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INTERVIEW

BabyKingdom

2024.10.08UPDATE

2024年10月号掲載

BabyKingdom

Member:咲吾-shogo-(Vo) 志記-shiki-(Gt/Mani) もにょ-monyo-(Ba) 虎丸-toramaru-(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

生と死って表裏一体だと思うんですけど、そもそもライヴってLive=生きるじゃないですか


-それから、今作にはカップリング曲として「AVARITIA」という楽曲も収録(B typeのみ)されておりまして、ぶっちゃけこの楽曲は最も激ロック読者向けな仕上がりになっていると感じます。曲調は完全にメタルですものね。

志記:これは僕がまるまる作詞作曲をさせていただいた曲になります。べびきんって、どっちかっていうと、"ポップでかわいい"的なイメージが先行するバンドだと思うんですけれども、今回は「CALAVERAS」で芯のしっかりした歌モノを提示してみてますし、「サルサルーサ」ではべびきんらしい楽しい曲もやってるなかで、あともう1曲となったときには、バンドとしてのカッコ良さに振り切った曲を入れたいなと考えたんですよ。きっかけとしては、先輩のライヴに伺う機会がありまして、そこでメタルやハード・ロックってやっぱりバンドのカッコ良さを強く感じられる音楽だなと再認識したところがあったので、受け手にとってダイナミックで心揺さぶられるような音を、BabyKingdomとしてかたちにしたかったんです。

-意図してこの言い方をさせていただきますが、これは"普通にカッコいい"です。

志記:ほんと、そういうことだと思います。僕らって、その"普通にカッコいい"を今まであんまりやってきてないんで(笑)。

-今春に出た最新フル・アルバム『FUNNY∞CIRCUS』(2024年3月)には、ハード・ロック色の強い「Burning FIRE!」が入っていましたけれど、「AVARITIA」はさらにアグレッシヴなメタル方向に特化しているところが興味深いです。

志記:これまでだとアグレッシヴには作ってるけど、そこに別の要素も入れることが多かったんですけどね。この曲はもう純粋にアグレッシヴです。

-それに、1枚のシングルとして考えると、サウンド的にはこの曲だけが突出しているようにも感じられますが、意味合いの部分では曲タイトルもスペイン語ですし、そもそもメキシコやチリは世界的に見てもメタル人気がかなり高い土地柄ですので、コンセプト的にもしっかりと繋がっている内容になっているところが素晴らしいです。

志記:そういう考え方もできますね(笑)。

-そして、メタルと言えば、すでに胎教の段階からメタルを聴いていらしたという虎丸さんの出番と言えましょう。

虎丸:メタルを叩ける! ということで僕としてはすごく嬉しかったです。

もにょ:この曲は「CALAVERAS」と真逆っていう意味で、対になってるところがある曲だと思いますね。「CALAVERAS」がドラムに対してのアプローチを積極的にした曲だとすると、こっちの「AVARITIA」はギターに対してのアプローチを積極的にした曲になってます。それこそ、この間激ロックさんのDJパーティーに伺ったときに、志記さんと"バスドラがしっかり聴こえて、ズンズン聴こえてくるヘヴィな曲がうちにもあるといいよね"っていう話はしてたんで、それをかたちにできた曲になってるんじゃないでしょうか。

-ユニゾン・パートが多いだけに、音からバンドとしての一体感も強く感じます。

志記:Aメロなんかは弾いてても最高に気持ちいいですね(笑)。そして、この音に至るまでには現代のメタルというものも改めて学びました。2000年代と2020年代を比べるだけでも、音作りが、180°って言っていいくらいすごく変わってるんだなっていうことに今回気付いたんですよ。キックが低音より高音の部分を出していく傾向になってきて、その分のフォローがどこに行くんかってなるとベースやったりするんですよね。ある意味、ギターとベースを合わせて1つのユニットとして捉えるような作り方を、この曲でも意識しました。しかも、ライヴで表現したときにもカッコいいものになるようにっていうことも重視してます。

咲吾:志記がこの曲でカッコ良くいきたいんだなっていうことは音を聴いててよく分かったんで、僕もこれはそんな方向で歌っていきましたね。志記としてはメタルぶりたかったっていうのもあるんだろうけど、思いっきりヴィジュアル系ぶりたかったところもあったんじゃないかと思うんですよ。いや、もろちん僕らもヴィジュアル系ではあるんですけどね(笑)。でも、こんな方向性の表現っていうのは今までしてきてないんで。だからこそ、僕は志記の想いに全力で応えました。

-その傾向は特に歌詞の内容からひしひしと感じられますね。"悪魔手渡す花束"、"天使遮る喧噪"、"狂おしいほどに罪深く"といったフレーズからはデカダンスを感じます。

志記:全力の中二病ですよね(笑)。どれだけ中二病を歌詞に詰め込めるかっていうのが大きなポイントでした。だって、僕等の歌詞で悪魔や天使なんていつもだったら言いませんから。ここは絶対逃げたらあかんなと思って、中二病になりきったんです。

-BabyKingdomというバンドは、何をどう表現してもその都度きっちりとやりきってくれるところが最高です。年末に向けて展開されていく"winter oneman tour『PARADISE OF THE DEAD』"では、今回のシングルの楽曲たちが大活躍してくれそうですし、タイトル通りの空間が各地で生まれていくことになるのでしょうね。

咲吾:生と死って表裏一体だと思うんですけど、そもそもライヴってLiveじゃないですか。生きるっていう意味を持ったものなんで、生きてることの素晴らしさを感じられるようなツアーにしていきたいなと僕は思ってます。

-ライヴに対しては、賛辞の意味で観客側が"ヤバい。まじ死んだ"というような言葉を使っていらっしゃることもあるようですので。このツア-・タイトルは実に絶妙ですね。

もにょ:僕はライヴに来てくれたみんなが、それぞれ"明日からも頑張って生きていこう"とか、"次のライヴに行くために頑張ろう"とかって思ってくれるようなツアーにしたいと思ってますね。次もあるからいいやじゃなく、1回ごとの大切さを今まで以上に大事にしていくものにしていきたいんです。それと、自分の感覚的には3rdフル・アルバム『FUNNY∞CIRCUS』とそのツアー("spring ONEMAN TOUR『INFINITY of CLOWN』")を、いいかたちで締めくくった上で新しく始まったのが、『CALAVERAS/サルサルーサ』のタームだと感じていて、ここから第4期が始まっていく気がしてるんですよ。そういう意味でも、今度のツアーは重要ですね。

虎丸:死を題材にした『CALAVERAS/サルサルーサ』ということで、僕としては死なないように健康第一で今度のツアーをやっていこうと考えてます(笑)。

志記:僕はですね、次のツアーでちょっと自分のエゴを打ち出していこうかと思ってたりします。さっきお兄ちゃんも言ってた通り、やっぱり『FUNNY∞CIRCUS』を作り上げてツアーをやり遂げられたことで、自分の中で確かな手応えを得られたせいか、自分のことを音楽的に前よりも信じられるようになったんですよ。もっとこれをやりたい、こうしようってヴィジョンが明確になっている状態なので、ツアーでも自分の考えるカッコ良さをしっかり追求していってやろう! という気持ちで臨みたいです。

-なんとも幸先が良さそうですね。個人的には、もにょさんの衣装がライヴだと動きづらそうなことだけが心配です(笑)。

もにょ:重くて動きづらいです、非常に。でも、1回イベントで着てみたときにちょっとしたコツは掴みましたし、ステージでターンするとスカートが広がってめっちゃきれいなんで、きっと"死者の日"感は衣装でもたっぷり表現できるんじゃないかと思ってます(笑)。