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INTERVIEW

LAMB OF GOD

2026.03.13UPDATE

2026年03月号掲載

LAMB OF GOD

Member:John Campbell(Ba)

Interviewer:Interviewer:菅谷 透 Translator:安江 幸子

LAMB OF GODが、通算10作目となるニュー・アルバム『Into Oblivion』を完成させた。前作『Omens』から約3半年ぶりのリリースとなる本作は、原点回帰的な要素を織り交ぜながらも、表現の幅を存分に発揮した攻撃的且つ多彩なサウンドだ。日本盤ボーナス・トラックとして収録されたBLACK SABBATH「Children Of The Grave」のカバーや、メタル史に残るイベントとなった"Back To The Beginning"でのエピソード、再来日への思いまで、ベーシストのJohn Campbellがたっぷりと語ってくれた。

-ニュー・アルバム『Into Oblivion』がリリースとなります。今の心境を教えていただけますか?

最高の気分だよ! 試験を受けようとしているときにどんな問題が出るか全部分かっていて準備万端、そんなファンタスティックな気分だ。俺はこのアルバムを心から気に入っているからね。俺たちは素晴らしい曲のコレクションを作ることができたと思っている。俺の仕事は完了だ。あとはこれを引っ提げて世界に出ていって、みんなのために演奏するんだ。――というわけで、今の心境はといえば最高だ。この道は何度も通ったことがある。不安で堪らなかった時期もあったよ。"頼む、みんな聴いてくれ!"みたいに必死でさ(笑)。でも今は"俺たちにはすごくクールなアルバムがある。やがてみんなが聴くことになるだろう。どう思ってくれるか様子を見よう"という感じで落ち着いていて、深呼吸してリラックスして......自宅で家族と過ごして、ノーマルな生活を送っているんだ。そのうちロックンロール・トルネードがやってきて、それに呑み込まれることになるからね(笑)。

-"Into Oblivion"というタイトルや、アルバムに関するテーマや由来を教えてください。タイトル曲も収録されていますが、曲とタイトルどちらが先なのでしょうか?

いつも曲が先なんだ。それから歌詞、テーマ......という感じにできあがっていく。"Into Oblivion(忘却の中へ)"というのは俺たちがかねてから取り上げてきたテーマで、"humanity(人間性、人間らしさ/人類)"がだんだん忘却の中に行ってしまうということなんだ。永遠という無意味......無そのものの中にね。突き詰めるとそんな感じかな。世界中で起こっていることに対する不満とか......(忘却の中へ入る)そのときがやってきたら"ようこそ、さぁ行こう"という感じだ(笑)。

-レコーディングはMark Morton(Gt)のスタジオだけでなく、Randy Blythe(Vo)はDESCENDENTS等伝説的なパンク・バンドがアルバムを制作した"Total Access Recording"でも行われたそうですね。どのような経緯があったのでしょうか?

何かクールな理由があればいいんだけど(苦笑)、実際は単にそれぞれのスケジュールに合うようにしたらそうなっただけなんだ(笑)。Randyの使ったスタジオは、きっとJosh (Josh Wilbur/プロデューサー)が知っていたんだろうな。"Randy、ここが空いているぞ"なんて言って、あいつが"なんてこった! ぜひ使おう!"と即決したのが想像できるよ(笑)。実際は現実的な事情で――俺たちが長い間リハーサルに使っていたすごくいいスポットがあって、そこでトラッキングもしようとしていたんだ。そこでやったほうがずっとレイドバックな感じで心地よくできたんだろうけど、Randyにとっては......あいつはもっとヴァイブ重視というか。みんなバラバラのところで録音したのは"そうできたから"というか、個々のスケジュールに合わせていたらそうなった形だね。まぁ、こういう形でレコーディングしたのは初めてじゃないんだけどね。ただ、前にロサンゼルスでトラッキングしたときは、1つの部屋に集まることにこだわった。あれはあれで格別な経験だったよ。それと、最終版のレコーディング・スタジオに入る前にはずっと同じ部屋に集まって曲の構成に取り組んでいた。

-それもあって、レコーディングを個別に行ったにもかかわらず、一体感のある作品になっているのですね。

まぁね(笑)。というか俺たちは1994年からこのバンドをやっているし、こうやって芸術作品を一緒に作り続けることができていることに感謝の念を持っているんだ。しかもなかなか得意ときている。そして全員が最新作の『Into Oblivion』に誇りを持っているんだ。

-ここ2作ではミドル・テンポのヘヴィな楽曲が多いように感じていたのですが、今作ではファストなビートも取り入れつつ、より攻撃的なサウンドになっている印象を受けました。楽曲制作はどのようなことを意識したのでしょうか?

