DISC REVIEW
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現代ヘヴィ・ミュージック・シーンの最前線に立ち続けるLAMB OF GODが、世界的なパンデミックの真っ只中で作り上げた最新アルバム。泣く子も黙る咆哮と獰猛極まりないヘヴィ・グルーヴ、といった容赦なきLAMB OF GOD節はまさに王者の風格を漂わせ、新旧のファンを満足させるものではあるが、「Denial Mechanism」で明確に示されたハードコア・パンク由来の攻撃性や、ラストを飾る6分の大作「September Song」における、練り上げられたドラマチックな楽曲構成などは、彼らが今も進化し続けているからこそ成し得たものであろう。アルバム全体を支配する非常に生々しい音像は、メンバーが同じスタジオに集まって一斉にレコーディングしたという背景はもちろん、現代社会への純然たる怒りの賜物である。2022年という時代に本作のようなアルバムが生まれたのは、紛れもない必然の結果なのだ。井上 光一