INTERVIEW
locofrank
2017.06.15UPDATE
2017年06月号掲載
Member:木下 正行(Vo/Ba) 森 勇介(Gt/Vo) Tatsuya(Dr/Cho)
Interviewer:荒金 良介
-locofrankのショーをどう見せるか、みたいな?
森:エンターテイメントって、自分の中で"パンクじゃねぇだろ!"みたいな考えがあったけど、"もっとこうしたらライヴが面白くなるんじゃない?"という話し合いもできるようになりました。
Tatsuya:ワンマンは初めから期待して俺らを観に来てくれるわけだから。同じやり方じゃ通用しないし、同じやり方ならワンマンをやる意味がない。ツアー中はずっと悩んでました。時すでに遅し! みたいな。
-走り始めてから悩んで(笑)。
Tatsuya:あれ!? この靴、違うんじゃねぇかって。
-そこもlocofrankらしいです(笑)。
Tatsuya:はははは。俺らのアホなところやなって。でも、アホやからこそ経験してからじゃないと、より深く考えられなくて。自分たちでも日本一不器用なバンドだと思ってるんで。
-ふふふ。
Tatsuya:いろんな先輩バンドに口酸っぱくなるほど、"本当にお前らバカだよね!"って言われますからね。"そこがまたお前たちの良さなんだけどな!"って、褒め言葉とディスりが半々で(笑)。
森:でも、ワンマンはほんとに面白かったですね。
Tatsuya:全員で考えて、ポンポン提案できるようになって。普段のライヴも"こうしたら面白いんちゃう?"とアイディアを織り込めるようになったし。
-正行さんは?
木下:20代半ばのころは、ライヴは勝負だと思ってましたからね。"全員ぶっ飛ばしてやる!"という気持ちだったから。それから、自分たちも音楽以外では子供を授かったり、ボランティアを経験したりしたときに、みんなと分かち合うことは楽しいな、大切だなって。自分たちだけが良ければいいことなんて何ひとつないなと。ナメられたらムカつくという精神は、男の子だからずっとありますけど。みんなが笑って、"今日は楽しかったよな!"と言える過ごし方を俺らもしたいなと思うようになりました。
Tatsuya:昔は自分らを研ぎ澄ませることしか考えてなかったからね。
-とりあえず、刀を研いで。
木下:血まみれになりながら研いでね。
Tatsuya:研ぎすぎて、どこが先端がわからなくなって。
森:これ剣だよね? みたいな(笑)。
-そんな時期もありましたね。で、今作もすごくいい作品ですね。こんなに表情豊かなメロディック・パンクがあるんだなと。
森:自分たちのやりたいことをやりつつ、シンプルに聴かせられるになったかなと。うまくバランスを取れるようになりました。
木下:今回は土台的なものがあったし、locofrankとしての曲のゴールは1曲ずつできてましたからね。「Intertwining」(Track.2)は自分たちを吐き出すんじゃなく、みんなで作り上げるような曲にしたい、とTatsuyaから提案があったんですよ。まだ完成とは言えないし、ライヴでどんな反応が来るのかわからないけど。この曲は今回のキーになってますね。
-今作の中では「Intertwining」が一番好きです。3分未満の楽曲ですが、体感は4~5分台で、世界観の広さを感じさせる曲調だなと。
森:コンセプトのある曲だったから、ひとつのゴールに向かって、みんながどう寄せ合っていくのか。その難しさはありましたね。
Tatsuya:聴くことで、みんなが好きなイメージを膨らませられるような曲が欲しいと言ったんですよ。
森:めっちゃムズいでしょ(笑)。
木下:最初、コスモか! と思ったもん。
一同:ははははは。
Tatsuya:曲って、聴いた瞬間にイメージが湧くものが多いじゃないですか。そうじゃなくて、聴いた人がそれぞれにいろんなイメージが浮かぶ曲がいいなと。で、この曲はお客さんを巻き込んでMVも作っているんですけど。最初に思いついたことが、みんなにこの曲を聴いてもらって、勝手なイメージでMVを録ってもらおうと。全部バラバラの環境や設定だけど、まとめたらひとつの物語になっちゃうみたいな。だから、コスモっすよ(笑)! こういう曲と決めつけたくなくて。それを言ったら、"フザケんなよ!"って。
-はははは。
木下:"Intertwining"は"重なり合い"という意味なんですけど。ライヴで言えば、お客さんと何かを作り上げるという意味で重なり合いだし、自分たちがバンドをやることで誰かの人生とも重なり合うわけで、それにも当てはまるなと。各々が生きているから、みんなが交われたり、何かを作れたりする。そう考えたら、いい意味だなと。
森:それを3人が面白いと思えるようになったのかなと。Tatsuyaがこういうことを言うこと自体が奇跡ですからね。一番堅かった男だから。でも、ワンマンとかいろいろやって、自分たちなりにlocofrankの可能性を広げるためにも、そういう遊び心も入れられるようになったのかなと。