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COLUMN

MINAMI NiNE ヒロキのてげてげ通信 第9回

MINAMI NiNE ヒロキのてげてげ通信 第9回

激ロックをご覧の皆様&てげてげ通信をご覧の皆様!
明けましておめでとうございます!
今年も宜しくお願いします。

年末年始を迎える度に、10年程前の新宿での思い出が頭をよぎります。

とにかく貧乏なバンドマン達+よく知らない人達が10人で話し合いまして、全員でお金を出し合って宝くじに賭けてみようぜ!!ということになりました。
1万円分なんかより、10万円分の方が当たるかもしれないという......誰かの軽率な提案から始まった悪ノリ企画でした。

仲間達を裏切るわけにはいかないので
「俺......やっぱパス」とは言えなかったな。
購入した宝くじはそれぞれが一旦自宅に持ち帰ることに。

封を開けることなく、じっとにらめっこしながら10人再集結の予定日を待ち続けたのです。

そして迎えた当日。

僕たち10人が向かった先は新宿駅前の某銀行。
10万円分の宝くじが当たっているかどうかをすぐに確かめることができるコンピューターがあるとのことで、興奮と緊張を仲間達に悟られないように冷静を装う僕。
きっと皆もそうだったに違いない。

「これは下手したら下手するかもな。たとえ100万円くらいにしかならなくても、一人当たり10万円は返ってくるんだしな。」
そんなことを心のどこかで考えていました。

「まぁ~当たっても当たらなくてもさ、せっかくだからその日は飲みにいこうぜ!」という予定になっていたので、昼飯は抜いていました。

軽快なリズムで見る見るうちにアタリorハズレの判別をしていくコンピューター。
「もうちょっとスピード落としてよ~」と誰かが口にした時に笑いが起きたものの、口数もどんどん減っていき、ボーっと眺めることしかできない無力な僕達......。

結果は言うまでもありませんでした。

それぞれが思っていたよりもショックだった僕達は、
飲みにも行かず「じゃあまたね」と苦笑いで解散。

あの日の帰り道。
人生甘くないよなって思いながら、高田渡の「生活の柄」を聴いていた。
"当時ハマってよく聴いていた"
どうしようかな......とか、
あぁ今夜は何食おうかな......とか、
淡い思いが呆気なく散ってしまった僕を乗せ走り続ける総武線の中から見た東京の空は今でもはっきりと思い出せるんだよな......(泣)。

若かったあの日の新宿
一瞬だけ見ていた夢
苦しい生活
苦い思い出
仲間
音楽

100万円当たるよりも、よっぽど今の自分に繋がる1万円で買ったエピソード。
ハズレて良かった。

と、強がって生きています。
当時の仲間達は元気にしてるのかな。
僕は凄く元気です!

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