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LIVE REPORT

MACHINE HEAD Japan Tour 2008

2008.03.18 @渋谷O-EAST

Writer KAORU

ラウドパークでは圧巻という形容が相応しい素晴らしいライブを行ったMACHINE HEAD。こんなに早くも単独の来日公演が決定するとは誰が予想していただろうか。
ただし一般に公表されたのは、ライブの一ヶ月前と、とても急なことであり、更に平日に東京一公演のみ。
しかしMACHINE HEADのコアなファンにはとても嬉しいサプライズであっただろう。
筆者はライブ直前にインタビューさせてもらったが、「MACHIHE HEADは日本が嫌い」という噂を耳にしていただけに少し不安もあった。しかしその不安は必要のないものであった。
久々の来日公演となったラウドパークのライブで、MACHINE HEADは日本のオーディエンスの熱気にとても勇気付けられ、安心したそうだ。なんとラウドパーク以前は、「MACHIHE HEADは日本であまり好かれていない」とMACHINE HEAD側が思っていたとのこと。
しかし今日の単独ライブが終わる頃にはきっと彼らは日本が大好きになっていることだろうと思う。

日本のMACHINE HEADのオーディエンスはめちゃくちゃ熱いのだから!!!

会場に到着すると既に熱気でムシムシしている。真っ黒なTシャツ率がめちゃくちゃ高い。
BGMには新旧織り交ぜたメタルがかかっている。ARCH ENEMYやCHIMAIRAなんかも流れていた。
一ヶ月前の公表のわりには、きちんとフロアも埋まっている。ガラガラなんてことは有り得ないと確信していたが、実際のフロアを見て更に一安心した。
BLACK SABBATHのSEが鳴り止むと、赤い照明と共にロブ・フリンから次々にメンバーが登場。
一曲目は「Clenching」。音のバランスが気になるものの、凄い迫力だ。ロブ・フリンは正に獣のような咆哮で空間を征服する。もうめちゃくちゃかっこいい!!!!!!!!!!
緑の照明は正にジャングルを彷彿させる。ここはMACHINE HEADというメタルの獣のテリトリーなのだ。あたりはメロイックサインでこの獣を称えている。
「Imperium」でオーディエンスとバンドの一体感がかなり増した。アダムもよく煽り、元気な姿を見せてくれている。(ラウドパークでは足を骨折していたので万全ではなかったのだから悔しかったのだろう。)
「Now I Lay Thee Down」ではロブのドラマチックな歌にしばし見とれてしまった。
しかし音のバランスは相変わらず勿体ない。が、ばっちりなリズムとグルーヴに、ばっちりなギターの絡み。細かいことを気にしていても勿体ない。この音の渦に身を委ねきっていればもっと気持ちよくなれるはず!
「1o Ton」ではドラムの素晴らしさが際立っていた。ドラムのデイヴはめちゃくちゃ細いのになんであんなパワーがあるのだろう。メタリカのラーズにしてもそうなのだが。
ロブより「サークルモッシュしろ!」との指令がくだり、オーディエンスは精一杯のモッシュで応える。私のいた位置からはあまり見えなかったが、ダイブも起きたようだ。

MCでは「8年ぶりに単独ライブが日本で出来て嬉しいよ。カンパイ!」とロブが飲み物を煽る。
アルコール依存症の治療はどうなったのか、インタビューでメンバーに聞けばよかったかもしれない(笑)
でも凄く上機嫌で楽しそうなロブを見ていたら、「もっと飲んで!」という気持ちになってしまう。オーディエンスからは「Machine Fuckin' Head!」コールが起きる。ラウドパークではこのコールが浸透していなかった為、「まーしんへっっ!まーしんへっっ!」と、ちょっとかっこ悪いコールだったので(笑)、今回きちんと「Machine Fuckin' Head!」コールが出来て、ファンも大満足だっただろう。
「None But My Own」が始まると、ステージから一気に緊張感が伝わってくる。これだ。私がステージから欲しいのはこの「緊張感」なのだ。予定調和で馴れ合い的に観客に近寄ってくる感覚なんて、ロックバンドには一切不要だと私は思う。
そして彼らのライブの素晴らしいところは、観客側にもきちんと「緊張感」があるということだ。曲の世界観を理解し、不必要な暴れ方ではなく、曲に応じた身体の動かし方をしている。中にはめちゃくちゃな人もいたかもしれないが、とてもいいファン達だなと感じた。
ツーバスが気持ちよく腰に響く。どんどん気持ちよくなってきた!
そして間髪入れずに「Bulldozer」だ。正にブルドーザー級の重厚な曲。ステージとフロアが更に一体感を増す。
「Blood Sweat Tears」「Aesthetics」とライブは順調に進む。ツインギターの絡みがとてもかっこいい。
しかしここで残念なことに、観客の中でステージに缶を投げ込んだお客さんがいた。多分興奮してのことだと思うけど、絶対やめた方がいいと思う。危ないよ!

この日私が一番感動したのは「Old」だ。根源的で崇高なパワーを感じた。そしてMACHINE HEADは信仰に値するバンドだと確信した。必ずしも音楽の聴き方として「信仰」がいいことだとは思わないが、MACHINE HEADの場合はミーハーで子供くさい信仰ではない。心の安定を欲する人の為の神仏崇拝的な信仰でもない。もっと「信念」に近いのだ。うまく言葉に現せていないと思うが。。。
ブレイクではなんとQuiet Riotの「Cum On Feel The Noize」のさわりが演奏された!
これは3/19に命日を迎えたランディ・ローズ(Quiet Riot、Ozzy Ozboneで活躍したギタリスト)へのオマージュなのだろう。しかしオーディエンスの中でこの曲を知っている人は半分くらいのようであった。
そして「Halo」へ。オーディエンスも大合唱。コーラスの絡みは微妙であったが、とてもいい雰囲気だ。「Take My Scars」で本編は終了。ああ、本当にいいバンドだなと、一瞬ウルっときてしまった。私は特にMACHINE HEADというバンドに対して思い入れが深いというわけではないが、このライブを見ただけで、涙腺が緩んでしまったのだ。人の感情に訴えかける"何か"をちゃんと持ってるバンドだという証だろう。
是非とも一人でも多くの人にMACHINE HEADのライブを見て欲しい。

アンコールはアコースティックギターが用意されての「Descend」。正直今までの感動が半減してしまう位、全半はバラバラの演奏ではあったが(笑)、後半でちゃんと巻き返してくれた。
ツインギターの絡みもいい感じだ。
そして最後は・・・「Davidian」だ!!!たくさんのファンがこの曲を心待ちにしていただろう。オーディエンスはこれ以上ない位高い沸点まで上り詰め、掛け合いもばっちり!
大団円のごとくライブは終了。
インタビューで語ってくれたが、MACHINE HEADは今年もう一度単独来日公演をしてくれるそうだ。
その時は色んな都市に行く予定だということ。また一つ、今年の楽しみが増えました!

Reported by KAORU

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