FEATURE
MACHINE HEAD
2012.11.07UPDATE
2012年11月号掲載
Writer KAORU
1990年代からヘヴィ・ロック、ベイエリア・スラッシュ・メタル・シーンを先導し、昨年『Unto The Locust』という傑作アルバムをリリースしたMACHINE HEADが、自身にとって2枚目のライヴ盤をリリースする。その名も『MACHINE F**KIN HEAD LIVE』!ライヴを目にした人は皆ご存知だろうが、MACHIE HEADのライヴでは、必ず“MACHINE F**IN HEAD!!”という、リスペクトを込めた特有のコールが、“ヘッドケース”と称されるファンの間で連呼されるのだ。なんともストレートなタイトルである。ジャケットの炎が上がっているイラストも、“いかにも!”な感じでニヤリとしてしまう。
『MACHINE F**KIN HEAD LIVE』について、Robb Flynn(Vo/Gt)はこう語っている。
“ヘッドケースはとても強烈で、重要な存在さ。特にこのツアーではそれが凄まじかった。だから、このツアーの瞬間を捕らえようとしたのさ。バンドとオーディエンスが最高潮に達した瞬間を、数多くのライヴから選択し、約3時間に及ぶバッドアスな2枚組ライヴ・アルバムを作ったんだ。この作品は18年にも及ぶ俺たちの歴史を、最高な形でとらえたドキュメンタリーなのさ”
『MACHINE F*CKIN HEAD LIVE』は、2011年の『Unto The Locust』に伴うワールド・ツアーから、イギリス公演の内容を中心に、各国のベスト・ライヴを収録しているのだが、どのトラックでも、バンドとヘッドケースとのぶつかり合いが会場の熱量を瞬間沸騰させている様子が手に取るように分かり、あの巨大なサークルピットが自分のすぐ目の前にあるような錯覚に陥らせるという、非常に臨場感がある内容だ。
MACHIE HEAD は、2007年にリリースした『The Blackening』において、それまでに培ってきた表現の幅を更に大きな芸術の輪へと導き、2000年代を語る上で絶対に外すことのできない歴史的なマスターピースを生み出した。そして『The Blackening』を経た『Unto The Locust』では、クラシックを髣髴とさせる更なる実験的な試みに挑戦し、唯一無二の圧倒的な実力と表現力を得た。そんな今の彼らのライヴは、向かうところ敵ナシの無双状態である。筆者も何度かライヴを目撃し、その圧倒的な演奏力とパワーと存在感に驚愕させられたが、最新のライヴ盤である『MACHINE F**KIN HEAD LIVE』を聴くと、そんな数年前のライヴの完成度を遥かに飛び越えていることが分かる。演奏力の向上などという簡単なものではなく、MACHIE HEADは遂に、真のアーティストのみにしか辿り着くことができない神なる域へと到達したのではないだろうかとさえ思う。
最新作『Unto The Locust』に収録されている「This Is The End」の演奏が顕著に物語っているように、今のMACHIE HEADの基軸となっている壮大で複雑な構成のサウンドを、豊かな表現力と圧倒的な演奏力で見事にノックアウトしていく様があまりに爽快だ。音質的な部分においても、音の分離が際立って良く、クリアなサウンドで堪能することができる。演奏に負けじとヘッドケースの歓声やシンガロングも大きくフィーチャーされており、自分がライヴ会場の場にいるような感覚に導かれ、全身の細胞が震え上がる。正にファン大悶絶のブっ飛べるライヴ盤の登場だ!!!
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