COLUMN
THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第弐回
-Masato君から見た日高さんの存在というのは?
Masato:僕はずっとお面の人というイメージで。BEAT CRUSADERS(以下ビークル)のライヴは観てましたけど、会ったときはビークルじゃなかったですからね。だから、ずっと観てきた日高さんとは違って、親しみやすい状態で会えたのかなと。
日高:ゴスケを挟んでいたしね。俺らやAIR JAM系の人たちのライヴや映像も観てたと思うけど、そこに対する憧れはあったの?
Masato:そこまでないかもしれないですね。後からAIR JAMの存在を知って、そんなにすごかったんだって。僕らの先輩で言うと、UZUMAKI、THE MAD CAPSULE MARKETSとかもっとラウド寄りのものを追いかけてました。これはSiMのMAH(Vo)ともよく話すんですけど"俺らがやりたいことはAIR JAMだよね"って。
-へぇー、そうなんですね。
日高:ジャンルや内容は違っても、大枠の狙いは同じなんだろうね。SiMやcoldrainも自分たちだけじゃなく、シーン全体を盛り上げようみたいな使命感を持ってるよね。俺もどちらかといえば、そういう人であろうと思ってるんだけど、なかなか難しいよね。
Masato:もしかしたらですけど、AIR JAM世代の人たちも追いかけてたものがなかったのかなって。僕らもないものを浸透させたいという気持ちがあるから。上の世代でそれをやっていた人たちがいっぱいいましたからね。
-ゼロをイチにしたいという気持ちの部分で、AIR JAM世代の人たちと一緒なんですね。
Masato:だから、武道館じゃなかったんですよ。それこそ知らなかったのに、やりたかったのはAIR JAMですからね。 日高:武道館がダメという訳じゃなくてね。
Masato:そうですね。
-メジャー時代のビークルも武道館をやれたのに、あえてやらなかったですからね。
日高:今考えたら、ほんともったいないことしたよね(笑)。
Masato:武道館はアメリカやヨーロッパに行ったときに、みんな"ブドーカン!"と言ってて、あっ、そんなに有名なんだって。やれるなら、やっといた方がいいのかなって(笑)。
日高:俺も1回ぐらいやっとけば良かった(笑)。
日高:そうそう。毎年やるわけにもいかないし、それも嫌だなと。これから先どれだけメディアに出て、自分たちを広めるのか。それはほんと難しい問題だよね。別にテレビに出たくないわけじゃないしさ。
Masato:そうなんですよね。僕らは作ってるイメージもないから。
日高:coldrainはガンガン海外に行ってほしいね。今年行ったんだっけ?
Masato:今年初めてヨーロッパを回りました。行ってみたら、(日本と)そんなに変らないなって。ただ、海外と日本の基準の差はありますね。楽屋がないのは当たり前とか。BULLET FOR MY VALENTINE(以下ブレット)の冠で一緒に回ったんですけど、彼らは楽屋が5つぐらい必要で、それが成立して、初めて僕らの楽屋があるみたいな。
日高:ブレットもそれを経て、あの位置にいるわけだからね。そんなcoldrainの未来の目標は?
Masato:何だろうな......日本人はこのバンドが1番好きとか言いたがるんですよ。僕はあまりそれがなくて、いろんな音楽が好きだし、1番と言われてもなって。僕は誰かの5本の指の中にcoldrainがいてくれたらいいなと。海外に行くと、なおさらそう思いますね。いろんな人たちのトップ5に食い込めたら、嬉しいですね。
日高:5本の指にずっと入り続ける方が難しいかもね。
Masato:そういうのはいいなって。
-わかりました。では、このへんでお薦め盤をお願いします!
Masato:LIMP BIZKITの『Significant Other』ですね。2枚目は何が重要かって、両方入ってるんですよ。メジャー感もありつつ、バンドの色もしっかりあるから。
日高:GOOD CHARLOTTEもそうかもね。
-KORNやSUGAR RAYもそうですよね。
Masato:全部そうなんですよ。いきなり変るじゃないですか。GOOD CHARLOTTEの1枚目も好きだけど、2枚目になると、なぜドーン!と行くかがわかるんですよ。
日高:わかる。いいセレクトだね。俺はANTHRAXの『Among The Living』かな。
-今、海外で完全再現ライヴやってますね。
日高:『Among The Living』、1番イケイケでメロディアスでやる気を感じるんですよ。俺はパンクスだったから、メタルに最初抵抗があったんだけど。(パンクとメタルの)間を取ってくれたのがANTHRAXで、彼らがいなかったらこんなにメタルの話もできなかったし。アメリカに行くと、METALLICAやANTHRAXの話をすると、大抵みんな喜ぶからね。メタラーもパンクスもみんなANTHRAX好きだし。
Masato:ドイツのフェスでANTHRAXと一緒だったんですけど、みんなと仲良くしてるのがANTHRAXなんですよ(笑)。
日高:わかる!あんなにジャンルを問わず、メタルの入口になってくれるバンドはいないんじゃないかな。
【日高 央の1枚】
ANTHRAX
『Among The Living』
(1987)
【Masatoの1枚】
LIMP BIZKIT
『Significant Other』
(1999)