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INTERVIEW

BULLET FOR MY VALENTINE

2013.02.08UPDATE

2013年02月号掲載

BULLET FOR MY VALENTINE

Member:Matt Tuck (Vo/Gt)

Interviewer:ムラオカ

-「Dead To The World」の曲展開は非常にドラマティックで静動のふり幅がありますね。個人的にも非常に気に入っています。収録曲を代表して、この曲ができていく過程とどのようなストーリーなのかを教えていただけますか?

この曲は以前から温めていたクリーンなギター・リフから生まれたんだ。オレとMooseとDonの3人でスタジオ入りをしていたときに、ギター・パートをいくつか弾いていたんだ。そこから曲を作り上げていったんだけど、この曲に関しては相当手こずったし、時間がかかった。いろんなパートが複雑に入り乱れているから、曲の真髄を掴むまでに時間がかかったんだよ。ダークな静けさを出すのが大変だったし、全体的に苦労したね。実はアルバムに収録されているのは2テイク目なんだ。最初に出来上がった曲を聴き直したときに、これじゃあ使えないと思い、新たに作り直した。オールド・スクール・メタル的なヴァイブを狙ったんだ。アルバムはさっきも言ったように、全体的にグルーヴが基盤になっている中、この曲は唯一、トラディショナル・テイストに仕上げた。この曲が注目されるのは静であるヴァース・パート......つまりシンプルなヴォーカルに対してアウトロが派手でドラマティックな展開になっているからじゃないかな。そこがどうもこの曲がウケるポイントだとオレはみた。

-1stアルバムに収録されていた「Tears Don't Fall」のパート2(「Tears Don't Fall Part2」)には驚かされました。メロディや曲展開にも「Tears Don't Fall」を踏襲したものが多いですね。このアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?

Mooseとの会話からこの曲のアイデアが生まれた。オンラインでよくリクエストを受けるんだよ。"Tearsみたいな曲をまた頼むよ"とかさ、自分の聴きたい感じの曲のリクエストをされる。特にアルバム制作中はね。そこでFacebookで"BFMVの曲に続編を書くとしたらどの曲が良いかな?"ってファンに投げかけてみた結果、「Tears Don't Fall」に決まったんだ。わずか数分の間に何万と言う投稿が入ってきたよ。いろんな意見があったし、「Scream Aim Fire」という声も多かったけど「Tears Don't Fall」のリクエストが圧倒的に多かった。次の朝にはスタジオ入りして曲作りに入り、最終的に「Tears Don't Fall Part 2」が出来上がったんだ。

-また、歌詞は「Tears Don't Fall」の続編のようなものでしょうか?

そうだね。歌詞は「Tears Don't Fall」を更に直球にした感じ。"Obsession(妄想)"や"Rejection(拒絶)"など、インパクトの強い言葉が使われている。「Tears Don't Fall」は元々はそういう内容だったんだけれど、表現が曖昧だった。パート2では「Tears Don't Fall」の本来の意図を明確に表している。原曲では比喩的な表現をして、いろんな解釈ができる言い回しにしたけれど、今回はサビの部分ではっきりと何について歌っているかを示しているよ。

-この曲や「Dead To The World」、「Riot」をはじめ、随所にテクニカルなギター・ソロが散りばめられており、"ソングライティング自体にフォーカスした"とあなたがおっしゃっていた前作より、テクニカルな側面が増えたかなと感じたのですが、作り手側の意識としてはいかがですか?

無意識のうちにそうなったんだよ。実は今作ではテクニカルな側面を更に減らすつもりでいたし、実際にそうなったと思っている。聴いただけではそれがわかりにくいというのが、またこのアルバムの良さなんだけどね。でも実際に演奏すると、シンプルだからヴォーカルが映えるんだ。曲の基礎が出来上がったところでPadgeに預けたから、曲がテクニカルに聴こえるのはパッジの業だね。確かに今作の彼のギター・ソロはこれまでにないぐらいテクニカルになっている。楽曲そのものは今まで手掛けた作品の中で最もシンプルで、それにPadgeの圧倒させるほどのテクニカルなギター・ソロが加わると、驚くほどのビッグ・サウンドが生まれる。ヴォーカルを引き立たせるためにオレとMooseはシンプルな曲作りをしていたけれど、Padgeは今までの倍以上に技術的な要素を取り入れた。そのシンプルと複雑な要素の対比は、良い意味でわかりやすい曲作りになっているし、今作でPadgeのソロは今までの演奏をとは比べ物にならないほど素晴らしいし、曲にメチャクチャマッチしているよね。

-AXEWOUNDでの活動が刺激となり、このアルバム制作に影響を与えた点はありますでしょうか?

あぁ、確かにAXEWOUNDの制作は今作に影響を与えたね。AXEWOUNDではプリプロ期間を設けずにいきなりレコーディングに入ったんけど、それがオレにとっては初めての経験だったから、すごくエキサイティングだったんだよ。通常はリハーサルをやって、デモを録って、時間があればジャムってプリプロに入ってからレコーディングに挑む。でもそれって時間も金もすごくかかる、退屈なプロセスなんだ。でも、AXEWOUNDの制作方法を体験し、完成した作品を聴いて目からウロコ的な発見だった。オレはこれまでにアルバムを5枚リリースして、曲作りやレコーディングはお手の物だったはずだけど、不必要なことはやらなくていいって初めて気づき、レコード会社にその旨を伝えたんだ。何人かに"本当にいいのか?"って念を押されたけど、"もちろんだよ"と答えた。レコーディング費用は半額に抑えられるし、製作期間は短縮できるし、レコーディング・プロセスが刺激的になるんだ。AXEWOUNDのレコーディングは本当にエキサイティングだったから、今作のレコーディングはAXEWOUND流にレコーディングすることにした。

-レーベルから見せていただいたアルバム・ジャケットですが、赤いジャケットに赤でロゴがあるだけのシンプルなものでしたが、それが正式なジャケット・デザインでしょうか?

あれは『Temper Temper』のiTunes等用に作ったイメージだ。アルバム・ジャケットではないよ。iTunes用に曲に付けるためのシンプルなビジュアルに過ぎない。シングル・カバーとも言えない。印刷物には使われることはないだろう。実際のアルバム・カバーは、またまたオレたちが今まで出してきたものとは大幅に違う。ジャケットに関しては多く語れないけれど、今までとは全く違う、かなりインパクトのあるビジュアルになる。とにかく今までのアルバム・カバーとは全く違うよ。

-あなたがたは過去に5度の来日を果たしてくれています。リリース後のツアーには日本公演も含まれているのでしょうか?

もちろん、いずれはまた日本へ行くさ。いつ頃のタイミングになるかはまだ決まっていないけれど、今作のツアーでは絶対に行くよ。まだ決定していないからなんとも言えないんだけど、今作だけでも2回ぐらいは行きたいな。でもオレたちはいつだって日本に行くことを楽しみにしているんだ。

-最後に日本にいるたくさんのあなたがたのファンにメッセージをお願いします。

みんな、今まで応援してくれて本当にありがとう。新作は最高の出来だから君たちも絶対に楽しめる内容になっている。2013年にはアルバムのプロモーションのために必ず日本へ行く。詳細はまだ決まっていないけれど、絶対に来日は果たすから待っていてくれ。