COLUMN
ESKIMO CALLBOYのいきなり!チャラアゲ伝説。 vol.6
"よしみんな、もうすぐツアーが始まる。そしてその後にまたひとつ。でも忘れる前に......。新譜の締切は今月だ。前向きに頑張ろう。俺たちならできる!"
でも鏡に映る顔はそんなやる気に満ちあふれた話とは違う。目より大きなクマが目立つ。クソみたいな顔してる。そんな風な顔したいわけじゃないのにな。俺たちの周りの人々がいくら年末に向けて最後のひと踏ん張りをと応援してくれたって、そんなの耳には届かなかった。
2回目のロシア・ツアーから帰って来たばかりの時だった。今回はベラルーシとウクライナにも寄ったんだ。どんだけクレイジーな時間を過ごしたか信じ難いよ。いつも同じこと言ってるかもしれないけど、これ以上ない程最高だったね。
それらの国に着いた瞬間から、我が家のように感じていた。そのように感じさせてくれる人々がいたからね。前の年よりも全てが少し大きくも見えた。そして大好きなこの最高の感覚......人々が自分のことを好いてくれる、自分の人生で1番好きなことをやっているという理由でね。
でもツアーをどれだけ楽しんだとしても、毎度そうなんだけど、大きな疲労を伴うことは避けられない。そんなハードなツアー中に遂に全員が充電するための休息が必要だと感じるところまで来てしまった。確かにツアーに出ていること以上に自分の心を満足させられるものはなにもない。親友と一緒に旅して、古い友達や新しい仲間と共に良い時間を過ごす。最高なんだけど、でも時折、心が折れてしまうこともあるんだ。大好きなピザを食べてる時にアゴの骨をぶつけてしまう時のようにね(笑)。もちろんピザは美味しいけど、クソ痛いのには変わりない。
そしてドイツに戻って、俺たちにはちょっとやるべきことが残ってたんだ。ニュー・アルバムの制作だ。この時点で、曲制作とプリプロはほとんど終わっていたんだ。でもまだ完璧ではなかった。この時期というのは、いつも俺たちのむちゃくちゃなライフ・スタイルを活かすときなんだ。自分たちのそれぞれの役目はよく分かってる。その曲制作の最後の週の段階では、ステージ上だけでなくスタジオでも完璧に力を合わせてひとつのものを作り上げるんだ。
『Bury Me In Vegas』からほぼちょうど2年が経って、遂に制作は終わった。俺たちのニュー・アルバムが完成したんだ。ブッサイクな顔の美しい形をしたベイビーだよ(笑)。俺たちはとてもこの作品に満足しているよ。ESKIMO CALLBOYとしてだけではなく、6人の人間が集まったひとつのグループとしてね。
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