DISC REVIEW
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世界的なパンデミックの中で制作された、BUCKCHERRYの約2年ぶりとなるオリジナル・アルバム。かねてより交流の深いMarti Frederiksenをプロデューサーに迎えた本作は、カウントダウンから荒々しく疾走するTrack.1で口火を切り、バウンスしたリフに享楽的な歌詞が高揚感をもたらすTrack.2、"ロックンロールに魂を売った"初ライヴの日を歌ったTrack.3と、彼ららしい痛快でセクシーなサウンドを叩きつける。他方で滋味溢れるブルージーなTrack.4、8や、ピアノも用いたセンチメンタルなバラードのTrack.9など、普遍的なロックンロールの魅力も詰め込んだ、バランスのいい構成に仕上がっている。ネガティヴなムードを吹き飛ばすような、今まさに聴きたい快作だ。 菅谷 透