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INTERVIEW

locofrank

2025.09.04UPDATE

locofrank

Member:木下 正行(Ba/Vo) 森 勇介(Gt/Cho) 横川 慎太郎(Dr)

Interviewer:フジジュン

locofrankが実に7年ぶり、8枚目のフル・アルバムとなる『Resound』を完成させた! 現体制では初のフル・アルバムとなり、メンバー全員が作詞作曲を担当した今作。ブレることのない自身のスタイルを推し進めながら、新たな魅力や新鮮さも感じさせてくれる本作は、最新型のlocofrankを存分に堪能できる意欲作となった。昨年リリースし、大きな話題を呼んだスプリット盤『THE LAST ANTHEMS』が本作に与えた影響や、アルバム完成に至るまでの経緯、そして最新アルバムについてメンバー3人に訊く。

-フル・アルバム『Resound』を完成させたlocofrankですが、まずはそれぞれ、アルバムを完成させた感想から聞かせてください。

木下:ドラムがよこしん(横川)に変わって、アルバムとしては1発目になるので、ドラミングもそうなんですけど、やっぱりよこしんの感性というか、前任のTatsuyaとはまた違ったアプローチの仕方であったり、コード進行や編曲であったりが出てて。よこしんが作った曲は、今までの僕たちになかったものが多かったんで、また違ったlocofrankが出せてるのではないかな? と思ってます。

-昨年、HAWAIIAN6、dustboxとリリースしたスプリット盤『THE LAST ANTHEMS』の座談会(※2024年4月号掲載)で読んだんですが、収録された「if」はよこしんさんが作詞作曲されてて、locofrankは3人共曲が書けるバンドになって。

木下:天才ですね。

-もう天才の集まりですよ(笑)。だから今作も、今までのlocofrankの延長線上にありながら、新しさや新鮮さを感じさせてくれる作品になりましたよね。

森:僕はどちらかというと、昔好きだったものと今好きなものをあまり交ぜず、locofrankらしさとかもあまり気にせず、自分の好きなものを忠実にそのまま表現して今回のアルバムができた感じはありましたね。

-うん、その辺の表現や3ピースならではのシンプルさもありながら、シンプルと一言で言うよりは、研ぎ澄まされたとか洗練されたって感じがあって。一曲一曲の焦点がバシッと合ってる気がします。

森:そうですね。一曲一曲にしっかり落とし込めたという実感はあるかも知れないです。

-そしてよこしんさん、加入後初となるアルバムが完成していかがですか?

横川:これまでのlocofrankとしての実績というか、ミニ・アルバムを出して、スプリット盤を出して、初のフル・アルバムを出して、1個ずつ積み上げてこられてるなというのを感じるし、これまでの成果としてフル・アルバムが完成したのが嬉しいです。

-では、アルバム完成に至るまでの近年の活動についてもお伺いしたいのですが、昨年4月に先程も話題に出た、スプリット盤『THE LAST ANTHEMS』に「if」、「Ephemeral Magic」、「Reborn」の3曲で参加して、各曲を3人それぞれが作詞作曲。「Reborn」は今回、アルバム『Resound』のラストを飾る曲としても収録されましたが、今振り返ったとき、スプリット盤『THE LAST ANTHEMS』は、locofrankにとってどんな作品になりましたか?

木下:前回の『THE ANTHEMS』(2013年リリース)のときとは、また違った感じですね。あのときはHAWAIIAN6とdustboxに挑む気持ちも強かったんですが、時を経て、locofrankも新しくなって、自分たちでも成長できたというか、一皮剥けたなって実感があっての『THE LAST ANTHEMS』だったので。よこしんの「if」と勇介の「Reborn」、あと僕の「Ephemeral Magic」と三種三様のlocofrankを出せたと思うし、その中でも「Reborn」は他のメンバーからも良かったと言われて。"名曲だな"と度肝を抜いたので、"勇介、天才だな!"ってところを見せつけてやれたかなと。

森:あざす(笑)!

-『THE LAST ANTHEMS』ツアー("THE LAST ANTHEMS TOUR")のファイナル公演となるZepp DiverCity(TOKYO)でも、「Reborn」でシンガロングが起きて、すごい盛り上がりだったと。

木下:あのときはうちがトリをやらせてもらって、本編ラストの曲が「Reborn」で。その後にアンコールをいただいたんですけど、楽屋に戻ったときにHAWAIIAN6とdustboxのメンバーも、"これで締まったんちゃうか?"って言ってくれたし、自分たちも出し切ったと思ったんです。で、アンコールで出てったんですけど、お客さんにその旨を伝えてそれで締めたくらい説得力のある曲になったし、そういう曲なんだなってのはそのときに改めて実感したんです。なので今回のアルバムでも、3人一致でラストに持ってきましたね。

-今回、アルバムのラストに持ってきたことでまた新たな物語が生まれたというか、アルバムを通しての物語が「Reborn」に帰結するみたいな印象をすごく受けました。

木下:たしかにアルバムに入るとまた聞こえ方が違いますね。

-勇介さんは改めて、「Reborn」の存在っていかがですか?

森:たまたまできた曲やし、自分が作った曲で褒めにくいので、他の2人にどんどん褒めてもらいたいところですけど(笑)。HAWAIIAN6とdustboxがいて、『THE LAST ANTHEMS』だから生まれた曲というのはあったかも知れないですね。HAWAIIAN6とdustboxがいるから、こういう曲があってもいいのかな? って意識的なもので作れたので。単体のアルバムだったら作れなかった曲だったかなと思います。

-共に戦ってきた同士がいるからこそ、生まれた曲だったと。"THE LAST ANTHEMS TOUR"は、アルバム制作に多大な影響を与えました?

