LIVE REPORT
PUNKAFOOLIC! SHIBUYA CRASH 2010
2010.09.04 @O-WEST、O-EAST、O-CREST、O-NEST、DUO MUSIC EXCHANGE
Writer 山本 真由
HAWAIIAN6
まずは、HAWAIIAN6から!と思ってO-EASTに入ると・・・さすがハワイアン。凄い人気。ハワイアンTシャツ率も高し!みんなノリノリで最初から前の方に陣取っている。気合い入っとるなー。そして、SEでABBAの「Dancing Queen」がかかると、そっから既に手拍子で盛り上がる。でもって、HAWAIIAN6の3人が登場!! 初っぱなは「THE LIGHTNING」、勢いに任せるようなスタートにモッシュ・ピットも急ピッチでついていく。ハワイアンの曲って、ファストでアグレッシヴだけど、やっぱりメロディに独特の哀愁があるなぁ。 そして、昨年自身のレーベルIKKI NOT DEADからリリースした目下の最新作『BONDS』からは、彼らのウタモノ・パンクとしての真骨頂「Brand New Dawn」を披露。感動的なムードに...。そこからの、 "ライヴ会場にもルールはある、でもお前たちの気持ちがその前にあるって信じてます!"という、アツすぎるMC―。ハワイアンが支持される理由がわかるなぁ。ラストは名曲「PROMISE」でシメ。この先、どんなに日本のパンク・シーンが変わっても、マイペースにグッド・ソングをフロアに届け続けてくれるのはやっぱり彼らだと思った。USELESS ID
そしてお次は、イスラエルのメロディック・パンク・ヒーロー、USELESS ID。ファンは何故かちょっと年齢層高め・・・?やっぱり『Redemption』が名作過ぎて、その頃聴いていたファンがメインになるのかな。バンドとともにファンも大人になったというか。とは言え、08年作の最新アルバム『The Lost Broken Bones』の一曲目「Isolate Me」からスタート!間違いなく盛り上がるのは、やっぱりファンがしっかりついてきているってことだろうな。 そして、やっぱりこの曲!「It's Alright」。サビでは勿論シンガロング。ライヴで聴いてもYotam Ben-Horin(Vo&Ba)のヴォーカルがめちゃくちゃ安定しているのが凄い。余裕すら感じる。ポップなメロディが印象的な「Turn Up The Stereo」でも、しっかりした演奏と余裕のステージングで、オーディエンスを湧かせた。地味ながらイケメン揃いなのもこのバンドの魅力、かも(笑)。 それから、パンク界ではそのラディカルな趣旨と参加バンドの豪華さで話題となった超名盤コンピレーション『Rock Against Bush Vol.2』収録の「State Of Fear」ではひときわモッシュが激しく!コーラスもみんな拳をあげてシンガロング。歌詞のメッセージがよく分からない曲より、漠然とでもメッセージの伝わるものの方が、やはり共感と感動を呼ぶと思った。H2O
今日は、このバンドがメイン!って方も多かったのでは?ニューヨーク・ハードコアのタフガイ5人組、H2O!!いやぁ、この日O-EASTの一番の盛り上がりだったかも。というか、盛り上がりなんて言葉では言いきれないくらい、カオス。一曲目「1995」からアドレナリン全開!本日最高にアブないモッシュ・ピットとなる。そして、「Everready」!この曲、ほんと好き。メロディがあって早くてタフでギターリフがカッコイイ。完璧なハードコア・パンク・アンセム。 そこで、なんと・・・O-EASTでライヴを見たことのある方ならわかるだろう。フロアの前後を分ける柵。床に埋まっているあれ。あれを、誰が始めたかわからないが、オーディエンスがみんなで協力してとっぱらってしまったのだ。はじめて、人じゃなくて柵がクラウド・サーフするのを見た(笑)。そして、一段と広くなったフロアには、特大のモッシュ・サークルが完成! MINOR THREATやGORILLA BISCUITSの影響を公言するだけあって、80'sアメリカン・ハードコアにある特有のカラッとした魅力も、このH2Oはしっかり引き継いでいる。そんなニューヨーク・ハードコアの温故知新を魅せる「What Happened?」でもH2O節が炸裂! と、そこで本来ならば終わりの筈だったが・・・メンバーがステージを去っても歓声鳴りやまず。トリでもトリ前でも無いのにまさかのアンコール!"新しい曲と古い曲とどっちが良いか?"とオーディエンスに語りかけ、リクエストに答えて1stから一曲披露。最後の最後まで迸るパワーが、ステージとフロアから互いに呼応し響き渡っていた。難波章浩
