DISC REVIEW
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1995年の結成から、変わらず国内スカ・パンク・シーンを常にリードしてきた、KEMURI。昨年は、コロナ禍に加え、長きにわたってバンドを支えたメンバーの平谷庄至(Dr)、コバヤシケン(Sax)、河村光博(Tp)がバンドを卒業するという、つらい時期を過ごした彼らだが、そんな困難な状況から見事に立ち上がった姿をこのニュー・シングルで見せてくれた。冒頭のシンガロングから気合十分、そして疾走感のあるパートとゆったり乗れるパートの緩急もあり、3分弱というコンパクトな楽曲の中に物語を感じさせる仕上がりだ。解散、再結成を経てもファンが離れるどころか、新世代のキッズも魅了してきた彼らが、さらなる困難を乗り越え、より強固なPMA(ポジティヴ・メンタル・アティテュード)を示してくれた。 山本 真由