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COLUMN

ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.26

ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.26

ESKIMO CALLBOY Kevin Ratajczakのコラム

さて、新作『The Scene』ができあがったとき――全部の曲が仕上がって、ミキシングもマスタリングも終わって、ビデオも全部撮り終わった俺たちは、いつものように、みんなで集まって、充実した時間を過ごしたんだ。リリースのこととか何も考えずにね。
 
大親友たちとこんなにたくさんの時間を一緒に過ごして何かに取り組むということは、普通の日常的な仕事とはどんなことがあってもやっぱり比べようがないものなんだ。どこに行ってもそのアルバムがつきまとう。取り組んでいるときも(それは)心の中にあるし、家に帰っても、ショッピングに行っても心の中にある。だから6人の間のテンションがどんどんどんどん上がっていく。それが何を意味するか俺たちにはわかっている。俺たちの誰にとっても、それは人生を意味するんだ。だから時には全員が息子に接する厳しい父親みたいに振る舞うんだ。でもそれはひとえに息子のためを想ってのことだからね。そのときは冷徹で無感情みたいに見える。だけどみんな、大切なものに対する愛がモチベーションになっているんだ。俺たちの音楽、そして友情に対するね!
 
ようやくすべての作業が終わるときは、心の中にあるデカい石を誰かに取り除いてもらうような気分なんだ。あ、誤解しないでほしいんだけど、俺たちはこの生業を愛しているし、バンドとして取り組むことが大好きだ。だけど集中すればするほどストレスにやられてしまう。特にこの根詰めた時間が1年も続くとね。
そして『The Scene』が仕上がって、あとはリリース日を待つのみとなったとき、俺たちは集まってバーベキューをやった。ありとあらゆるものを持ち寄ってね! ビール、ステーキ、バーガー、ジン......みんな彼女を連れてきたからデカい集まりになったよ! これは、自分がなんのためにこういうことをやっているのかを思い出すためにもとても大切なことだった。俺たちが共有している音楽への愛と、一緒に過ごす素晴らしい時間のため。これがすべての礎であり、始まりなんだ。
 
だけど仕事のあとっていうのはいつも仕事の前でもある。この生まれたてのベイビーをステージに上げないといけない。それは、時には曲を書くことよりもいっそう重要だったりする。もしかしたら以前も書いたかも知れないけど......音楽がもはやただの音楽じゃなくなるんだ。みんないいショーを期待している。そしていいショーというのは、単にいいミュージシャンがいること以上のものなんだ。ファンの心に語り掛けないといけない。やることすべてに信憑性を持たせるというのは、いつだって、俺たちがみんなに提供することのできる最も重要な価値なんだ。
 
信じてほしいんだけど、2年越しで、日本で新作『The Scene』を引っ提げてライヴ・デビューすることになるって聞いたときは、ハッピーなんてもんじゃなかったよ。
そのあとの数週間は、新しいツアーに向けての準備が目白押しだった。新曲を練習して、ヨーロッパのショーに向けてステージを組み立てて。残念ながらステージ・セットのすべてを他の国に持って行くことはできないんだ。飛行機で搬入搬出をする余裕がないからね。でも、スピリットはいつだって変わらない。
嘘じゃないよ。前作『Crystals』で長年ツアーしたあと、ようやく新曲をスタジオでプレイして過ごすっていうのは本当に気分が良かったんだ。新曲がライヴにぴったり合うってわかった。ちょっとゆっくりめで穏やかめの曲をいくつかセットリストに足したんだ。こうするとアップダウンのあるパーフェクトな流れがライヴ・ショーに生まれるからね。

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