DISC REVIEW
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前作『Signs』から2年を経た6作目のアルバムは、"Returning"というタイトルからもうかがえるように原点へと戻り、今一度アクセルを踏み込むパワーのあるアルバムだ。自身のレーベル"773Four RECORDS"を立ち上げ10年近く経ったが、今作からその運営、制作、マネジメントなどをすべて3人で行ない、DIYの深みを増している。気持ちをフレッシュに、そして磨き上げてきたバンド・アンサンブルで、馬力のあるエモーショナルなサウンドを飛ばしているのが最高だ。コブシを掲げシンガロングを煽っていくキャッチーさ、歌に込められた人生観や日常感、その行間から立ち上るさまざまな感情。それが、どっと押し寄せる勢いで、身体と心にまっすぐに飛び込んでくる曲が並ぶ。暴れて駆け抜けていくだけではない、会場一体で熱い気持ちを共有するライヴの光景が見える。 吉羽 さおり