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LIVE REPORT

夕闇に誘いし漆黒の天使達

2024.06.14 @Zepp Shinjuku (TOKYO)

Writer : フジジュン Photographer:Nozomi Nakajo

"最高のパーティーを始めようぜ!"。
久々のワンマンを待ち望むファンの歓声に迎えられて賑やかにステージに登場すると、小柳(ブス担当/Vo)がパーティーの始まりを高らかに宣言する。"信念の無い笑いを中心とした活動"をコンセプトに結成10周年を迎えた、夕闇に誘いし漆黒の天使達が、10周年記念ベスト・アルバムを携えた東名阪ツアー初日となる東京公演、Zepp Shinjuku (TOKYO)でのワンマンを開催した。

みんなでバカ騒ぎしたい! まさにこんな夜のために生まれた曲であり、ベスト・アルバム1曲目に収録された「パーティー・イン・ザ・ダーク」で派手やかに幕を開けると、会場中が掛け声やジャンプを合わせて、パラパラを踊って肩を組んで、ド頭から最高潮の盛り上がりを見せるフロア。
10年の活動の集大成と言えるベスト・アルバムの曲順を"ほぼ"なぞらえた、ベスト・オブ・ベストなセトリで勢い良く駆け抜けた前半戦。ライヴ定番曲に拳が上がり大合唱が起き、ヘヴィなサウンドにヘドバンが波打って、パーティーモンスター(Party)大活躍のおもしろ演出で笑いを生み、積み重ねてきたキャリアとライヴ・スキルで観客を大いに楽しませたこの日のワンマンもまた10年の集大成。

"楽しんでますか、Zepp Shinjuku!"と、ともやん(Ba/シンガロンガー)が叫び始まったMCでは、バンド10周年&小柳が誕生日を迎えたことを話して大きな拍手を浴びると、"ここに来てるみなさま、ひとりひとりが楽しんで帰ってくれれば、我々幸せですので。一分一秒を無駄にしないように帰ってください!!"と小柳が告げ、「時給アップアップソング」へ。すると、にっち(Dr/飯食い)とともやんのどっしりしたビートに会心のギター・ソロを魅せるYUMAが、ソロ終わりに豪快に転倒するトラブルが発生!

曲終わりでいったんライヴを止めると、"大丈夫です!"と気丈に振る舞うYUMAと、"無茶苦茶面白かったわ、爆笑!"と笑いに転化する小柳。そんなところにも10年で培った高いライヴ・スキルに感心してると、"コミック系ラウド・バンドですから。みんなが笑ったら、俺らは「仕事したな」と思うわけですよ!"と「はたらく君に贈る歌」で再びフロアをブチ上げて、ベスト・アルバムにはピアノ・アレンジで収録されたバラード「時が戻ったら抱きしめて‥・」へ。ひとりステージに立ち過剰なほどに気持ちを入れて歌い上げる小柳と、曲中にバンドインして壮大な演奏を聴かせる楽器隊。"今日、生誕みたいなところもあるからいいかな? と思ったら、「あ~ん」みたいなクソ歓声。ブチギレようかと思ったわ!"と、小柳が照れ隠しのようなMCで振り返ったこの曲だったが、こんな美しい曲もやれてしまうのが夕闇(夕闇に誘いし漆黒の天使達)の強み。

「ラブソング」でヘヴィに始まった後半戦は、大掛かりな演出&悪ふざけ全開のある意味、真骨頂と言える新曲も披露し、いよいよクライマックスへ。"いいじゃないですか、10年経って新しいメンバーも増えて。こんだけの人間が俺たちの曲を聴いて、訳わからんフレーズを歌って笑顔になって"と話した小柳は、"もっともっと頭おかしい空間にして帰りたいわけですよ! 気づいたら身体が動いてる、それがライヴじゃないのかよ!?"と「MalibuMonster」、「ウォウウォウイェイイェイ酒ナイト」というブチ上げソングを連続投下。

本編ラストは10周年記念ソングと言える、ベスト・アルバム収録の新曲「ビューティフル・ティーンエイジャー」。10年経って進化/変化したこと、変わらないこと。あの頃の気持ちを持って、最新型の夕闇サウンドを鳴らすこの曲で迎えたラストは激しく美しく、実にグッとくるエンディングとなった。アンコールでは、"このまま帰ったら悲しいじゃん?"と、セトリになかった「時給アップアップソング」をリベンジし、心残りを回収して終演。東京のあとは名古屋、大阪でのワンマンも控えた彼ら。10周年にして、バンドの絶好調ぶりがビシバシ伝わってくる、夕闇の今を見逃すな!

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