LIVE REPORT
TRiDENT
2024.02.12 @Zepp Shinjuku (TOKYO)
Writer : 杉江 由紀 Photographer:nishinaga”saicho”isao, Kota Aoki
"戦い"と"闘い"は、似て非なる言葉であるという。厳密には物理的な意味での争いを"戦い"と表すことが多く、対して"闘い"とは物理的な意味を伴わないこともある言葉であるらしい。つまり、精神的な面での"闘い"や、病魔との"闘い"なども後者に属するのだとか。
"本能解放して攻めていけよ"、"ARE YOU READY ? GO !!! KICKASS !!!"と、まさに熱き闘志そのものを込めながら、今宵のTRiDENTが高らかにまず「KICKASS」で歌い放ってみせたのは、最新ミニ・アルバム『Dream Up』の発表を受けて開催された"TRiDENT Dream Up TOUR"の場、Zepp Shinjuku (TOKYO)のステージ上だ。ちなみに、彼女たちにとってこの会場は自身最大キャパとなる空間でもあった。
コロナ禍の最中に始動し、ここまでにたくさんの試練と立ち向かってきたTRiDENTは女性3人だけのミニマルな組織だとも言えるが、それでいて彼女たちの秘めるポテンシャルはミニマルどころか随分とマキシマムなものだとも言える。例えば、最新ミニ・アルバム『Dream Up』では前作『D-X』に引き続いて堀江晶太(PENGUIN RESEARCH/Ba/Composer)、DAIDAI(Paledusk/Gt)、Koji Hirachi、また新規にUVERworldのプロデュースなどを行う平出 悟とも果敢にコラボし、これまで以上に力強くも多彩な音楽世界を呈してみせたことはいまだ記憶に新しい。
当然、今回のライヴではそれだけ完成度の高い楽曲たちをライヴで披露していく、というこれまた難しいミッションをTRiDENTは遂行していくことになったわけで、それが決して生易しいことでないことは推して知るべしといったところだったろう。だが、このZepp Shinjukuでも彼女たちは『Dream Up』からの楽曲たちのみならず、"Six Invitational 2024"日本代表チーム応援ソングとして書き下ろした新曲「Bite the bullet」なども含む計13曲を、どれもこれも生き生きと楽しそうな面持ちで演奏してみせたのだ。
"みなさん、本当にありがとうございます。うちらがバンドをやり始めた頃には憧れだった、夢だったこの「Zepp」というステージにみんなと一歩ずついろんなことを乗り越えて、気づけば今日ここに立ててました。夢だったこのステージが夢じゃなく現実になって、今日はうちらの新しい夢の通過点になってます。今の私たちの夢は、東京ドーム! あの大きな大きな東京ドームにみんなを連れて行くことです!! 今はまだ夢で憧れなのかもしれない。でも、今日みたいにみんなとだったら叶えられるんじゃないかなって改めて思いました。だから、これからもTRiDENTに着いてきてください。よろしくお願いします!!!"(ASAKA/Vo/Gt)
この未来へ向けた宣言のあとには、本編を終えてからのアンコールにて新曲「be with you」が初披露されるひと幕もあり、この場からTRiDENTの輝かしきネクスト・フェーズが始まったことは間違いないと思われる。
"楽しかったぁ。Zepp Shinjuku、うちらのホームになっちゃったね(笑)"(NAGISA/Dr)
"ほんと最高です。感無量です。ありがとうございます!!"(SERINA/Ba/Cho)
アンコールのラストには再び「KICKASS」で場を盛り上げ、コール&レスポンスで観衆との絆を深めたTRiDENTは、なんと早くも5月に3rdミニ・アルバム『spice "X"』をドロップし、さらにリリース・ツアー"スパイスガールズにご用心!?ツアー"も行うという。大いなる夢に向かって、闘い続けることを決心した彼女たちの動きからもう目が離せない。
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