INTERVIEW
locofrank
2017.06.15UPDATE
2017年06月号掲載
Member:木下 正行(Vo/Ba) 森 勇介(Gt/Vo) Tatsuya(Dr/Cho)
Interviewer:荒金 良介
locofrankが4thミニ・アルバム『WAY』を完成させた。いままでの道のりをしっかり受け止め、未来へ突き進もうとするバンドの強い意志が漲った渾身の1枚と言っていい。前作フル・アルバム『Returning』レコ発ツアーにおいては初の全ヶ所ワンマンという高いハードルにも挑戦し、精神も肉体も鍛え上げられた彼らの姿(音像)が今作には刻まれている。英語詞のメロディック・パンクを貫きながらも、喜怒哀楽の表情豊かな楽曲を収録した全6曲。Boz Scaggsのカバー「We are all alone」を含めて、新たなlocofrank節を確立させている。ちなみに、桜の木の下で撮影されたアーティスト写真のロケ地は大船渡。その意味は以下のインタビューを読んでほしい。
-紙資料に結成19年目と書いてましたが......もうそんなに経ったんですね。
森:バンドを始めたのが17歳のときですからね。
-前身バンド、相撲茶屋を結成したときは17歳ですか!
Tatsuya:初ライヴも17歳ですから。
-改めて「START」(2003年リリースの1stミニ・アルバム『STARTING AGE』収録曲)のMVを昨日観たんですけど、メンバー3人とも若いなぁと。
Tatsuya:当時、21歳ぐらいですからね。まぁ、気づいたら19年が過ぎてました。
木下:いい19年を過ごさせてもらったなと。locofrankには何度かターニング・ポイントがありましたけど、自分が打ちのめされたという意味での分岐点もあるし......前作『Returning』(2015年リリース)の前はそうですからね。
-暗いトンネルに入ってましたよね。
木下:そこから自分たちがやってることをちゃんと見れて、また何ができるかなと。それが固まってきたから......来年20周年を迎えますけど、別にそこには重きを置いてなくて。ただlocofrankを止めたくないという気持ちが強かった。83回ぐらい解散の危機はありましたから。
森:ははははは。
Tatsuya:グラフで表したら、落差の激しいギザギザを刻みまくってますからね。
木下:順風満帆なんて誰が言ったんだよ! って(笑)。昔は言われたんですよ、売れてすげぇなって。
-あぁ、バンド初期のころですか?
Tatsuya:いや、そのあともですよ。『The First Chapter』(2006年リリースの2ndフル・アルバム)を出したツアーのあとがひどくて。先輩バンドとの距離が近くなったから、よりいっそう当たりが強くなったんです。売れ線バンドという言葉を直に言われるようになったし。
森:だからそれを払拭したくて、そこばかりに目が向いてましたね。
-俺たちをわかってほしいと?
Tatsuya:そう。で、自分たちの環境を変えて、どうやったら説き伏せることができるかなと。そこが1回目の苦しいやつですね。
木下:バンドの本質をちゃんと見てほしいなと。いま考えたら、俺たちも地に足はついてなかったけど。
森:薄っぺらかったよね(笑)。
木下:"locofrankはこうです!"と胸を張って言えるようになったのは、ここ最近ですね。
-なるほど。前作『Returning』レコ発に伴う初ワンマン・ツアーはどうでした? やる前は"ゲロ吐きそう"と言ってましたが。
木下:ゲロ吐く前に、喉を潰しましたからね(笑)。日程を組んでるときに、キツいかなと思ったけど、実際にやってみて......個人的には背負いきれなくて、自分にガッカリしちゃって。
-えっ、そうなんですか?
森:ツアーで全ヶ所ワンマンは初めてだったし、自分たちでどう完結して、お客さんに満足してもらうか、全然わからなかったですね。
-ある程度、ヴィジョンが見えたうえで臨んでいるのかと思いました。
Tatsuya:そんな器用なことできるわけないじゃないですか!
-ははははは。
森:いままでのツアーは自分たちをいかにかっこよく表現するのか......そこばかり重視していたけど、ワンマンとなると、自分たちだけワーッ! と楽しめばいいわけじゃないから。そこをいままでないがしろにしてたことに気づいたんです。曲順しかり、お客さん目線でも考えられるようになりました。