今年3月にソロ・アルバム『THE WORLD iS YOURS !』をリリースした難波章浩が登場! ポジティヴな歌詞が響くポップ・ナンバー「JUMP!JUMP!!JUMP!!!」で始まったライヴは、もはやパンクとかロックとかそういう次元から自由に解き放たれた難波章浩の"好きなように音楽を楽しもうぜ"というメッセージが溢れていた。 ソロ・アルバムにHi-STANDARDの横山健(Gt)と恒岡章(Dr)も参加したことで、ファンの間では"ハイスタ活動再開か!?"と話題になっていたが、なんとこの日、ハイスタの名曲「stay gold」を披露。この曲は、本当に特別ですね。なんだろうこの、みんなが一つになる瞬間の高揚感、感動。『MAKING THE ROAD』という名作がこの世に産み落とされてから、幾多のライヴで熱狂を見、何百って数の高校生バンドがカヴァーして、いくつもの青春をかたどったであろう曲。聴けて良かった! そして、"子供ができると、ディズニーとか好きになってくるんだよ。"と言って、ディズニー・アニメ「リロ&スティッチ」のロック・カヴァーを集めたコンピレーション『ロック・スティッチ』に提供した楽曲「Hawaiian Roller Coaster Ride」をノリノリで歌う。こういう、"遊びのある"曲も楽しくっていいな。 最後は、"やっぱ俺は死ぬまでロックやるわ!"と言って「ロックイット」を演ってステージを去るが、温かい拍手が続き、再び登場。「brand new sunset」を弾き語りしてくれた。 Joe Strummerが言った"Punk is an attitude"じゃないけど、ロックっていうのは生き方そのものだなぁ、と感じさせてくれるパフォーマンスだった。MAD CADDIES
ラストを飾るのはFat Wreck Chords所属、最高のパーティー集団MAD CADDIES!昨年のSHIBUYA CRASHで待望の来日を果たしたVOODOO GLOW SKULLSと並んで、スカコア・ファンの間では根強い人気を誇るバンドだ。 始まりは、「Coyote」のゆる~いリズムから、徐々にテンポアップしていく流れでオーディエンスの心をガッツリ掴む。パンクスもメロコア・キッズもルード・ボーイズ&ガールズも酔っ払いもストレート・エッジも踊るバカにしてしまうのが、MAD CADDIESの魅力!Chuckのイイ感じに力の抜けたヴォーカルが、夏の終わりに心地よいムードを作り出す。 「State Of Mind」でもグルーヴィなリズムがフロアに響く。続く「Leavin'」ではイントロで歓声があがり、モッシュ・ピットもスピード・アップ!自然とスキップしたくなるような、ハッピーなナンバーだ。ホーンとペットが大活躍の「Monkeys」も間違いなく盛り上がる!やっぱりスカっていいですねー。踊るしかないよ、もう。 野外の会場だったらもっと気持ちよかったかも。サンセット・ビーチで瓶ビール片手に...なんて、最高ね!って妄想ですが(笑)。そんな考えがよぎるくらい、パーティー感満載のライヴ。 そして、彼らのライヴで人気のナンバー「Drinkin For 11」。スカだけにスカッとするような(笑)、爽快なカッティング・ギターのリズムに身を任せ、フロアが揺れる。 最後はアッパーなスカコア「Contraband」と「No Hope」でシメ!! 歌心アリ、グルーヴあり、ロックでパンク、魔法のような時間を届けてくれたMAD CADDIES、ありがとう!!- 1