木下:そうですね。HAWAIIAN6やdustboxって、同年代みたいに括られるんですけど、HAWAIIAN6なんて全然先輩ですし、dustboxももともと一緒にやってたみたいな、同じフィールドではなかったし、各々で世界観も違ったり、活動も違ったりするので。勝負しててすごく面白いし、話してても面白いですし、12年前の『THE ANTHEMS』のときのように胸を借りる感じではなくなって、自分たち的にも刺激があったし、メンバー新たにってところでもより深くなれたかな? と思います。

-『THE LAST ANTHEMS』の座談会で、木下さんが"続けてきただけではなく、少なからず乗り越えてきたバンド人生だと思うので。その中でタフネスももちろんあるし、かといって切り捨ててきた、諦めてきたこともある"って話してて。

木下:そんなこと言うてました? じゃあ、今回もそれ使ってください(笑)。

-わはは(笑)。でもそういう気持ちって、共に戦ってきた仲間がいるからこそ、より感じたところだと思いますし。今作の紙資料に"locofrankがこれまで歩んできた道を肯定しながら、これからの未踏の地を進もうとする決意が詰まった13曲"とありますが、そういった誇りや自信が、アルバム制作でもすごく重要だったんじゃないかと感じました。

木下:そうですね。特にタフネスという部分では、タフでないと続けてこられなかった節がいっぱい思い当たりますね。ただ、歯を食いしばるだけやったら、どうしても疲れてしまうので、長いことやらせていただいてると、楽しみ方っていうのも自分たちで試行錯誤するようにはなれたのかな? とは思いますけど。呑んで暴れたりもしますし。

-あはは(笑)。"THE LAST ANTHEMS TOUR"もZepp(DiverCity(TOKYO))でしっかり締めくくったのに、"LAST ANTHEMS TOUR -Beyond-"とさらに10ヶ所回ったのって、"楽しかったから"が絶対ありますよね?

木下:そうですね。楽しかったですねぇ......(※しみじみと)。

-そんななか、『Resound』って、どのタイミングから制作を意識して動き出したんですか?

木下:『THE LAST ANTHEMS』のときにはもう作り始めてました。でも、曲が全然できなくて、しびれを切らしたよこしんがすごい作ってきて。

横川:しびれを切らしたというか、作りたいものは少しずつあって、ひらめきというか"こんなのがいいな"と思ったときに作ったのを少しずつ溜めていった感じだったんですが。制作期間が長かったので"こういう曲どうかな?"とか考えながら曲を作ってました。

-やはりその時期、"THE LAST ANTHEMS TOUR"も刺激になって、創作意欲がかき立てられました?

横川:それもありましたし、僕は後から入ってきた人間なので、"よこしん節"と言ったらおこがましいかも知れないですけど。今回は"自分にはこういうバックグラウンドがあって、そのなかでこんな曲をlocofrankがやれたら面白いんじゃないか?"ってところに重きを置いて、作り進めていけた感じでしたね。locofrankとしてやる曲なので、ロコ(locofrank)らしさみたいなもんを自分の中で解釈して作るのもしてました。

-ずっとlocofrankをやり続けてきた木下さんや勇介さんともちょっと違う、よこしんさんの思うlocofrankらしさというのが、僕の感じた新鮮な印象にも繋がるんでしょうね。勇介さんは今作の曲作り、いかがでしたか?

森:三種三様が作れるって強さがあるなかで、僕はあまりメロディックにこだわらずというか、今回の周期みたいなところでメロコアの曲が作れなかったので、メロコアは2人にお任せしようと思って、自分の作りたい曲を作ってました。曲を大量に作れるタイプじゃないので、曲ができるのもめっちゃ遅かったですけど、僕の作った曲が2人に刺さればという感じで作りましたね。

木下:勇介は自分が作る曲とは全く違ったアプローチで、ギタリストとしての発想、嫉妬してしまうくらいの感性があって、いつも力強かったり優しかったりするんですが、僕にはそれがないんです。そういうところは今回も今までも感じてきたところではあるんですけど、よこしんの作る曲ってもともとメロディックではないと思うので、歌謡曲調とか自分が触れてきていなかったところの良さやアプローチがあって。今回のアルバムに限らず、初めて作ってきた曲を聴いても勉強になったというか驚かされたし、もともとピアノが弾ける人なので、繊細なメロディも今回すごくびっくりしたところであり、感心したところでしたね。

-今回13曲収録されてますが、3人の作った曲の割合ってどんな感じだったんですか?

木下:新しく作った曲でいうとよこしんが4曲、勇介が名曲「Reborn」を含む3曲、僕が3曲という感じですね。

-2023年、25周年を記念してリリースされた『25』からも、「Continue」とボーナス・トラックの楽曲を完成させた「Rainmaker」が収録されてますが。さっきお話ししたみたいに、今作がラストの「Reborn」へと帰結する物語と考えたとき、新たな始まりを宣言した「Second prologue」、アルバム中盤の「Continue」、そして「Reborn」とアルバムの軸になる曲が繋がるようになっている気がしたのですが?

森:それは狙ってなかったですけど、「Continue」は25周年のタイミングで作った曲で、その時期にHi-STANDARDのツネ(恒岡 章/Dr)さんのこともあったんで、自分たちが続けていく、継続していくっていう強い思いを持っていた時期でもあって。そこから『THE LAST ANTHEMS』に繋がっていくので、後付けではありますけど、そういう時系列も関係あるのかな? って気はします。