MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

GYZE

2017.03.16UPDATE

2017年03月号掲載

GYZE

Member:Ryoji(Gt/Vo)

Interviewer:米沢 彰

-なるほど。あと、「Dead Bone Blue」はシンガロング・パートがこれまでにない試みですよね。

この曲は、北海道でイベントやったときに、裏のクワイアをファンの方に歌ってもらったんですよ。それがすごく功を奏したというか、味になったというか。みんなで作った感がある楽曲なんですよね。ただ、この楽曲の元のイメージはすごく古くて。アレンジはちょっと違うんですけど、10年くらい前からこういう曲を作ろうっていうアイディアはあったんです。

-10年前の最初の段階から、いろんな人に参加してもらおう、みたいなアイディアがあったんですか?

いや、最初のときは全然なくて。今回のレコーディングをするにあたって、みんなにも参加してもらいたいって思い立ったんです。今回は、イベントに来た方って感じでしたけど、どんどんこういったことをできる場が広がっていけばいいなとは思ってますね。

-レコーディングは事前に告知されていたんですか?

一応、"こういうレコーディングをするよ"っていうことは伝えてましたね。ただ、事前に歌うパートを伝えてたわけではないので(笑)。

-そうですよね。じゃあ、その場で練習して。

そうでした。

-実際にやってみてどうでした?

楽しかったですね。絶対にバンド・メンバーだけでは出せないので。

-そうですよね。そして、インターバル的なトラックになっている「Mayoi」(Track.6)はインストの曲なんですけど、Michael AmottARCH ENEMYSPIRITUAL BEGGARS)的なアプローチで、このトラックもまたこれまでからすると異質ですよね。

曲に関して言えば、自分のやりたいことを自然に出したって感じですね。例えば、途中でワルツ調になって、長調に変わるところとか。あとは、ギタリストとしての表現っていうところが肝かなとは思います。

-かなりエモーショナルだなと思いました。

そうですね(笑)。それこそ、一発テイクでOK、みたいな。等身大の自分っていう感じで。実は今回に関しては、それもテーマのひとつで。あんまり録り直しをしないようにっていうのを気をつけてたんです。自分らしさが伝わるといいなっていうか、人間味というか機械じゃ出せない揺れも楽しんでもらえたら。それも、自分の特色にしたいって思いますね。

-録り直しをしないというのは、他のパートもですか?

そうですね。バッキング然り、全部のパートがそうでしたね。

-あのドラムを録り直しなしっていうと、結構キツそうだなと思ったんですが(笑)。

ドラムはまぁ、しっかりできるまでやってもらってますね(笑)。ギターにおいてはってことですね。

-あぁ、なるほど(笑)。ですよね。

ドラムが揺れちゃうとね。

-聴いてるとドラムも結構細かいなって。大変そうだなと思いました。

そうですね。だいたいベーシックなものを僕が作って、あとは弟が。大変だったみたいです。

-ドラム含め、レコーディングは全部立ち会いましたか?

そうですね。細かく指示もしつつ、メンバーの意見も尊重しつつ。

-この「Mayoi」を挟んで一度流れが変わりますよね。「The Bloodthirsty Prince」(Track.7)、「Kamuy」(Track.8)と北欧のトライバルなフレーズが際立ち、ヴァイキング・メタルにも通じるような男らしさを強調した曲調が目立ちますね。

「The Bloodthirsty Prince」は、すごく多国籍な曲だと思っていて。GYZEにとってはチャレンジでもあり、すごくGYZEらしい曲でもあるっていう。以前から使っている、日本人らしい歌謡曲的なメロディも入ってるんですが、どちらかっていうとユーラシア大陸の方の民族的なアプローチも結構入っていて。で、どこか韓国ドラマみたいな、そういうアプローチも実は入っていて。すごく多国籍なんですけど、曲自体は3分台で、シンプルにまとめた感じですね。あとは、「Kamuy」も勇ましい感じですね。それで途中にブラームスの「ハンガリー舞曲」がモチーフとなったギター・ソロがあったりとかして。

-そうなんですね。この2曲は今までの流れからすると、少し異質ですよね。

実は「The Bloodthirsty Prince」はお気に入りの曲のひとつで。

-そういうものを作ろうとした流れって、やっぱり海外での経験だったりとか、ヨーロッパ・ツアーなどで触れてきたものが関係しているのかなと思ったんですが、実際のところはどうですか?

そうですね。いざ曲を作るってなると無意識の刷り込みというか、触れてきたものが集結されて曲になってるというか。確信的なものではないんですよね。もちろん、無意識のうちにそういうものは入ってると思うし、自分たちにしかない音を探したいっていう欲求は常に持っているので。

-今回の作品全体でいうと、ただの緩急だけじゃなくて、曲ごとに、あるいは曲の中でいろんなものが取り入れられていて、いろんな方向性が入り込んでるっていう感じがするんですが、作品全体を作るうえでのテーマやコンセプトのようなものはあったのでしょうか?

まずは"GYZEが作る"っていう大前提があって。あとは"メタルヘッズに喜んでもらえる"っていう。でもそれはもしかしたら建前っていうか。さっきも話に出ましたけど、作ってるときは本当に"作りたいものを作る"、"ちゃんと納得いくまでやり通す"っていうことに尽きるとは思うんですよね。でもまぁ、メタル・ファンに喜んでもらいたいっていう思いはまずありました。あとは、"北海道"っていうところですよね。雪や北とかのイメージが。

-では、最初に明確なテーマはなくて、1曲1曲は本当に独立してできてるって感じなんですね。

そうですね。ひとつの曲に向かってるときは、やっぱりひとつの曲に集中してるかもしれないですね。でもやっぱり制作時期が近いと、テイストは無意識下の統一感が出ているかもしれないです。