単に、そのときクールに聞こえたものにこだわっただけだと思うね。俺たちはクールなノイズを作ることを長年やってきた。ただ、意識的な決断はいくつかあったね。例えばこのアルバムの収録曲の多くは、チューニングがドロップDなんだ。もともと俺たちはそのチューニングでやっていたのが、どんどん低音にチューニングしていく傾向があった。でも今回は半分くらいの曲がドロップDになっている。そうするとちょっと感触が変わるんだよね。昔俺たちがやっていたのに似ている。それから、昔のスタイルを彷彿させるものもやった。例えば「Sepsis」という曲はリッチモンド(米ヴァージニア州)の音楽シーンへのオマージュだったりする。(バンドが台頭してきていた)当時のリッチモンドで流行っていた音楽に通ずるものがあるんだ。そういったものは、今回意識的に取り入れたよ。

-前作『Omens』(2022年リリース)から約4年ぶりのリリースと長いブランクがありましたが、制作プロセスが長期化したのでしょうか? それとも他にいろんなことがあったのでしょうか。

いや、そういうふうに人生が流れたという感じかな。俺たちもこの生業が長くなってきて、自分たち自身のスケジュールの主導権を前より上手く握れるようになってきたんだ。自分たちの音楽をプロモーションするためにツアーに出ていると、自分の家のいろんなことが恋しくなってくる。それで今回はもう少し長い時間を家で過ごせるようにしたんだ。ツアーというマシーンを再起動させる前に、家族と少しは過ごさないといけないからね。

-Markはソロ・アルバム(2025年リリースの『Without The Pain』)を出し、Randyも自分の本(2025年発売の"Just Beyond the Light. Making Peace with the Wars. Inside Our Head")を出しましたね。それもあって遅くなったのでしょうか。

それもあるね。俺たちみんな忙しいから。それぞれバンド以上に活動がある。長い間音楽を生業にしてきて気付いたことの一つに、ファンも一般の人たちの多くは、俺たちが全員1軒の家に住んでいると思っているかもしれないっていうのがあるんだ。朝ご飯もディナーも全員一緒に食べて......バンドが俺たち5人の存在を消費しているような感じでね。たしかにバンドは俺たちの生活の大きな部分を占めているけど、俺たちにはそれぞれ、それ以外の部分も持っているんだ。Randyはもうずいぶん長い間執筆活動をしているし、MarkもLAMB OF GOD以外のところで曲を書くことに興味を持っていて、そう表明している。そんな感じで、どうして以前より時間が空いたかというと、それは一息入れて少し他のことをやったり、ちょっとの間"普通の人"になったりする機会を自分たちに与えるためだったってことだね(笑)。

-ロック・スターとしてだけじゃなくて、個人としての時間も大切ですよね。

そうだ(笑)! というか、どんな立場の人にとっても大切なことだと思うよ。俺たちは1994年以来このバンドをやっていて、ハードに活動している。それは俺たちの人生の一部であって、そのことに感謝しているよ。ただ、バランスを見いださないといけないってことだね。

-大事なことですね。バランスがあればこそバンドも続くのだと思いますし。

まぁ、俺たちは本当にラッキーだと思うよ。初期は本当にゼロ・バランスだったからね(苦笑)。歳を重ねて少し賢くなって、生活への姿勢を変えることにしたんだ。素晴らしい学びを得ているよ。

-ドラマーのArt Cruzは今回が3作目の参加になります。リズム隊を組むご自身から見て、彼のプレイをどのように感じていますか?

