MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

COLUMN

ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.20

ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.20

ESKIMO CALLBOY、European tour report
by Kevin Ratajczak


俺とバンドにとって2016年はとても冒険的な1年だった。今まで以上にたくさんの国でショーやフェスティバルに出演したんだ。でも旅をすればするほど、いろんな経験を記憶しておくのが難しくなるんだよな。とにかくみんな駆け抜けていくように感じられて、気がつけばまた年末だ。

では、充実の1年を祝う一番の方法は何だと思う?
そう! またツアーに出ることだ!

この2016年最後のツアーは、アルバム『Crystals』を引っ提げた最後のツアーでもあった。2017年にはついに新作を出すんだ。ちょっとヘンに聞こえるかもしれないけど、今の作品を引っ提げたある一時期の最後のショーになることもあって、いつもよりちょっと感極まったツアーだった。ここ数年で大きく成長した俺たちクルーはドイツの各地にバラバラに住んでいるから、しばらくは会えない。そういうことすべてが相まって、とても緊張感が高かったんだ。

俺たちはドイツ、イギリス、それからヨーロッパの多くの地方を回った。とにかく刺激的だったよ。みんなが今も『Crystals』でロックするのが好きだったというのもあるけど、今回のツアーには3つの素晴らしいバンドを連れていくという楽しみがあったからなんだ。ドイツのANNISOKAY、アメリカのPALISADES、そして最後になるけどみんなの国日本からHER NAME IN BLOOD。言っておくけどこの男たちはパーティーの仕方を心得ているからね。このツアーの最初から最後まで、音楽的にも個人的にもとにかくウマが合ったんだ。しかも、バックステージの裸の酔っ払いが俺だけじゃなくなって本当に嬉しかったよ。仲間のMakotoが、できる限り俺に付き合ってくれた。

イギリスでの小さめのクラブでのショーから始まって、俺たちはヨーロッパ中を回った。巨大なサークル・ピットがいくつも生まれるデカいホールから、オールド・スクールなハードコアの雰囲気漂う小さな会場まで、どれも楽しかったよ。そしてショーのあとは、今まで以上に頻繁に会場近くのクラブに行った。ファック、時間を戻してあの夜の数々をよみがえらせられたらなぁ。ドレスデンのクラブのテーブルの上で踊って、歓声を上げる大勢の人たちにビールをかけるのは純粋に楽しかった。幸い、あの夜のことはそれしか覚えていないんだ。ある男が、そのクラブで働いているらしい50代半ばの女性を抱きながら踊っていたとか、すごくヘンな話をいろいろ聞いたからね。みんなはそれが俺だったって言うけど、ただのそっくりさんだったって確信が俺にはかなりあるんだ。

でも、すごく楽しかったのはクラブで過ごした夜だけじゃなかった。俺たちは2台のバスでツアーを回ったわけだけど、実はバスの中でのパーティーもものすごく楽しかったときが何度かあったんだ......ファッキンなほど寒い、イギリスの人里離れたところでね。ガソリンスタンドに売っていた、信じられないほどバカ高いビールが俺たちをいっそうハイにしたんだ! 唯一の問題は、時にそれが後部のラウンジ席で自然発生的な性交渉に繋がってしまったことだった。ほら、レディたちがホットなときもあるからね。バカみたいにたくさん飲んだあとだと、女の子がほぼ全員ヴィクトリアズ・シークレット(※アメリカのランジェリー・ブランド。セクシーなデザインをトップモデルに着せることで有名)のランウェイ・モデルみたいに見える気がするんだ。で、誰かが置き去りにしたパーカーに手を伸ばそうとしただけなのに、仲間の誰かがそこの陰で女の子とかなり激しいおしゃべりをしているのを目撃してしまったりする。80年代のポルノ映画のシーンかと思ったよ。ということで、バスの寝台の脇に脱ぎ捨てられた何千足もの靴下(靴下は決して触るもんじゃない!!!)に加えて、今度は後部のラウンジ席にある謎のシミを始末しないといけなくなったんだ。不思議な気分だったね。でも3週間以上もツアーに出ていると、そういうもんだよ。

ツアー最終日、ソールド・アウトになったニュルンベルクの会場でようやくプレイしたときは、複雑な気分だった。さよならを言うときが近づいていることも意味していたからね。あれほど激しく密な時間を一緒に過ごしたあとだと、すごく早く友達になれるんだ。そしてまさにそういうことが起こった。ツアーで新しい知り合いができることを、俺たちはいつも恵まれていると思っている。そして今回は友達にもなれたんだ。この最後の夜を一緒に過ごしたあと、俺たちは日本、アメリカ、ドイツとバラバラの方向に散っていった......でも全員わかっていたことがひとつあった。それはこれらの思い出がいつまでも心に残るということ。そしてその思い出が、俺たちがもうすぐ、2017年に新作を出すまで、ツアーに行きたい思いを満たしてくれるんだ。それから願わくはまた日本に行けるようになりたいね。もう2年くらい待っているんだから。しかも今度は日本のナイト・ライフを見せてくれる友達がさらに増えているしね。みんな、近いうちに会おう!

  • 1