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INTERVIEW

MINAMI NiNE

2019.06.11UPDATE

2019年06月号掲載

MINAMI NiNE

Member:ヒロキ(Vo/Ba) ワラビノ(Gt/Cho) スケロク(Dr/Cho)

Interviewer:山口 智男

2018年10月に"SUPER EP"『LINKS』で満を持してメジャー・デビューを飾ったMINAMI NiNEが、再び"SUPER EP"を冠した『IMAGINE』をリリース。今回は前作発表後、ライヴを通してさらに多くの人たちと繋がりながら芽生えた思いを凝縮したという。そして、高校野球の応援歌として人気の「ダイナミック琉球」のパンク・カバーを含むバラエティに富んだ全6曲を作り上げるなか、繋がった人たちに"もっと返したい"という気持ちは、みんなで歌いながらライヴでもっとすごい景色を一緒に作りたいという熱い思いに変わってきたようだ。

-昨年10月にメジャー・デビューしてから約半年、以前にも増して精力的に活動していますが、どんな手応えを得られたと感じていますか?

ヒロキ:ライヴに初めて来るお客さんが増えました。特に家族で来る人が増えたんです。子供とお母さんが一緒に来たりとか、兄弟で来たりとか、その兄弟にお父さんお母さんがついてきたりとか。なので、いろいろな年代の人に聴いてもらえてるんだなって。それは嬉しいですね。

-バンドを始めたときに掲げた"おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんにも聴いてもらえるバンド"という目標に確実に近づいているわけですね。

スケロク:おじいちゃんおばあちゃんは、まだ来てないですけどね(笑)。

ヒロキ:そうだね。一番年上で60歳ぐらい?

-ワラビノさんはどんな手応えがありましたか?

ワラビノ:今年の4月から5月にかけて5ヶ所を回った"アツアツ!!獅子鍋の旅2019"というツアーでは、これまで対バンする機会がなかった全然違うジャンルの人たちに"一緒にやってください"と僕らからお願いしてやらせてもらったんです。そこで全然違うジャンルのお客さんに僕たちのライヴを見せられたことが、さっきヒロキが言っていた、いろいろな年代の人たちに聴いてもらえるきっかけにもなったのかなと思います。

ヒロキ:パンクのライヴに行かない人たちがMINAMI NiNEのライヴに来られるような環境を、自分たちで作りたかったんですよ。

ワラビノ:あぁ、それは"獅子鍋の旅"のライヴのMCでも言ってたもんね。

ヒロキ:そうだね。お客さんが"なんでこういう組み合わせ?"って思ってる感じはあったと思ったので、"こういう意図で今回のツアーはやらせてもらいました"っていうのはちゃんと伝えた方がいいと思ったんですよ。

-そういういろいろな繋がりも増え、お客さんの幅も広がってという状況のなかで、今回の『IMAGINE』という作品はどんなものになったと感じていますか?

ヒロキ:前作の『LINKS』(2018年10月リリースの"SUPER EP")はメジャー第1弾作品ということで、インディーズ時代からやっていた曲も入れたことも含め、それまでの7年間の活動を詰め込む感じで作ったんですけど、『IMAGINE』は『LINKS』からまだ1年経ってないということもあって、『LINKS』のツアー(2018年10月から12月にかけて開催した"MINAMI NiNE pre. LINKS TOUR")中に感じたこととか、『LINKS』を出してから生まれた自分たちの感情を詰め込んだので、かなりリアルというか、タイムリーな作品になったと思います。

スケロク:カバーはあるけど、すべて新曲なので。

-『LINKS』のツアー中、どんなことを感じたのでしょうか?

ヒロキ:ライヴが終わったあと、"今日は来てくれてありがとうございました"ってひとりひとりに挨拶はできないし、どんなことで悩んでいるのかとか、何が好きなのかとかも全然わからないなかで、1時間ぐらい面と向かって僕らと過ごしてくれるわけですから、ライヴ中はできるだけお客さんの目を見るようにしているんですけど、みんなすごく真剣に観てくれてるんです。そんなふうに、ひとりひとりの貴重な時間を僕たちに使ってくれてるんだって思ったら、そのぶん僕たちもガッと燃えてそれを返したいって気持ちに改めてなったというか。『LINKS』を作ったときももちろんそうでしたけど、それ以上に今回の方がさらにいろいろな意欲が湧いていたっていうのはあります。

-曲作りにはいつ頃から取り組んでいたんですか?

ヒロキ:『LINKS』のツアーが終わってからだから――

スケロク:年末ぐらいから取り掛かってたっけ?

ヒロキ:今年の1月1日に"一日一曲作る!"という目標を立てたんですよ。そしたらちょうどお正月休みだったから、いっぱい作っちゃって、そのあとはサボる日も出てきちゃったんですけど、そうやって作り溜めた曲の中から、"この曲いいね"って選んでいきました。唯一、「フレグランス」って曲だけは3年ぐらい前からAメロだけあって、"もっと良くなるはずだから、今回はやめておこう"って、毎回そういう話になっていたんですけど。

スケロク:それが今回やっと、ね。

ヒロキ:スタッフも含め、全員が"これだ!"ってなったんです。

スケロク:ずっと完成させたいと思ってた曲だから――

ヒロキ:すごくすっきりしました(笑)。

-最初にできたのはどの曲だったんですか?

ワラビノ:「Family」じゃない?

ヒロキ:その「Family」も、実はサビのメロが最初全然違ったんです。どうしても、"もっとイケるんじゃないか!? さらに良くするには?"ってギリギリまで考えてしまうんですよね。でも、結果的にどの曲もそれで良くなってるからいいんですけど。

-そして、最後にできたのは?

ヒロキ:「Imagine」です。この曲は、そもそも入る予定がなかったんですよ。「Imagine」を入れずに全5曲で考えたんですけど、自分たちの中であと1曲欲しかったんです。そしたら、"じゃあもう1曲作って、できたら聴かせて"ってことになって、聴いてもらう曲を録るためにスタジオを4時間ぐらい取ったんだっけ? その前日が奈良でツーマン・ライヴがあって、90分演奏したんですけど、打ち上げに出てからダッシュで東京に戻って、朝からスタジオに入って、ネタも何も全然ない状態から始めたんです。今考えると、元ネタもないのに、"あと1曲入れさせてください"って、締め切りもあるのに無茶したなって思いますけど(笑)、自分たちの中でゆったり聴かせる曲がその時点でなかったから、どうしてもあと1曲必要だったんです。やっぱりそういうものがMINAMI NiNEの持ち味だと思うんですよね。それで、頑張ってスタジオで作った曲を送ったら、"いいね!"って反応が返ってきて。しっかり歌詞も書いて、"Imagine"ってタイトルを付けたら、結果今回のEPのタイトルにもなって。

-時間がなかったにもかかわらず、ピアノとオルガンも入っているという(笑)。

スケロク:そこも無理を言ってしまいました(笑)。

ヒロキ:"温かい感じの曲にしたいんです"ってイメージだけを伝えて――

スケロク:"お願いします!"って同じ事務所のアーティストの方に。

ヒロキ:そしたら思ってたとおりの演奏を加えてくれて。