COLUMN
ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.27
ESKIMO CALLBOY Kevin Ratajczakのコラム
俺たちは日本が大好きだ。2012年(初来日)の初日から、俺たちは日本とそこにいる人々と恋に落ちた。もちろん食べ物ともね。長年やっているなかで、よその国で俺たちを居心地よくさせてくれるのはいつも人だ。新しい友だちを作って、久しぶりにまた会えると、すぐに自分ちにいるみたいなアットホームな気持ちになれるんだよね。実際は家から何千キロも離れていても。
というわけで、仲良しのYusukeが空港に迎えに来てくれた。前回のツアーやヨーロッパ・ツアー以来、あいつとは数年の付き合いだ。ホテルへの道、名古屋での最初の夜から最初のショーまでは数秒のように感じた。エンジョイしているときはいつもそうだけどね。最初のショーには気分が相当アゲアゲだったよ! 初めて新曲を日本の人の前でプレイするんだからね。でも名古屋のみんなのおかげでとてもやりやすかった。ムードは最高だったし、みんなこれ以上ないってくらい俺たちの再訪を歓迎してくれた。まるで日本にずっといたみたいな気分だったよ。何より最高だったのは、友達のHER NAME IN BLOODとステージを共にできたことだった。ツアー・ファミリーの完成だ。ショーのあとはみんなでバーに行ってちょっと飲んだよ。あ、いつものように、予定よりたくさん飲んじゃったけど、とにかく素晴らしい夜だった。もちろん、ちょくちょく旅をしていると、出来事のすべてをいつも覚えていられるわけじゃない。でも日本行きのフライトで出会ってショーに招待したスチュワーデスたちとテーブルの上で踊るとか、道のど真ん中で下着姿になって、バーからくすねたパイナップルでサッカーをしながらホテルまで行くなんていうことがあると、間違いなく心に残る夜になるよね。でも日々はあまりに早く過ぎていった。大阪での短すぎる滞在のあと、俺たちは車で東京に向かった。大阪でのショーはすごく楽しかったよ。みんな良くしてくれたし、新曲をステージでやるのにもどんどん慣れていった。だけどかなりタイトなスケジュールだったから、大阪では大好きなバー"ROCKROCK"に行く時間がなかったんだ! あれはちょっと残念だったね。前回と前々回のツアーではそこで楽しい時間を過ごしていたから。
でもそれとは別のハイライトが俺たちを待っていたんだ。東京では2回ショーをやることはわかっていたけど、泊まる場所は決まっていなかった。いつもとは違って、ホテルには泊まらず、渋谷のレンタルハウスに泊まったんだ。俺たちにとってはとてもクールなことだったね。ドイツでライトバンに乗って移動しながら、小さなユースセンターのツアーをしていた古き良き時代を思い出したよ。あのころはバンドの溜まり場みたいなアパートとかに泊まるのが普通だった。すごく密な場所だったけど、最高の親友たちが周りにいるっていうのはすごくクールなことだった。ひと晩中お喋りしたり、飲んだり、いい音楽を聴いたりしてさ。2回目のショーの会場からほんの数メートル先のところにあったこのレンタルハウスは、その居心地のいい雰囲気をまた味わわせてくれた。そこに到着したら、モールで食材を買って、自分たちのベッドを選んだよ。
1回目のショーは、渋谷で行われた"SCREAM OUT PARTY"という素敵なインドア・フェスだった。クールなバンドのラインナップ、ソールド・アウトになったきれいな会場......伝説に残る夜にする条件が整った! そして俺たちの望みどおりの結果になった。あのショーは本当に楽しかったね。オーディエンスも最高だった。日本でしか感じることのできない、スペシャルなエネルギーを感じた。とにかくパーフェクトだったよ。でも夜はまだ終わりじゃなかった。大切な友達に、激ロックのバーに招待されていたんだ。なんと言ったらいいのか、将来子供たちに伝えたいひとときだったよ。すごく温かく迎えてもらえて、素敵なジントニックを飲んで、本当にたくさんのクールな新しい出会いや旧友たちとの再会があった。最後はどデカいビルの11階かどこかにあるクラブに朝5時までいたよ。いやー、酔っ払ったね。でもセブンイレブンでおにぎりをゲットしてハウスに戻って、冷たいビールを冷蔵庫から出したら、もうずっと味わっていなかったくらいのピースフルな眠りにつけたよ! プライスレスだったね!
さらにまた別のショーが俺たちを待っていた。サヨナラを言わないといけなくなる前の、日本でのファイナル・ショーだ。これまたとにかく最高だったよ。ショーもそうだったけど、HNIB(HER NAME IN BLOOD)のドラマー Makiの誕生日を祝ったんだ! いい心を持ったいい奴。あいつにはあのパーティーが相応しかったよ。それから、俺たちの日本のレーベルを代表して、とても素敵な人たちが来てくれたんだ。ご丁寧に挨拶にも来てくれたよ。やっとメールの名前と顔がひもづいたよ! ここドイツの業界関係者よりもずっとパーソナルな思い入れを感じた。心からありがたく思っているんだ。というわけで、日本での思い出の最後は新宿の"GODZ"という小さなバーで。ここはバーの人に曲をリクエストできるところなんだ。すぐにちょっとしたカラオケ・パーティーになったよ。ファンタスティックなツアーに相応しい終わり方だった。俺たちは、ツアーで経験できたすべてのことに感謝してもしきれない。帰りの飛行機に乗ったときは全員満足感があってハッピーだったけど、ものすごく疲れ切ってもいた。あんなに飛行機で眠ったことはなかったね。
そして帰って目覚めたときは、夢のように感じた。ただし、全部本当に起こったことだったんだ。
日本のみんな、ありがとう。また近いうちに会えますように。
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