DISC REVIEW
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時代の移り変わりなどはどこ吹く風、ロックンロールの楽しさ、素晴らしさを体現し続けるアメリカを代表するロック・バンドのBUCKCHERRYが約2年ぶりに最新作『Vol. 10』をリリース。タイトルで高らかに宣言しているように、記念すべき通算10枚目のアルバムとなった本作には彼ららしいグラマラスでキャッチーなロック・ナンバーはもちろん、ストリングスやピアノが効果的に使われた痛切なエモーションが心を揺さぶるロック・バラード「Pain」やツイン・リードのハーモニーが新鮮な「With You」に、本人がDEF LEPPARDの「Hysteria」を意識したという「Feels Like Love」など、バラエティ豊かな楽曲がずらりと並び、10枚目という節目に相応しい出来栄えとなっている。ベテランらしい貫禄と、愚直なロックンローラーとしての矜持を見せる痛快な1枚だ。 井上 光一