INTERVIEW
OUTRAGE
2010.11.09UPDATE
2010年11月号掲載
Member:丹下眞也(Dr)
Interviewer:TETU★KID
-DEEP FIGHTERSのコーラスのレコーディングはどのような雰囲気でしたか?
笑える話がありまして、コーラスのレコーディングをする際にDEEP代表の佐伯繁さんがみんなに電話をして地図の場所に集合だと言ったんです。普通何処かに集合しろと言われれば練習や、記者会見があるのかと思うじゃないですか?でも何も言わず、のど飴だけ持って来いと伝えたそうです。DEEP FIGHTERSの皆さんは何があるのか知らないままスタジオに来たんですね。そこでまさか歌わされるとは夢にも思っていなかったでしょうね。格闘技の方々なんで歌を歌うことなんてあまり無いじゃないですか。だからやっぱり歌うぞって言うと来ない人もいるだろうという代表の判断で、詳細は伝えずに呼び出したそうなんです。
-なるほど。ということは練習無しですよね?
もちろんそうです。だから最初はやはり戸惑いますよね。スタジオで歌ったことも無いでしょうし。だからリズムの取り方を教えてその場で練習を重ねて、本番を迎えました。正直皆さんかなり焦っていました。本当に歌うのかと(笑)快く参加していただいて良かったなと思いました。
-今後DEEPとの展開も考えられるんじゃないですか?
ANNIHILATEというDEEPとのコラボレーション・ライヴが来春渋谷AXにて決定しています。詳細は近日発表なので楽しみにしておいてください。
-丹下さん自身格闘技は良くご覧になられるのでしょうか?
詳しくは無いのですが、松井大二郎という選手がいまして、彼が元々岡山出身で彼が中学生の時にお兄さんに連れられて岡山のライヴ・ハウスにOUTRAGEを観に来ました。それこそ20年以上前の話ですが、その当時松井君はメタルも好きだけど将来は格闘技の道に進みたいと夢を語っていたんですね。10年経って彼が僕たちの曲で入場するようになって、その繋がりで試合を見に行ったりとかはしていました。格闘技は詳しくは無いのですがあのスリリングな感じだったりとかはロック的ですよね。
-なるほど。
更に言うとDEEPのリング・ドクターの方がOUTRAGEの20周年のライヴを観に来てくれたんです。その時は橋本直樹がゲストで出演していまして、ライヴが終わってすぐにメールが来てすごい良かったと言ってくれたんです。その方は4人編成の時のファンで、久しぶりにこの4人でのOUTRAGEを観て、熱いものを感じてくれたようでした。もし橋本直樹が引き続きやってくれるなら、何らかの形でお互いに協力しあってお互いの世界を盛り上げていくことができないかと言ってくれたんです。それが事の発端で、今こういう形でコラボすることが出来たんです。結局3年くらい掛かってしまいましたが本当に嬉しいです。一つの作品を作り上げることができたというのは格別な思いがありますね。
-12月13日には地元・名古屋アポロシアターの10周年イベントに10-FEETと共に出演しますね。
そうなんです。10-FEETとOUTRAGEは全然違うジャンルのバンドですがTAKUMA君は元々メタル・ファンじゃないですか。高校生の頃にOUTRAGEのコピーもしてくれていたみたいなんですね。それはインタビューを読んでいて知っていたので、一度お会いしたいと思っていたんです。3人編成の時に一度ライヴを一緒にやったことがあったんですが、今回4人編成でライヴをするのは初めてなんですよね。あと、10-FEETとの繋がりといえばMETALLICAのトリヴュート・アルバム『METAL-IKKA~メタル一家』にTAKUMA君から声を掛けてくれて参加したこともありました。今回は4人編成で対バンできて、しかもOUTRAGEの地元の名古屋アポロシアターでのライヴということもあって非常に楽しみなんですよね。
-このメンツでこのキャパというのは中々無いですよね?酸欠になるのは必至だと思うのですが。
そうですよね。確実にパンパンだと思いますね。このライヴはどちらのファンにとってもかなり刺激的なライヴになると思います。僕も何度か10-FEETのライヴに行かせてもらっていますが、やっぱり僕から観ると本当に若々しく楽しい、和気あいあいとしたライヴをやっていて、いい雰囲気だと思うんですね。でもOUTRAGEにはOUTRAGEの雰囲気があるし、それをお互いのファンに知ってもらってこんな世界もあるんだと知ってもらいたいという気持ちもありますね。どっちも良いなと思ってもらえたら嬉しいですね。そうしたら今後いろんなバンドと対バンをするきっかけにもなると思いますし。お互いのバンド同士はリスペクトし合っているわけですから、ファンの人たちにも判ってもらうチャンスになればと思います。
-OUTRAGEの今後の活動の予定を教えてください。
そうですね。とりあえず曲をどんどん作っていこうかと思っています。ようやくそういう風に思えるようになって来ました。やっぱり心から突き動かされるものがないと進まないバンドだし、事務的に何月何日リリースだからよろしくって言われて動くバンドでもないので。今年はライヴを全国回らせてもらって、アルバム『OUTRAGE』の一連の動きは自分たちの中で一区切りつきました。次に向けて動く準備はできているという感じですね。とはいうもののライヴも続けて行きたいので、ライヴと制作を平行しながら進めて行こうと思っています。
-これからもOUTRAGEの地元・名古屋をそして日本のヘヴィ・メタル・シーンを盛り上げて行って下さい!
ありがとうございます。今回の色々な企画は地元というキーワードで自然に繋がったのが非常に面白いなと思うんですね。DEEP代表の佐伯繁さんも名古屋の出身なんですよ。
事の発端がお金やレコード会社の思惑ではなく、すべて自分たちの意思で自然に繋がったものが、作品になったり、企画になったりするというのは単純に面白い。自分たちもそういう風に進んでいきたいですね。
さっきも言ったようにいつまでに作品を作れって言われてできるバンドではないんで、やりたいと思ったことはちゃんと実現しなかったらやっぱり面白くないですよね。やりたいと思ったことを一つ一つを実現させていけば、いろんな物が自然に湧き上がって来るんじゃないかなと思います。その自然に湧き上がって来るパワーというものを信用したいというか、そういう気持ちはありますね。特に気負わずに自然のパワーを信じてやっていけば変に頑張らなくてもちゃんとそれが実現していくんだなと思うんです。実際にこの企画を形にするには3年くらい掛かってしまいましたが、その3年というのは特に何かに向かってバタバタやっていた訳ではないんです。このタイミングでスッと実現することができたということは、偶然ではあると思いますが逆にそこに向かってちょっとずつタイミングが動いてきたということだと思います。OUTRAGEはそういう生き方のバンドなんだと思いますね。そういう所を映画の方でも観てもらえると嬉しく思います。