ArtはLAMB OF GODを聴いてドラムを叩きながら育ってきた。つまりあいつのプレイは俺たちの影響を受けているということだ。とはいってもあいつは育ってきた環境が違うからフィーリングも違う。ヴァイブもグルーヴもソウルも違う。そこがファンタスティックなところなんだ。アイツは西海岸出身だし、文化的なバックグラウンドも違うしね。俺たちは東海岸出身でヨーロッパ人の子孫だけど、あいつは西海岸出身のメキシコ系アメリカ人だ。あいつがもたらしてくれるヴァイブは俺たちが持っていたものとは違うけど、似た者同士ではあるんだ。共通点がすごく多い上で、お互いの違いをありがたいと思っている。一緒に活動する相手として最高だよ。あいつはファンタスティックだ。あいつのエネルギーがバンドに力を与えてくれる。このアルバムの中であいつはLAMB OF GODの歴代ドラマーみたいにではなく、Art Cruzらしくドラムを叩いてくれている。自分らしさを出せるようになってきているんじゃないかな。それまではきっと彼等の陰にいるような気がしていただろうけどね。......というのは俺があいつになり代わって言っているだけで、本当はどう思っているのかは本人に聞いてもらわないと分からないけど(笑)。俺としてはArtが独自の立ち位置を築いている気がして、とても嬉しいんだ。

-あなたと彼の間のヴァイブも独特になりつつあるのでしょうか。

そうだね。それは間違いない。俺たちがプレイするときには独特のコネクションが生まれて、お互いのやっていることが分かっているんだ。何か起こるぞ、というときにはお互いの目が合うんだ(※微笑む)。何かが起こるときこそ俺たちの出番だからね!

-オープニング・ナンバーの「Into Oblivion」は壮大なフレーズが組み込まれた楽曲で、これまでのLAMB OF GODとも少し違った印象を与えます。

歌詞的には100パーセントRandyに聞いてもらわないといけないな(笑)。俺は全く関与していないからね。でもRandyはファンタスティックな作詞家だよ。俺たちは同じパンク・ロック出身なんだ。パンク・ロックを聴いて育ってきた。あいつの原動力や価値観、特に政治的/社会的問題に関しての見方は俺と一致していることがとても多い。つまり......歌詞について深く聞きたい場合はRandyに連絡してくれ(笑)!

-分かりました(笑)。Randyはパンクゆかりのスタジオでレコーディングしましたよね。それが役立った点もあるのでは。

あるね(笑)! それは想像できるよ。Randyはヴァイブ重視型の男だから。レコーディングしたときも、その場所の歴史的な背景をちゃんと分かっての上だったと思うよ。

-「Parasocial Christ」はファストなだけでなく、パンキッシュなテイストも感じられる楽曲です。強烈なタイトルも含めて、楽曲について詳しく伺えますか?

この曲はプレイするのがめちゃくちゃ楽しいんだ。冒頭から爆発するしね。Randyがすっと息を吸うところから始まって、いきなり爆発する。スピードも超速くて、プレイするのがめちゃくちゃ楽しい。導火線がとても短くて、いきなり始まる感じだからね。こういうのもLAMB OF GODの持ち味の一つじゃないかな。いきなり正面からガツンとくる感じ。この曲の何が気に入っているかって、いきなりバーン! と始まって、最初の数小節が終わってからグルーヴが入ってくることなんだ。顔にパンチを食らったところでグルーヴが始まるというね。

-皆さんが曲を作るときは誰かがベーシックな部分を作って、それを土台にあなたや他のメンバーがアイディアを持ち寄るのでしょうか。それともはじめから全員で?

長年の間に俺たちの曲作りも進化していてね。以前は誰かが"俺、こんなものを思い付いたよ"と聴かせて(※ギターを弾く真似をする)、それをみんなが覚えるために延々とプレイしていた。そこにいろんなパートを肉付けしていって、こうしたらああしたらという感じにコミュニケートしていった。今はMarkとWillie(Willie Adler/Gt)が主なソングライターなんだ。2人が自宅のスタジオで少しずつ作っていったところで、ライティング・セッションにJoshが加わって、デモ音源を作っていく。途中俺たちも加わって、今どこまでできているかを見極めたり、提案をしたりする。その後また何回かライティング・セッションがあって、"これらの曲に取り組もう"というのが決まったら、今度はリハーサル・スペースで曲を磨いて、テンポのマッピングとかをやって、みんなでプレイしたときにどんな感じになるかを考えるんだ。そのプロセスの間にリハーサル・スペースでレコーディングを始める。それが俺たちのテンポ・マップやスクラッチ・トラックになるんだ。それがあれば後で別々に、それぞれのタイミングでスタジオに戻って、自分たちの特定のパートにフォーカスすることができるからね。