやレコードだったし、いちいちこうね、レコードを曲のところに針を戻して、何回も曲を聴いていたのを思い出した。初心に戻る、というほど堅いことじゃないですけど、その感覚が面白かった。みんな多かれ少なかれそういうのがあるんじゃないかな。

-選曲が、80年代、90年代中心になっていますよね。しかも、パンクが好きな子たちが、バンド名を聴くだけでも沸いてしまうくらいのものや、キャッチーな曲が並んでいます。選曲の基準っていうのは、なにかあったんですか。

津田:メンバーそれぞれ、やりたい曲を持ち寄って。

平谷:うん、ホワイトボードにね。

伊藤:バーっと書いていったんですよ。果たして全部書いたのに意味があったのかなくらい、その中のほんの一部しかやってないですけど(笑)。基準としてはね、すごいかっこいいけど誰も知らないような曲をやっても、しょうがない。イメージ的にはDJをやっていて"おー!この曲好きなんだよ"って、酒飲んでいたようなやつが踊りにくるみたいな感覚で。そういうふうに、ツアーとかライヴができればいいなと思っているんですよね。もちろん、SKANKIN' PICKLEとかマニアックな曲もあるんですけど。俺たちパンク・ロック詳しいんだよっていうのじゃなくて、もうちょっと広いものにしたかったですね。