DISC REVIEW
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近年はアルバムごとに自らのスタイルの模索を続け、前作『The Sin And The Sentence』でついに核となるサウンドを見いだしたTRIVIUM。約2年半ぶり9枚目の本作では、前作で確立したクラシック/モダンのハイブリッドなメタル・サウンドを継承しつつ、さらに攻撃的で強靭な楽曲群を収録。Track.6は2ndアルバム『Ascendancy』のころを想起させるようなスラッシュ・チューンだが、当時よりも深みと力強さを増したMatt Heafyのヴォーカルや、よりドラマチックな構成がバンドとしての進化を窺わせる。前作より収録時間はコンパクトだが、めくるめく展開の応酬は物足りなさを一切感じさせない。現行メタル・シーンを先導する覚悟を証明するような、堂々たるアルバムだ。 菅谷 透